2017-09

商業音楽の分岐点 - 音楽イベント LIVE AID 85の功罪 - 2015.02.11 Wed

「1億人の飢餓を救う」というスローガンの下、「アフリカ難民救済」を目的として、
1985年7月13日に行われた、20世紀最大の「チャリティー・コンサート」。

live_aid.jpg  live_aid3.jpg

(英)ロンドン・ウェンブリー・スタジアム&(米)フィラデルフィア・JFKスタジアムの
2会場を中心に全世界(オーストラリア/ドイツ/日本/ソ連/ユーゴスラヴィア/
ノルウェー)で生中継で放送し(日本はフジテレビ)放送の合間に屋外ライヴ中継を中断し
各国の屋内ライヴの演奏を挿入しながらの3元中継。
ただ当時の衛星放送の通信回線は不備が多く、イベントスケジュールがあまりに過密で
何が起こるか分からない生放送で起こりうるトラブル見本市のような感じでした。
(NHK紅白の綾瀬はるかのボケ司会なんて可愛いレベルです(笑)

ayase haruka

発起人はブームタウンラッツのボブ・ゲルドフとウルトラボックスのミッジ・ユーロで、

geldof_and_ure.jpg

二人は1982年のSecret Policeman's Concert参加時に
音楽が慈善事業に果たす役割」に目覚め



1984年、エチオピアで起こった飢餓を受け、



ボブ・ゲルドフ&ミッジ・ユーロ共作の「Do They Know It's Christmas?」が成功を収め、



これに刺激された形でアメリカではUSA for Africaが結成され、
今回のLIVE AIDにつながる世界的な一連の大チャリティー・ブームを巻き起こしました。



本イベント内容はDVDをご覧いただくとして、トピックスを幾つかご紹介。



[ウェンブリー・スタジアム出演者]
ステイタス・クオー/ザ・スタイル・カウンシル/ブームタウン・ラッツ/
アダム・アント/ウルトラヴォックス/スパンダー・バレエ/エルヴィス・コステロ/
ニック・カーショウ/シャーデー/スティング/フィル・コリンズ/ハワード・ジョーンズ/
ブライアン・フェリー&デヴィッド・ギルモア/ポール・ヤング/アリソン・モイエ/
U2/ダイアー・ストレイツ/クイーン/デヴィッド・ボウイ/ザ・フー/エルトンジョン&キキディ
ワム!/フレディ・マーキュリー&ブライアン・メイ/ポール・マッカートニー



(1)チャールズ皇太子とダイアナ妃が会場に登場



(2)フィル・コリンズは、演奏終了後コンコルドでアメリカの会場へ移動。
 (チャリティなのにそんなのに金使ってどうするとパッシング起こる(笑)



(3)ザ・フーはこの日限りの再結成のはずが後に本格的な再結成をすることに



(4)しばらく音楽活動を休んでいたデヴィッド・ボウイがヒーローを熱唱



(5)ウェンブリー編で特に評判が良かった演奏はQUEENとワム!だったようです



(6)ビッグイベントでは毎度のことでビートルズの再結成が噂されましたが
この音楽慈善事業イベントの祖であるジョージ・ハリスンがこの頃
半引退状態だったこともあり出てきたのはポールだけでした(苦笑)



[JFKスタジアム出演者]
ジョーン・バエズ/フォー・トップス/ビリー・オーシャン/
ブラック・サバスfeatオジー・オズボーン/RUN D.M.C./リック・スプリングフィールド/
REOスピードワゴン/クロスビー、スティルス&ナッシュ/ジューダス・プリースト/
ブライアン・アダムス/ビーチ・ボーイズ/ジョージ・ソログッド&ザ・デストロイヤーズ/
アルバート・コリンズ/シンプル・マインズ/プリテンダーズ/サンタナ&パット・メセニー/
アシュフォート&シンプソン/テディ・ペンダーグラス/マドンナ/
トム・ペティ&ハートブレイカ/ケニー・ロギンス/カーズ/ニール・ヤング/
パワー・ステーション/トンプソン・ツインズ&スティーヴ・スティーヴンス&ナイル・ロジャース/
エリック・クラプトン/フィル・コリンズ/レッド・ツェッペリン/デュラン・デュラン/
パティ・ラベル/ダリル・ホール&ジョン・オーツ/テンプテーションズ/ミック・ジャガー/
ティナ・ターナー/ボブ・ディラン&キース・リチャーズ&ロン・ウッド/
ライオネル・リッチー/ディオンヌ・ワーウィック/ハリー・ベラフォンテ/
シーナ・イーストン/ピーター・ポール&マリー/シェール/ビル・グラハム/
クリッシー・ハインドその他大勢



(1)税金逃れ目的の在米ブリティッシュ野郎達が母国に誇りを持たず
アメリカチームとして参加したのは商業音楽家の仲間入りしたことを
証明していてとても哀しい・・・
(サバス/クラプトン/ZEPP/ローリング・ストーンズ一派等)

(2)サバスはもう何度も再結成しているので今となっては新鮮味ありませんが
 この時が最初の再結成でした



(3)クラプトンの出番から英国から到着したフィル・コリンズがドラマーで参戦



(4)フィル・コリンズのパフォーマンス中にロバート・プラント、ジミー・ペイジ、
ジョン・ポール・ジョーンズをステージへ呼び込み、「ロックン・ロール」、
「胸いっぱいの愛を」、「天国への階段」を演奏。
(ドラムはフィル・コリンズとトニー・トンプソン)
この企画はフィル・コリンズ自身がレッド・ツェッペリンと共演したいがために、
このライヴエイドを利用したと後日語っていますが、ジミー・ペイジは
フィル・コリンズを「救いようのないドラマー」と酷評し、自分が巧くギターを
弾けなかったのはドラムが下手だったからだと永久絶縁宣言してましたね(苦笑)



(5)解散が噂され活動停止状態だったストーンズは出番がなく、ミック・ジャガーは
ホール&オーツのバックバンドでソロ楽曲を演奏(ティナ・ターナーとの競演あり)
ミック・ジャガーのソロアルバム(she is the boss)はジェフ・ベックが
全面参加だったのでジェフ・ベックも出るかなぁと思いましたが出ませんでした(苦笑)



そしてキース・リチャーズ&ロン・ウッドはボブ・ディランのサポートとして参加。
まざまざとメンバー仲の悪さを全世界に放映(笑)



[屋内他会場]
クリフ・リチャード/B.B.キング/INXS/メン・アット・ワーク/ミッドナイト・オイル/
オーストラリアforアフリカ/ネーナ/オフコース/矢沢永吉/ラウドネス/佐野元春/
CHAGE and ASKA/さだまさし/南こうせつ/イルカ/谷村新司/長渕剛/HOUND DOG/
ラッツ&スター/THE SQUARE/オート・グラフ/ユー・ロック・ミッション/オール・オブ・アス
その他大勢

日本代表アーチストとしてオフコース/矢沢永吉/ラウドネス/佐野元春のライヴ映像が
全世界にTV中継されたました。



[出演予定で出演しなかったアーチスト]
ブルース・スプリングスティーン/プリンス/ロッド・スチュワート/
ティアーズ・フォー・フィアーズ/マイケル・ジャクソン/スティーヴィー・ワンダー

出演アーチストは白人主体で黒人ミュージシャンも出るには出ていますが、
あくまで白人受けするジャンルのアーティストに限られ、このことはアメリカの現実を
如実に物語っています。
ボブ・ゲルドフも観客を集められるかどうかを基準に出演者を決めたと証言。
そのためプログレ関係ではデヴィッド・ギルモアがブライアン・フェリーのサポートで
参加しただけで聴かせる技巧系はパット・メセニーだけと寂しい限り(苦笑)



本イベント終了後、勿論金銭がらみのトラブルが多数発生したことはお約束ですが
一番の恩恵にあずかれたのはプロモーションを兼ねて全世界に顔を売ることができた
アーチスト側だったのは皮肉です。
(アフリカ救済のための歌を自分の持ち時間で歌った奴いたの?)
象徴的なのは70年代の音楽イベントでは時事問題を切々と歌で語りかけていた
ジョーン・バエズ、CSN、ボブ・ディランなどは場違いな印象が強く
完全にメディアが商業音楽をコントロールし、守銭奴アーチストは
メディアを最大限に利用して得られる旨味に味をしめ、
音楽メディアは良い音楽をチョイスすることを放棄し金が詰まれた音楽に
大量スポットを当てることを良しとしたまさにUSA FOR MTV(苦笑)

渋谷陽一曰く
「ウッドストックは、イベントそのものが大きな事件であった。
しかし、ライブエイドは「チャリティ」という話題を借りなければイベントが成り立たず、
音楽の影響力が低下した証拠だ」

私はLIVE AIDを境に米主導の売れた者勝ちな商業音楽への嫌悪感がMAXとなり
この年代以降に発売されたアルバムは殆ど聴きこんでいないハンデもあり、
内容について気の利いたことを書くことが思い浮かばず、酷い言い方すると
何も感じるところがなく「自分は良さが分からない」という理由だけで悪口雑言並べるのは
簡単なんですが、負けたパチスロ機を糞台と簡単に言い放つ敗者の弁と同じく
見苦しいと思いますので、80年代以降の作品のレヴュー内容が薄いことの対策として
ライナー記述を使わせていただくことが多いと思いますがご了承のほどを(苦笑)

尚、誤解なきよう補記しますが、私が文句があるのは商業音楽の音楽そのものではなく、
音楽に異常なまでの付加価値を添付して音楽とは程遠いところで購買客を
マインドコントロールし音楽利権を我が物にしているメディア高依存度の
音楽マーケット構造に対してです。

極端な例で言えば音楽力10%に対してプロモーション力90%
(ミュージシャンの音楽力を遥かに上回る拡売戦略パワー)でミリオンヒットとなり、
1年もたたないうちに中古屋さんで行き場のない産業廃棄廃棄物化している現状、
音楽市場のデフレインスパイラルは経済指標とは関係なく「音楽産業」自らが
招いた惨事なのです。
(最近の佐村河内のゴーストライター事件でも分かるようにメディアが仕組んだ
ハンディキャップシンデレラストーリー(フジコ・ヘミングの時と全く同じ)とか
一般は自分の耳ではなくメディアが無責任に垂れ流す音楽以外の付加情報に踊らされ
「音楽ではないもの」を聴いているのです。

「いいじゃないか糞で瞬間的なヒットでも好きな人が自分の金で買うんだから」

いやごもっとも。

しかし、その悪影響で音楽力90%でプロモーション力10%の作品が
誰にも気づかれないで消えて行くという状況についてはどうでしょうか?

商業音楽が売れても別にいいんですが、TVやラジオ以外にもネットという
メディア媒体が増え、音楽情報を拡散させるチャネルは圧倒的に増えたのに
私は、イビツな情報操作
(一番怖いのはメディアが自分の足で情報を得ず、ネットに落ちてるスポット的な情報を
適当に見繕い加工修正してニュースにしている現状)で売れるだけの音楽の情報に
極化してしまうこの状況がとても悔しいのです。

ですから本ブログでは微力ながら、メディアに取り上げられにくい素敵な音楽に
スポットを当てて、一人でも多くの人がその音楽との出会いを契機に音楽の枝葉を
伸ばしてくださり、そういうささやかな枝葉がやがて大きな円を描いてくれることを
祈るばかりなのでございます。

さて昨今の大きな国際的な懸念事項であるイスラム国(ISIL)問題の難民援助で
安部総理の2億ドル支援以上に音楽が果たすべく役割は何かあるのか?
というか、今の商業音楽家で人々にメッセージを伝えられる人材がいるのかどうか
甚だ疑問ですけど・・・
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