2017-09

日本に「ブルース」が浸透しない理由 - 2015.10.06 Tue

blues1.jpg blues2.jpg

先日、サンハウスの記事を書くときに菊さんのHPを読んでいたら、あの菊さんですら
「ブルースと云えば石原裕次郎の「夜霧のブルース」とか、鶴田浩二の「赤と黒のブルース」。
それがブルースだとばかり思っていた・・」とあり、丁度、押入れに企画商品化した人は
笑わすつもりはないんでしょうけどブルースと名のつく楽曲を手当たり次第に詰め込んだ
安っぽい「永遠のブルース歌謡」というCDがあったので、
私の世代の語るR&Bと下の世代の語るR&Bでは全く異なる音楽フィールドなのは何故なのか?
長年の疑問ではあるのですが、同じように「ブルース」も昭和歌謡の場合、黒人音楽から派生した
それとは全く違うのに「ブルース」として認知されているのは何故なのか?
今回はこのCDを聴きながらその理由を考えたいと思います。



[収録曲]

1. 港町ブルース/八代亜紀
2. 思案橋ブルース/天童よしみ
3. 中の島ブルース/前川清
4. あなたのブルース/矢吹健
5. 宗右衛門町ブルース/八代亜紀
6. 長崎ブルース/天童よしみ
7. 赤と黒のブルース/石原裕次郎
8. 柳ヶ瀬ブルース/平浩二
9. 新宿ブルース/八代亜紀
10. 夜霧のブルース/ディック・ミネ
11. 君忘れじのブルース/天童よしみ
12. 東京ブルース/八代亜紀
13. 雨のブルース/石原裕次郎
14. 上海ブルース/ディック・ミネ
15. 懐しのブルース/天童よしみ
16. 別れのブルース/八代亜紀

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日本のブルースの元祖といわれるのは、淡谷のり子の「別れのブルース」(1937年)だそうで
作曲家・服部良一が初めて「別れのブルース」を書くにいたった事情はこちらのブログの方
丁寧にまとめていますのでご参照ください。



ブルースの系統としても曲構成としても日本のブルースは本来のブルースとは
全く違うのに人気曲「セント・ルイス・ブルース」を雛型に発展し「憂鬱な4拍子のバラード」
というものが、いつの間にか日本のブルースと認知されるようになったということのようで
つまり日本ではサビ部分で♪「○○ブルース~」と歌えば簡単にブルースができてしまうわけです(笑)
(受験生ブルース、山谷ブルース、本牧ブルース、伊勢崎町ブルースなどなど)

blues4.jpg blues5.jpg

本流のブルースを日本の音楽シーンに定着させようと頑張ったのが、ゴールデン・カップス、
ブルース・クリエイション、パワーハウスなど、70年代はウエスト・ロード・ブルース・バンド、
憂歌団、BREAK DOWNが三大ブルースバンドと呼ばれたそうですが、決してネイティヴではない、
意味として通用しない英語歌詞で「ホワイトブルース」を模倣しただけなのでカバーの域を脱せず
未だに日本で市民権を得たとはいい難い不遇な音楽ジャンルで、これはいつも思うことなのですが
日本にはブルースが定着するための2大要素

「人種差別で虐げられた怒りの歴史」と「貧乏その日暮しを酒と歌で楽しく生抜く逞しさ」

という基本要素がないと思うのです。

むしろ神戸震災後ソウル・フラワー・ユニオンがチンドンで展開している日本列島周辺の民謡
(ヤマト、沖縄、朝鮮、アイヌ等)や大衆歌謡(壮士演歌、労働歌、革命歌等)の方が
本当の意味での日本のブルースの本流に成り得るのではないかと思うのですが
歌として伝承するには「言葉の壁」(方言や昔言葉)が最大の難題として立ちはだかっています。



日本古来から伝わる民話なども語り部という特殊な方により伝承されていますが
使用言語が難解で現代語解釈で言葉の意味を平らにしてしまえば全く別のものになってしまう
危険性もあり、原型を崩さず後世にその文化を正確に伝え残すのは至難のわざだなと・・・
改めて日本語の難しさを実感します。

ジミヘン語録にブルースについての金言があるのですが
ブルースをやるのは簡単だ。だが、感じるのは難しい。

日本人でジミヘンの言う「本物の黒」を音で表現できる人は非常に少なく、
個人的に思いつくミュージシャンでは布谷文夫、三上寛、友川かずきが
「凄まじい情念」を日本語で歌い上げているのですが、
ここまでストレートな怨歌は曖昧さを好む日本人は生理的に拒絶し
一部のマニア以外には受け入れられないことも付記しておきたいと思います。





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