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2020-05

Breezin' /George Benson - 1976.05.15 Sat









[sales data]
1976/5
[producer]
Tommy LiPuma
[member]
George Benson(vo/g)
Jorge Dalto(pclavinet
Ronnie Foster(el-p/synthe/etc)
Phil Upchurch(g/b)
Ralph MacDonald(per)
Stanley Banks(b)
Harvey Mason(ds)
Claus Ogerman(arranger/conductor)



ワーナー・ブラザース・レコードへの移籍後最初のアルバム。

The Village Voice紙:評価C(普通)
「アルバムの大方の所は「mush(安っぽい感傷)」に過ぎない」

ジャズファンの多くがこのアルバムを最初に聴いた時、速攻でこの作品を軽んじたのは
間違いないでしょう。

しかし、蓋を開ければポップ・アルバム・チャートのBillboard 200やジャズ、R&Bの
アルバム・チャートにおいていずれも首位に立ち数々の音楽賞を受賞。

ジョージ・ベンソンでさえ、これほど売れるとは露とも思っていなかったそうで
関係者でさえ売れれば良いとは思っていても、今までのジャズアルバムのプレス枚数の常識を
遥かに超えるメガヒット(トリプルプラチナ)になったことに驚きを隠せなかったでしょう。

このアルバムを聴いて思うのは、ジャズは音の細部を楽しむものでフュージョンは
音の雰囲気を楽しむものなのかなと。

つまり今までジャズなど聴いたことがない人でもこのアルバムの奏でる雰囲気は
簡単に楽しむことができる。
私はこの頃、ジャズには全く興味がなく、マイルス・デイヴィスの名前を知っている
程度でしたが、NHK-FMの「軽音楽をあなたに」のオープニングが「ブリージン」だったり
ラジオに流れる「マスカレード」はいい曲だなと思い、もしかしたら私が最初に興味を持った
ジャズ奏者はジョージ・ベンソンだったのかもしれません。



逆に「ジャズは高貴なもので大衆音楽とは一線画すもの」と頭の固い硬派なジャズファンは
脈々と変遷を重ねてきたジャズの歴史に背くこの雰囲気を楽しむことができない。

しかしジャズファンが束になって抵抗しても、それを遥かに上回る数のライトユーザーが
ラジオから流れる「ブリージン」の爽やかな雰囲気を楽しみ、ポップスレコードと同じ感覚で
レコードを購入していく。

つまりその差は音に対する「素直さ」なのです。

私は「音楽は頭で聴いたら負け」と考えており、初めて聴くアーチストや作品は
なるべく余計な情報を取り入れず聴くように心がけています。
そしてなるべく最初に聴いた感想をこのブログに記すようにしているのですが
正直、ピンとこず何も書くことが思いつかないような作品も多々ありまして(苦笑)
そういう時に初めてレコーディングデータを検索し、録音背景や参加ミュージシャン
作品評などを目にするのですが、この付加情報が作品を理解することに役立つこともあり
別の角度で音楽を聴けるようになることもありますが、実はこれは大変危険な視聴方法で
というのも「音楽」ではなく「情報」を聴いているのではと危惧しているからです。
スロットをやっていてもやたらとデータをスマホで確認している人を散見しますが
何故、その台の遊戯体感と自分の直感を大切にしないのかなと・・・
私は情報に左右される今の商売音楽を全く信じられないのは、皆が聴いているのは
「音楽ではなく皆が共有できる情報」であるため、情報が途切れた時点でその音楽は
死滅しますが、セールス的に大したことのない歴史が証明した名盤は少人数でも
今でも誰かに聴かれ続けている。

話が大きく反れましたが、この作品を情報を取り入れて再聴してみると
私はこの作品からベンソンはクラプトンのように歌うばっかりでギターは殆ど弾かなくなったと
誤解してましたが、歌物は「マスカレード」だけで今までとあまり変わらずベンソンは
ギターを弾いていますね・・・
ギターを弾いていないと勘違いしていたのは、巧みなアレンジでアルバム全体が
ジャズジャズしていないからだったんですね。
(ベンソンの自前の楽曲はSo This Is Love1曲だけです)

このアルバムのヒット要因を考えるに音楽の先読みに長けていたプロデュサーのトミー・リピューマと
クリード・テイラーのもとで多くの編曲を担当していたアレンジャーのクラウス・オガーマン
この二人の描くイージーリスニングの世界の時代の代弁者にジョージ・ベンソンが最適だったという
時代のトライアングルの3片それぞれに最適のピースがはまった体制が生み出した産物だったのだなと。

[マスカレード誕生秘話]
ベンソンはジャズミュージシャンと考えられていたので、制作当初はインストアルバムに
する予定だったのですが、トミー・リピューマは早くからベンソンの歌唱力に注目していて
その頃、デヴィッド・サンボーンの録音をしている時に演ったレオン・ラッセルの
「マスカレード」のインストカバーが頭から離れず、リハーサル時に「マスカレード」の
インストをやってみようと提案し、フィル・アップチャーチの奥さんにレコードを買いに
行ってもらい歌詞をチェックしていたらベンソンが惚れ込んでしまいそのまま歌物にしたそうです。
(もしもの話で、サンボーンがこの頃ワーナーに移籍せず、トミー・リピューマがその録音に
立ち会っていなかったらベンソンのマスカレードは生まれなかったことになります。
ちなみにこの時、没になったサンボーンのマスカレードは20年後「パールズ」(1995年)に
新録されました。



トミー・リピューマ談
「時には思いがけない出来事が起こるものさ。どんなに覚悟を決めていたところで、
ひとたび魔法が起こったらそれまでだ。思う存分楽しめばいいんだよ。」

しかし皮肉なものでこの大ヒット作品を真似たフュージョン作品が山のようにリリースされ
私は軟弱なフュージョンが大嫌いになり、今では素直な心を持ち合わせない頭の固いジャズファンに
なってしまいました(苦笑)

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