2017-07

HAPPYEND/はっぴいえんど - 1973.02.25 Sun









[sales data]
1973年2月25日
[producer]
はっぴいえんど
Van Dyke Parks
[member]
細野晴臣(vo/b/etc)
大瀧詠一(vo/g)
松本隆(ds/per)
鈴木茂(vo/g)
*****
Kirby Johnson(brass arrange)
Van Dyke Parks(org)
Tom Scott(sax)
Billy Payne(key)
Dave Duke(horn)
Slyde Hyde(trombone)
Chuck Findly(tp)
Lowell George(g)




はっぴいえんどの解散話は大瀧詠一氏のソロデビューアルバムを録音していた
目黒のモウリスタジオで突然切り出されたようです(1972年7月頃)

細野談
「みんな僕がリーダーだと思ってたんで、僕が何考えてるかを尊重してくれてたんだと
思うんですけど。僕は解散を決心してたんですね。他のメンバーはまだ未練があるみたい
だったし、そういう意味では衝動的でわがままな解散だったワケです」

大瀧談
「松本がえらい勢いで、おー、それなら解散してやろうって、席をバーンって
立ったのだけは覚えてる」

松本談
「僕が怒って家に帰った日があるよ(笑)。イスをけとばして。
解散っていうのは、大滝さんと細野さんで決めちゃったから。」

鈴木談
「僕はもう全くね、その時は予測してなかったんですよ。
だから、まだまだやるもんだと思っていたし、非常にショックでしたよね、
その話が最初に出た時」

周囲の証言を整理すると風街ろまんでバンドの全エネルギーを使い果たしてしまい
メンバー間はバラバラで、解散は時間の問題と考えられていたようです。

そんな状況下で何とか3枚目のアルバムを作らせたいと考えたレコード会社は
以前より計画されていたメンバーのアメリカ旅行にかこつけて
アメリカのレコーディング・スタジオでの最新レコーディング技術の体験をすすめ
メンバーを説得し、レコーディングが決定。

大瀧談
「三浦光紀さん(キング>ベルウッド社長)が高田渡と一緒に米に行くとかっていうので
大滝も一緒に行かない、みたいな話だったの。で、その時に、俺も行くんだったら、
みんなも行きたいって言うんじゃないのかなって、俺は思ったわけ。
みんなの話を聞いてみよう、みたいな事で、で行くかって言ったら、みんな行くってなって」

しかし突然の解散に腹の虫が収まらない松本は、ドラムスに専念することと
鈴木の作品以外は歌詞を提供しないという条件付きでしぶしぶ参加となったのですが
ソロアルバム制作直後でアイディアがすっからかんの大瀧は何も用意してなかったので
仕方なく2曲提供しています(笑)

このアルバムにはリトル・フィートのローウェル・ジョージやビル・ペインが
レコーディングに参加していますが、これは計画的な参加ではなく、
メンバーが同スタジオで行われていたリトル・フィートのレコーディングを
見学する機会があり



細野談(この時リトル・フィートのことは知らなかったそうです)
「何よりもびっくりしたのは、圧倒的なサウンドでしたね。
力強いビートと。音のクオリティ。彼らのエネルギーと興奮状態。
音楽を作る現場というのはこうあるべきかもしれないというような。
彼らは、いまきっと何か新しいことを生んでいるに違いないということが
伝わってくるんです」
(勿論スタジオのテーブルには何やら怪しい白い粉もあったとのこと(笑)
是非、アルバム参加を頼みたいということで事務所を通さず、その場で交渉し
現金即払い(3時間7~8万円)で参加になったとのこと。

レコーディング初日(10/7)表面上は取り繕っていたものの録音が始まると
メンバー間のギクシャクした異様な雰囲気を察したミキサーは
「先ず笑え、笑わなかったら俺は降りる」とメンバーに笑うことを強要し
半笑いでレコーディングが進み、それからほどなく録音がスムーズに運ぶ中
現地のコーディネーターつながりでダン・パイク・パークスがぶらっとスタジオに現れ、



細野談
「ソング・サイクル」の印象が強いので、ちょっとクレイジーな人かなと思ったら
本当にそうだった(笑)ラリってスタジオに来て、僕たちに向かって延々と天皇制について
演説しているかと思うと、ピアノを一人で弾き出して止まらなくなっちゃうんですよ(笑)
当時はしらふな時なかったらしくて、困った人だという印象があってね。
ソッとしておかなきゃいけない。この人、大丈夫かな?って思うくらい
嫌なヤツだったんです(笑)」

大瀧談(さよならアメリカ、さよならニッポンについて)
「コード進行だけを決めて2拍子でやっていたところにヴァン・ダイクがやってきて、
気ままにピアノ弾きだした。突然リズム・アレンジを始めて。あれよあれよと言う間に
あの曲になっちゃった。メロディもみんな決めちゃうんだよ(笑)。
"真珠湾は卑怯だぞ"なんて言いながら勝手にやってるの。ぼくたちすることなくてさァ」

松本談
「ヴァン・ダイク・パークスがリズムを作って、メロディを大瀧さんと細野さんが考えて。
ヴァン・ダイク・パークスが単純な繰り返しのワン・フレーズを考えてくれと言ったの。
で、みんな卓の前にずらっと並んで待ってるから、瞬間芸で何十秒かで考えた。
でもそれが深かったね。後の生き方をすごい変えた。この詞には、いろんな意味での
「違和感」が現れてる。解散するのに録音してる違和感とか、アメリカが嫌いだと言いながら
アメリカの音楽を聴いて育ち、それを表現手段にしてる自己矛盾だったりとか」

鈴木談
「ぼくらと一緒にピアノを演奏していたかと思うと、突然立ち上がって、
お前たちの首相は誰だ?第二次世界大戦は日本のせいだ、とか言いはじめて、
英語で30分くらい演説するの(笑)。ぼくたちはポカーンとして、文句言ってるのは
わかった(笑)」

観光ついでのつもりが各メンバーが今回の初の海外レコーディングで得た物は大きく

細野談
「まるで絵を描いているような作り方。リズムを作って、ビートを聴いて、
そこにアクセントを付けていく。できあがっていくものはすごく立体感のあるもの。
レコーディングに対する考え方が90度くらい変わっちゃった。それは大滝もそうです。
ぼくと大滝がそれを受け継いでいます」

大瀧談
「ヴァン・ダイク・パークスはブライアン・ウィルソンがやってる現場を見ているわけだし、
ブライアンはフィル・スペクターを、スペクターはリーバー&ストーラーを見てきたんだよ。
ここで、僕の聴いてきた音楽が全部つながったの、一線に。確信したんだよ。
これまでの蓄積だったら、僕も負けないからね。自信を深めちゃったよ。
で、帰りにハワイに寄った時に細野と同じ部屋で“今まで聞いてきたバッファローや
60'sポップスやそれらが全部一線でつながったよ”って言ったら“それは大切な事だ”って
言われて。だから、音楽の旅という意味では、もう来る事ないなあって思った。
事実これ以降、行っていない。海外録音は必要ないと、この時に決めたんだ。
帰ってきてから、スタジオ持たないといけないなと強く感じた」

鈴木談
「ローウェル・ジョージに会って開眼したんだよ。ああ、スライドってそうなんだ。
オレの間違ってたって。いや、間違ってはいないんだけど。目の当たりで
ローウェル・ジョージ見ちゃったからね。見ちゃいけないものを見ちゃったんだよね。」

松本談
「帰りの飛行機でプロの作詞家になることを決意した。ドラムはもうやめようと思った。
リトル・フィートのレコーディングを見学させてもらって、テイク20録ってもまだまだいける
体力の違いを見て、僕はここまで出来ないと諦めが付いた(笑)」



最後に細野談
「その後の一人一人については、茂にも大瀧にも松本にもあったと思う。
まあ、海外レコーディングでそれぞれ自立できる力をもらったというか。
ある意味、解散を後押ししてくれた」

さよならアメリカ~さよならニッポン~さよならアメリカ~さよならニッポン~
バーイ、バーイ、バーイ、バーイ、バーイ・バーイ・バイ・バイ!
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