2017-09

1st/YES - 1969.07.25 Fri









[sales data]
1969/7/25
[producer]
Paul Clay
Yes
[member]
Jon Anderson(vo)
Peter Banks(g)
Chris Squire(b)
Tony Kaye(org/p)
Bill Bruford(ds.vibraphone)


(UK ver.)

(US ver.)


生涯YESマンだったクリス・スクワイアさんが亡くなった時(2015年6月)にYESの関連記事を
早急に整理して再UPしようと思いながら、ずるずる2年が過ぎてしまったので
今夏休みの自由研究課題として時系列にまとめながら一気に片付けてしまいたいと思います。

YES結成の流れを簡単に整理すると1966年頃にクライヴ・ベイリー、 ロバート・ハガー、
ポール・ラウトリッジが結成した「メイベル・グリアーズ・トイショップ」に
「The Syn」解散直後のクリス・スクワイアとピーター・バンクスが加わり、

 

更に1968年頃に「ウォリアーズ」というバンドからジョン・アンダーソンが加わり



Squire, Anderson, Banks, Bayley and Haggerの5人編成になると
ピーター・バンクスの案でバンド名を「YES」に改名します。
(吹出の「YES」ロゴもバンクスの案です)

その後、ビル・ブラフォードやトニー・ケイが加わりここに第1期YESが誕生します。
(尚、ブルフォードの自伝によるとYESとして活動する頃にはクライヴ・ベイリーは
脱退していたと記されております)

YES_20170804172200de0.jpg

英国クラブを中心に活動しその高い演奏力を買われ、1968年11月26日に行われたクリームの
解散コンサートでは前座を担当するなど、マスコミを中心に話題となり1969年2月に
米のアトランティック・レコードと契約します。

プログレというジャンルはまだなく、後にバンドがブレイクするサウンド核のメンバーとなる
スティーヴ・ハウやリック・ウェイクマン加入前のためピーター・バンクスとトニー・ケイの
サイケ色とジョン・アンダーソンが探究していた物語性のフォークロック色が入り混じったサウンドです。
ザ・バーズとビートルズのカバー2曲をのぞきオリジナルで「ビヨンド・アンド・ビフォア」
「スウィートネス」にはクライヴ・ベイリーが共作者としてクレジットされています。





個人的に面白いと思ったのはブルフォードのお馴染みのスネアの「スコーン」という音がなく
クレジットを確認しないとブルフォードが叩いていることが分からないかもしれません(笑)

尚「The Syn」は2005年に「メイベル・グリアーズ・トイショップ」は2015年に再結成し
それぞれアルバムもリリースしました。

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Time And A Word/YES - 1970.07.24 Fri









[sales data]
1970/7/24
[producer]
Tony Colton
[member]
Jon Anderson(vo/per)
Peter Banks(g)
Chris Squire(b)
Tony Kaye(hammond/p)
Bill Bruford(ds/per)
*****
David Foster(vo)
Tony Cox(orchestration conductor)
Royal College of Music students
(brass/strings)




ギター&オルガンによるサイケな音色と時にジャジーな演奏、ザ・バーズのような
コーラスハーモニーを活かし、物語性の高いオリジナル楽曲などなど
各メンバーにはそれぞれ表現したい新しい音のアイディアは豊富でしたがそれを整理して
具現化するサウンドクリエイターがこの時のメンバーにいなかったという作りで、
プロデューサーのトニー・コルトンが音の厚みを加えるためオーケーストレイションを
導入しているものの、ロックとクラシックの融合というような大げさなものではなく、
どこか垢抜けない田舎のバンドという感じです。
(それがまたよかったりするんですけど(笑)

アンダーソンが以前在籍していた「ウォリアーズ」の元メンバー、デイヴィッド・フォスター
(あの有名な人とは同名異人)が「スウィート・ドリームス」「時間と言葉」の共作者として
クレジットされています。



オーケストレーション導入に否定的だったピーター・バンクスはプロデューサーと衝突し、
最終ミックスでギター・パートが大幅にカットされるなど不満を募らせていたため
バンドが発展前進するためにオーケストレーション導入に新たな可能性を見出しつつあった
他バンドメンバーによりアルバム発売前に解雇されます。
(他メンバーはステージでギターを放り投げるなどバンクスのエンターテイメント精神は
自己中心的な行為と考えており、少なくともアレンジの妨害だと思っていたようです)



そのためアメリカ盤のアルバムジャケットはスティーヴ・ハウが加わった後のバンド写真を採用し
アルバム用のPVは音はバンクスのまま動画はスティーヴ・ハウに代わっています。











ピーター・バンクスはこの後、オーケストレーションを導入しないYESのスタイルを継承し
FLASHを結成します。
このYESの初期サウンドが好きな人は迷わずバンクスのFLASHを聴くべし!

Something's Coming(The BBC Recordings 1969-1970)/YES - 1970.12.31 Thu









[sales data]
1997/10/14
[producer]
Peter Banks
[member]
Jon Anderson(vo/per)
Peter Banks(g)
Chris Squire(b)
Tony Kaye(hammond/p)
Bill Bruford(ds/per)




1969-1970年頃のBBC LIVE。
('No Opportunity Necessary,No Experience Required'は独Radio放送用音源/
'Beyond and Before'は仏Radio放送用音源)

公式にはライヴ音源を残さなかったピーター・バンクス在籍期のライヴで
バンドとして花開かないもどかしさがなんとも切なく味わい深い感じです(笑)

日本人は"こわれもの"や"危機"のサウンドをYESとして認識してしまっているからかも
しれませんが、バンクス時代のYESサウンドは全く別物として捉えた方がスッキリします。

アルバムタイトル曲はデビューアルバムからは何故かカットされていましたが
最近のプレス盤にはボートラで収録されています。






The Yes Album/YES - 1971.02.19 Fri









[sales data]
1971/2/19
[producer]
Yes
Eddie Offord
[member]
John Anderson(vo/per)
Chris Squire(b)
Steve Howe(g/vachalia)
Tony Kaye(p/org/moog)
Bill Bruford(ds/per)




デビューアルバムのタイトルは控えめに「YES」でしたが、3枚目となる本作は
自信の表れか「これぞ、YESのアルバム!」と力強いタイトル表記なのが注目です(笑)

1971年のYESは取り巻く環境の変更が全て吉と出ます。

本作からいよいよYESの核となるサウンドクリエイター、スティーヴ・ハウが参加し
曲の節々に印象に残る歌メロギターのサビを散りばめながら、各メンバーが持っていながら
視界不良でくすぶっていた音アイディアを上手にまとめ目に見えてバンドサウンドが
広がりを持ちます。

ハウさん談
「私が初めてクリスとビル・ブラッフォードと一緒にやった時のことだ。彼らのやり方を見て、
彼らがいかに音楽を愛しているかがわかった。ビルは自分のプレイに対してものすごく厳しかった。
それはクリスも同じだった。クリスはなかなかレコーディングを終えなかった。
一応やっておいてから、後でベースをオーヴァーダブすることもあった。
とにかく、私と同じく2人ともとてもうるさかった。」

そして前作でエンジニアとして参加したエディ・オフォードさんがバンドとの共同プロデューサーとなり、
「第6のメンバー」と呼ばれるほどにスタジオ・ワークでの重要な役割を担う事となります。
当時のレコーディングの様子は「エディ・オフォード、イエスを語る」に詳しく書かれています。

Eddie Offord

エディ・オフォードさんはEL&Pのエンジニア/プロデューサーとしても有名ですが
上記手記の中でYESとE,L&Pの違いを明確に述べています。

「エマーソン・レイク&パーマーと比べると、イエスは暖かくて素朴で地に足がついてる。
E,L&Pはもっとずっと冷たくて計算されてる。」

常々思っていたのですがE,L&Pは売れすぎてビジネスライクな商業バンドになってしまったため
急激に駄目になっていった理由もこの一文に含蓄されていると思います。

更にマネージャーに敏腕ブライアン・レーンを迎え、ビジネス面でのサポートが強化され
メジャーバンドの階段を着実に昇り始めます。

そして次作、YESのサウンドを決定づける新メンバーを迎え、更なる飛躍を遂げることとなります。




Fragile(こわれもの)/YES - 1971.11.26 Fri









[sales data]
1971/11/26
[producer]
Yes
Eddy Offord
[member]
Jon Anderson(vo)
Steve Howe(g)
Chris Squire(b)
Rick Wakeman
(hammond/p/synthe/etc)
Bill Bruford(ds/per)




トニー・ケイが脱退しリック・ウェイクマンが加入しYESの黄金メンバーが揃います。
ウェイクマンによれば、アルバム名はレコーディング中のバンドの状態から名づけられたと
されています。
又アルバムジャケットはロジャー・ディーンさんによるもので幻想的なグラフィック・イメージが、
イエスの追求した音楽性を聴き手に喚起させる魔力があり、以降イエスはもちろん
多くのプログレッシヴバンドのジャケットがディーンさんにより描かれますが
近年は内容の質の悪い企画物にまでディーンさん画を使用しているためその魔力も
薄れ始めてますが・・・

エディ・オフォード談
「トニー・ケイはハモンドオルガンB-3の使い手として、このまわりじゃたぶん最高の一人だ。
だけど、バンドがシンセサイザーやメロトロンもやってもらいたがってたのに、
ハモンドにこだわってた。それでバンドを離れたんだ。」

トニーの脱退は公式には音楽性の相違とされていましたが「9012ライブ」DVDに収録された
ドキュメンタリーでトニーが語るところによると、最初にイエスを脱退した時の理由は
解雇だったようです。

前アルバムの成功で更なるバンドの飛躍を目指すには単なる鍵盤奏者ではなく、シンセサイザーを
初めとする最新テクノロジーの使い手が欲しかったのは間違いなく、バンドとしては
トニーに気を使って脱退ということにしていたのではないかと思います。

リック・ウェイクマンはピアノ教師になるべくロンドンの王立音楽アカデミーに通う傍ら
在学中にデヴィッド・ボウイの「スペイス・オディティ」のレコーディング、
ストローブスのレコーディングやライヴを含む多くのセッションに参加したことで刺激を受け
大学を中退し、ポピュラー音楽の道を選びます。


(セッションで参加したキャット・スティーヴンスのシングル「雨にぬれた朝」は大ヒット)

実はYES加入前にストローブスで活躍していたウェイクマンはYES加入を打診された時
デヴィッド・ボウイからもスパイダーズ・フロム・マーズ加入を誘われており
どちらに参加しようか迷った
とのことです。

エディ・オフォード談
「リック・ウェイクマンは、仕事の速さじゃピカいちだ。彼はいわば部外者だった。
自分のパートは実に上手くこなす。熟練した仕事人ってことだったんだ。
TVのお笑い番組で言えば、リックは「ベニー・ヒル・ショー」みたいな感じ、
他のメンバーは「モンティ・パイソン」みたいな感じなんだよ。」

このアルバムの収録曲にウェイクマンのみが作曲に名を連ねていないのは、当時のウェイクマンは、
ストローブスのメンバーとしてA&Mレコードとの契約が残っていたため、権利関係の問題を回避する
ためだったようです。



このレコーディングでオリジナル曲「ハンドル・ウィズ・ケア」を録音していたようですが、
契約の関係でアルバムに収録できず、いくつかのパートを追加録音した上で「アラゴンのキャサリン」
というタイトルでソロアルバ「ヘンリー八世の六人の妻」の1曲目に収録されました。

この時のメンバーは全員が自分の音(個)を持っており、衝突が絶えない強烈な個性が稀有なケースで
バンドとしてまとまりをもったことが驚きです。
(新人のウェイクマンがまだあまり自分の意見を言わなかったからだとは思いますけど(笑)



The FishはYESのライヴではお馴染みのスクワイアさんのベースソロですが
そもそもFishというのは何時間も風呂に入って出てこなかったことからつけられた
スクワイアさんのあだなです(笑)



YESはシングルヒットを狙うバンドではありませんが「ラウンドアバウト」がバンドを
代表するヒット曲となります。



YESのライヴに行って面白いことに気づいたのですが、常時変拍子の連続なので客が盛り上がれそうな曲、
例えば「ラウンドアバウト」や「オール・グッド。ピープル」がセットリストに盛り込まれるのですが、
最初興奮して席を立ち、手拍子取るもだんだん手拍子が取りづらいリズムになり途中、我に返り
静かに席につくという微笑ましい光景を見かけました(笑)

又アルバム未収録となった「アメリカ」は後にベスト盤「イエスタデイズ」の目玉として収録されました。


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