Land of the Midnight Sun(白夜の大地)/Al Di Meola - 1976.10.25 Mon
ライナーによるとアル・ディ・メオラさんがR.T.Fで頭角を現してきた1975年頃は、
マクラフリンさんのマハビシュヌもラリー・コリエルさんのインレブンス・ハウスも
終焉に向かっていた時期でファンは新たなギターヒーローの登場を待っていた
ドンピシャのタイミングで発売されたソロ作品です。
アルさん3曲、コリアさん1曲、ルイスさん1曲、バッハ1曲で
タイトル曲の「Land of the Midnight Sun」はアルさんがコリアさんに捧げた曲と
クレジットされています。
又コリアさんの提供曲「Short Tales of the Black Forest」はアルとコリアさんの
デュオ演奏で、後のスーパー・ギター・トリオでもよく演奏されました。
内容は全体的にロック寄りで後の代表作「エレガント・ジプシー」などと比べると
ラテン色は薄く(「The Wizard」がラテン曲なのはミンゴ・ルイスさんの提供曲だからです)
アルさんは初めからラテン色が強かったのではなく、パコ・デ・ルシアさんとの
出会いから急激にラテン色を強めたことが分かります。
この作品の面白い点は曲ごとにリズム隊の組み合わせを変えていることで
ガッド&アンソニー/ホワイト&ミンゴ・ルイス&アンソニー/
クラーク&ミンゴ・ルイス/ジャコ&ムゾーンと1曲ごとに自分にぴったりくる
リズム隊のオーデション開催の様相ですが、その結果以後アルさんのリズム隊は
80年代初期までガッド&アンソニーに固定します。
(鍵盤も「カジノ」までバリー・マイルスさんが担当)
当時、アルさんのプロモーションで使われていた「ギター・テクノポリスの帝王」(意味不明(笑)などの
誇大表現が今となっては笑えますが、ギタリストが極限を追い求めて人間離れのスピードで
正確に弾くことが大きな売りだった時代、あのヘンテコな表現は時代的には
きっと大真面目だったんだろうなと。
ただこのことが契機で超絶演奏ブームが起こると人間味溢れる楽器としてのギターの概念を
変えてしまったというかギターがマシン(機械)化してしまったことで、
サウンドの多様化に対応してどんどん進化するシンセ技術に遅れをとった80年以降、
ギターがロックバンドの主役から転落してしまったのは至極残念です・・・
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