2018-07

1st/YES - 1969.07.25 Fri









[sales data]
1969/7/25
[producer]
Paul Clay
Yes
[member]
Jon Anderson(vo)
Peter Banks(g)
Chris Squire(b)
Tony Kaye(org/p)
Bill Bruford(ds.vibraphone)


(UK ver.)

(US ver.)


生涯YESマンだったクリス・スクワイアさんが亡くなった時(2015年6月)にYESの関連記事を
早急に整理して再UPしようと思いながら、ずるずる2年が過ぎてしまったので
今夏休みの自由研究課題として時系列にまとめながら一気に片付けてしまいたいと思います。

YES結成の流れを簡単に整理すると1966年頃にクライヴ・ベイリー、 ロバート・ハガー、
ポール・ラウトリッジが結成した「メイベル・グリアーズ・トイショップ」に
「The Syn」解散直後のクリス・スクワイアとピーター・バンクスが加わり、

 

更に1968年頃に「ウォリアーズ」というバンドからジョン・アンダーソンが加わり



Squire, Anderson, Banks, Bayley and Haggerの5人編成になると
ピーター・バンクスの案でバンド名を「YES」に改名します。
(吹出の「YES」ロゴもバンクスの案です)

その後、ビル・ブラフォードやトニー・ケイが加わりここに第1期YESが誕生します。
(尚、ブルフォードの自伝によるとYESとして活動する頃にはクライヴ・ベイリーは
脱退していたと記されております)

YES_20170804172200de0.jpg

英国クラブを中心に活動しその高い演奏力を買われ、1968年11月26日に行われたクリームの
解散コンサートでは前座を担当するなど、マスコミを中心に話題となり1969年2月に
米のアトランティック・レコードと契約します。

プログレというジャンルはまだなく、後にバンドがブレイクするサウンド核のメンバーとなる
スティーヴ・ハウやリック・ウェイクマン加入前のためピーター・バンクスとトニー・ケイの
サイケ色とジョン・アンダーソンが探究していた物語性のフォークロック色が入り混じったサウンドです。
ザ・バーズとビートルズのカバー2曲をのぞきオリジナルで「ビヨンド・アンド・ビフォア」
「スウィートネス」にはクライヴ・ベイリーが共作者としてクレジットされています。





個人的に面白いと思ったのはブルフォードのお馴染みのスネアの「スコーン」という音がなく
クレジットを確認しないとブルフォードが叩いていることが分からないかもしれません(笑)

尚「The Syn」は2005年に「メイベル・グリアーズ・トイショップ」は2015年に再結成し
それぞれアルバムもリリースしました。

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Time And A Word/YES - 1970.07.24 Fri









[sales data]
1970/7/24
[producer]
Tony Colton
[member]
Jon Anderson(vo/per)
Peter Banks(g)
Chris Squire(b)
Tony Kaye(hammond/p)
Bill Bruford(ds/per)
*****
David Foster(vo)
Tony Cox(orchestration conductor)
Royal College of Music students
(brass/strings)




ギター&オルガンによるサイケな音色と時にジャジーな演奏、ザ・バーズのような
コーラスハーモニーを活かし、物語性の高いオリジナル楽曲などなど
各メンバーにはそれぞれ表現したい新しい音のアイディアは豊富でしたがそれを整理して
具現化するサウンドクリエイターがこの時のメンバーにいなかったという作りで、
プロデューサーのトニー・コルトンが音の厚みを加えるためオーケーストレイションを
導入しているものの、ロックとクラシックの融合というような大げさなものではなく、
どこか垢抜けない田舎のバンドという感じです。
(それがまたよかったりするんですけど(笑)

アンダーソンが以前在籍していた「ウォリアーズ」の元メンバー、デイヴィッド・フォスター
(あの有名な人とは同名異人)が「スウィート・ドリームス」「時間と言葉」の共作者として
クレジットされています。



オーケストレーション導入に否定的だったピーター・バンクスはプロデューサーと衝突し、
最終ミックスでギター・パートが大幅にカットされるなど不満を募らせていたため
バンドが発展前進するためにオーケストレーション導入に新たな可能性を見出しつつあった
他バンドメンバーによりアルバム発売前に解雇されます。
(他メンバーはステージでギターを放り投げるなどバンクスのエンターテイメント精神は
自己中心的な行為と考えており、少なくともアレンジの妨害だと思っていたようです)



そのためアメリカ盤のアルバムジャケットはスティーヴ・ハウが加わった後のバンド写真を採用し
アルバム用のPVは音はバンクスのまま動画はスティーヴ・ハウに代わっています。











ピーター・バンクスはこの後、オーケストレーションを導入しないYESのスタイルを継承し
FLASHを結成します。
このYESの初期サウンドが好きな人は迷わずバンクスのFLASHを聴くべし!

Something's Coming(The BBC Recordings 1969-1970)/YES - 1970.12.31 Thu









[sales data]
1997/10/14
[producer]
Peter Banks
[member]
Jon Anderson(vo/per)
Peter Banks(g)
Chris Squire(b)
Tony Kaye(hammond/p)
Bill Bruford(ds/per)




1969-1970年頃のBBC LIVE。
('No Opportunity Necessary,No Experience Required'は独Radio放送用音源/
'Beyond and Before'は仏Radio放送用音源)

公式にはライヴ音源を残さなかったピーター・バンクス在籍期のライヴで
バンドとして花開かないもどかしさがなんとも切なく味わい深い感じです(笑)

日本人は"こわれもの"や"危機"のサウンドをYESとして認識してしまっているからかも
しれませんが、バンクス時代のYESサウンドは全く別物として捉えた方がスッキリします。

アルバムタイトル曲はデビューアルバムからは何故かカットされていましたが
最近のプレス盤にはボートラで収録されています。






The Yes Album/YES - 1971.02.19 Fri









[sales data]
1971/2/19
[producer]
Yes
Eddie Offord
[member]
John Anderson(vo/per)
Chris Squire(b)
Steve Howe(g/vachalia)
Tony Kaye(p/org/moog)
Bill Bruford(ds/per)




デビューアルバムのタイトルは控えめに「YES」でしたが、3枚目となる本作は
自信の表れか「これぞ、YESのアルバム!」と力強いタイトル表記なのが注目です(笑)

1971年のYESは取り巻く環境の変更が全て吉と出ます。

本作からいよいよYESの核となるサウンドクリエイター、スティーヴ・ハウが参加し
曲の節々に印象に残る歌メロギターのサビを散りばめながら、各メンバーが持っていながら
視界不良でくすぶっていた音アイディアを上手にまとめ目に見えてバンドサウンドが
広がりを持ちます。

ハウさん談
「私が初めてクリスとビル・ブラッフォードと一緒にやった時のことだ。彼らのやり方を見て、
彼らがいかに音楽を愛しているかがわかった。ビルは自分のプレイに対してものすごく厳しかった。
それはクリスも同じだった。クリスはなかなかレコーディングを終えなかった。
一応やっておいてから、後でベースをオーヴァーダブすることもあった。
とにかく、私と同じく2人ともとてもうるさかった。」

そして前作でエンジニアとして参加したエディ・オフォードさんがバンドとの共同プロデューサーとなり、
「第6のメンバー」と呼ばれるほどにスタジオ・ワークでの重要な役割を担う事となります。
当時のレコーディングの様子は「エディ・オフォード、イエスを語る」に詳しく書かれています。

Eddie Offord

エディ・オフォードさんはEL&Pのエンジニア/プロデューサーとしても有名ですが
上記手記の中でYESとE,L&Pの違いを明確に述べています。

「エマーソン・レイク&パーマーと比べると、イエスは暖かくて素朴で地に足がついてる。
E,L&Pはもっとずっと冷たくて計算されてる。」

常々思っていたのですがE,L&Pは売れすぎてビジネスライクな商業バンドになってしまったため
急激に駄目になっていった理由もこの一文に含蓄されていると思います。

更にマネージャーに敏腕ブライアン・レーンを迎え、ビジネス面でのサポートが強化され
メジャーバンドの階段を着実に昇り始めます。

そして次作、YESのサウンドを決定づける新メンバーを迎え、更なる飛躍を遂げることとなります。




Fragile(こわれもの)/YES - 1971.11.26 Fri









[sales data]
1971/11/26
[producer]
Yes
Eddy Offord
[member]
Jon Anderson(vo)
Steve Howe(g)
Chris Squire(b)
Rick Wakeman
(hammond/p/synthe/etc)
Bill Bruford(ds/per)




トニー・ケイが脱退しリック・ウェイクマンが加入しYESの黄金メンバーが揃います。
ウェイクマンによれば、アルバム名はレコーディング中のバンドの状態から名づけられたと
されています。
又アルバムジャケットはロジャー・ディーンさんによるもので幻想的なグラフィック・イメージが、
イエスの追求した音楽性を聴き手に喚起させる魔力があり、以降イエスはもちろん
多くのプログレッシヴバンドのジャケットがディーンさんにより描かれますが
近年は内容の質の悪い企画物にまでディーンさん画を使用しているためその魔力も
薄れ始めてますが・・・

エディ・オフォード談
「トニー・ケイはハモンドオルガンB-3の使い手として、このまわりじゃたぶん最高の一人だ。
だけど、バンドがシンセサイザーやメロトロンもやってもらいたがってたのに、
ハモンドにこだわってた。それでバンドを離れたんだ。」

トニーの脱退は公式には音楽性の相違とされていましたが「9012ライブ」DVDに収録された
ドキュメンタリーでトニーが語るところによると、最初にイエスを脱退した時の理由は
解雇だったようです。

前アルバムの成功で更なるバンドの飛躍を目指すには単なる鍵盤奏者ではなく、シンセサイザーを
初めとする最新テクノロジーの使い手が欲しかったのは間違いなく、バンドとしては
トニーに気を使って脱退ということにしていたのではないかと思います。

リック・ウェイクマンはピアノ教師になるべくロンドンの王立音楽アカデミーに通う傍ら
在学中にデヴィッド・ボウイの「スペイス・オディティ」のレコーディング、
ストローブスのレコーディングやライヴを含む多くのセッションに参加したことで刺激を受け
大学を中退し、ポピュラー音楽の道を選びます。


(セッションで参加したキャット・スティーヴンスのシングル「雨にぬれた朝」は大ヒット)

実はYES加入前にストローブスで活躍していたウェイクマンはYES加入を打診された時
デヴィッド・ボウイからもスパイダーズ・フロム・マーズ加入を誘われており
どちらに参加しようか迷った
とのことです。

エディ・オフォード談
「リック・ウェイクマンは、仕事の速さじゃピカいちだ。彼はいわば部外者だった。
自分のパートは実に上手くこなす。熟練した仕事人ってことだったんだ。
TVのお笑い番組で言えば、リックは「ベニー・ヒル・ショー」みたいな感じ、
他のメンバーは「モンティ・パイソン」みたいな感じなんだよ。」

このアルバムの収録曲にウェイクマンのみが作曲に名を連ねていないのは、当時のウェイクマンは、
ストローブスのメンバーとしてA&Mレコードとの契約が残っていたため、権利関係の問題を回避する
ためだったようです。



このレコーディングでオリジナル曲「ハンドル・ウィズ・ケア」を録音していたようですが、
契約の関係でアルバムに収録できず、いくつかのパートを追加録音した上で「アラゴンのキャサリン」
というタイトルでソロアルバ「ヘンリー八世の六人の妻」の1曲目に収録されました。

この時のメンバーは全員が自分の音(個)を持っており、衝突が絶えない強烈な個性が稀有なケースで
バンドとしてまとまりをもったことが驚きです。
(新人のウェイクマンがまだあまり自分の意見を言わなかったからだとは思いますけど(笑)



The FishはYESのライヴではお馴染みのスクワイアさんのベースソロですが
そもそもFishというのは何時間も風呂に入って出てこなかったことからつけられた
スクワイアさんのあだなです(笑)



YESはシングルヒットを狙うバンドではありませんが「ラウンドアバウト」がバンドを
代表するヒット曲となります。



YESのライヴに行って面白いことに気づいたのですが、常時変拍子の連続なので客が盛り上がれそうな曲、
例えば「ラウンドアバウト」や「オール・グッド。ピープル」がセットリストに盛り込まれるのですが、
最初興奮して席を立ち、手拍子取るもだんだん手拍子が取りづらいリズムになり途中、我に返り
静かに席につくという微笑ましい光景を見かけました(笑)

又アルバム未収録となった「アメリカ」は後にベスト盤「イエスタデイズ」の目玉として収録されました。


Close To The Edge(危機)/YES - 1972.09.13 Wed









[sales data]
1972/9/13
[producer]
Eddy Offord
Yes
[member]
Jon Anderson(vo)
Steve Howe(g)
Chris Squire(b)
Rick Wakeman
(hammond/p/synthe/etc)
Bill Bruford(ds/per)




もし中学時代にこのアルバムの存在に気づかなければ、ヒット曲中心の産業ロックに
人並に夢中になっていただけで音楽にそんなに深入りすることはなかっただろうと思われる
個人的には罪深い作品です(笑)

どこかに書いたかもしれませんが当時の関東圏のNHK-FM各局は土曜日の午後2:00~6:00頃まで
スタジオを開放したリクエスト番組を生放送をしておりまして、特にNHK-FMの横浜放送局は
70年代の英国ハードロックとプログレに特化したような放送内容でして、
1曲20分の長曲もノーカットでON AIRしていたためアルバムを買えない中学時代は
曲の出だしを間違えないように息を潜めて大量のカセットテープに録音しました。

そしてこの番組で「Close To The Edge」を初めて聴いた時、今までの商業音楽だけで
構築されていた小さな音楽概念をひっくり返す曲構成と展開に大きな衝撃を受け、
このことが人生を狂わせたというか、あっという間に「プログレ小僧」の出来上がりです(笑)
中学時代から周囲が聴かないような長曲のプログレを貪るように聴き漁るようになったので
オンタイムのヒット曲を聴く時間がなくなってしまい、流行歌には浦島太郎状態というか
ネットが発達してプログレ情報をやりとりするようなマニアな人達に出会うまでは
まともに音楽の話ができる友人は一人もいませんでした(笑)
(特にプログレファンはオタクで陰湿なイメージがあってそう思われるのも嫌だったという
こちらの都合もありますけど・・・)

アナログ時代、両面で3曲というYESにとって初の大作主義的傾向を全面的に打ち出した作品は
(余談ですが元四人囃子の佐藤ミツルさんがアマチュア時代に在籍していたバンド名が
Close To The Edgeでしたね)
歌詞の難解さ(ヘルマン・ヘッセが1922年に発表したシッダールタから着想を得た)に加え、
レコーディングは各曲の各パートを通しで録音し、その都度メンバー間で議論を繰り返し
全員が納得いく物が出来上がるまで修正を何度となく繰り返すというかなりの重労働だったそうです。

エディ・オフォード談
「オーバーダブに、のべ1,000トラックくらいは使ったよ・・・」

ブルフォード談
「民主的な選挙をずっとやっているようで、何かあると毎回選挙活動を展開しないといけない。
本当に恐ろしく、驚くほど不快で、信じられないくらいの重労働だった。」
またスクワイアの遅刻癖にも腹を立てていたそうです(笑)

ロック史上に燦然と輝く金字塔作品が出来上がった代償にレコーディング方法に大きな不満を募らせた
ブルフォードはYESを脱退しキング・クリムゾンに加入します。

エディ・オフォード談
「ビル・ブルフォードの脱退は、思ってもいなかった。本当にショックだったね。
彼はバンドでただ一人、アルコールもドラッグもやらなかった。ユーモアのセンスが抜きん出てて、
面白い奴だった。」

bruford.jpg

ブルフォードのクリムゾン参加は大きく報じられ、当時YESはクリムゾンを遥かに凌ぐ人気グループで
「こわれもの」はゴールドディスクを獲得し、ブルフォードの脱退がアナウンスされた時は
「危機」のレコーディング最中だったので、単純に金儲けのためならYESの方が断然、待遇が良いのですが、
ブルフォードは心底フリップの音楽観に共鳴しており、金以上にクリムゾンに魅力を感じていたようです。
ブルフォードはジャズ志向だったのできっちり緻密な演奏を繰り返すよりもジャジーなフリーフォームな
演奏をしたいという気持ちが強く、そんなブルフォードにキング・クリムゾンはまさにオアシスのように
感じたのではないでしょうか。
ただ裏的にはジョン・アンダーソンとの折り合いが悪く、ブルフォード脱退後に即、アラン・ホワイトが
加入したことから考えてすでにYES脱退は時間の問題だったようです。
又Close To The Edgeツアー直前ということでマネージャーのブライアン・レーンは、契約に違反した
補償金として10,000ドルの支払いをブルーフォードに要求したとのことです。

Yessongs/YES - 1972.12.31 Sun









[sales data]
1973/5/18
[producer]
Yes
Eddie Offord
[member]
Jon Anderson(vo)
Chris Squire(b)
Steve Howe(g)
Rick Wakeman
(synthe/org/p/mellotron)
Bill Bruford(ds)
Alan White(ds)




1972年に行われた「こわれもの」&「危機」ツアーを収録したアナログ時代3枚組ライヴ。
(録音場所は北米ツアーやロンドンのレインボーシアターなど複数箇所)

今、この長編アルバムを通しで聴こうという気にはなかなかなれませんが
一時期は毎日このアルバムを聴いていました。
YESの演奏はE,L&P同様、スタジオテイクに忠実なので面白みには欠けますが
絶頂期のYESを知るには最適盤だと思います。
(今でもオープニングの火の鳥~シベリアン・カートルの流れにはゾクゾクします)



ブルフォード脱退後にリリースされたためアラン・ホワイトが参加した「危機」ツアーの
音源が中心ですが「遥かなる思い出~ザ・フィッシュ」と「パーペチュアル・チェンジ」は
ブルフォードが叩いた「こわれもの」ツアーの音源が採用されています。
ブルフォードの脱退が「危機」ツアー直前だったため、契約上印税がブルーフォードとホワイトで
折半という形にされたためブルフォードの音源も採用されたとのことです。

ブルフォードが叩いている「こわれもの」ツアーは109ステージも行われているものの
公式音源はこれしかなく、ブート物も数が少ない上に(THE WHITE ALBUMが有名)音が悪く
ファンの多くはブルフォードが叩いた「こわれもの」ツアーの公式フル音源を待望している状態です。
(ちなみに「こわれもの」ツアーのオープニングは火の鳥~ラウンドアバウトという流れです)



又同時期の演奏を収録した同名のライブ映像がリリースされていますが



1972年12月15、16日にロンドンのレインボーシアターの編集映像のため
「危機」及び「スターシップ・トゥルーパー」以外はCDと別音源で楽しめますが
そんなに違いはありません。



又2015年に「危機」ツアーの14CD(7公演フルセット)ボックスがリリースされたことを記念して
YES公式YouTubeチャンネルにてフル映像が公開されています。



Tales From Topographic Oceans(海洋地形学の物語)/YES - 1973.12.07 Fri









[sales data]
1973/12/7
[producer]
Yes
Eddie Offord
[member]
Jon Anderson(vo)
Steve Howe(g)
Chris Squire(b)
Rick Wakeman
(hammond/p/synthe/etc)
Alan White(ds/per)




YESのスタジオワークは前作「危機」で頂点を迎えたと思いましたが、まだまだ余力がありました。
東洋哲学に深く傾倒していたジョンによると「海洋地形学の物語」のコンセプトを
初来日の日本滞在中に読んだとされる絵本が元ネタで、4部のヒンズー経典である
「ヨガ行者の自伝」をヒントに東洋の神秘的な概念と西洋の緻密な合体させた長編大作なので
全通しで聴くのはかなりシンドイですが、それでも年に1回ぐらいは無性に聴きたくなる
ことがある作品です。

最初、ファンの多くがこの重厚長大で難解な作品とどのように接していいのか戸惑いますが
結果的にはセールスも余裕でゴールド・ディスクを獲得しマジソン・スクエア・ガーデンで
2夜連続公演を行うなどまさにスーパーグループの絶頂期を迎えていました。

しかしこの頃、バンドメンバーは対立を深め、クリス・スクワイアが辞める可能性があったと
言われているバンドの崩壊危機の状態だったのですが

エディ・オフォード談
「アラン・ホワイトはアパートを俺とシェアしてたことがある。彼をバンドに引き入れたのは俺なんだ。
(エディ・オフォードとアラン・ホワイトは、ジョン・レノンのアルバム「イマジン」に参加しています)
ビルはテクニックはすごいが、何となくちょっとソウルに欠けてるんじゃないかって気がずっとしてた。
アランは逆だ。ソウルやフィールは十分だが、テクニックが足りない。最初にバンドに加わった時、
彼にとっては本当にキツかった。だけど、かわいそうに、そんな先の見えない状態のまま
「Tales from Topographic Oceans」に取りかかることになったんだ。
クリスとジョンの関係はどんどん悪くなっていってた。「Tales」は終わりの始まりなのが見えてて、
やる気が全く起きなかった。二枚組だし、いがみ合いはますますひどくなるし、スタジアの雰囲気は
本当に退屈だし、ちっとも楽しくなかったな。もうバンドはばらばらで、最悪だった。
リックはますます阻害されていってたし。音楽の方向性ってことじゃなくて、いや、そういうのも
あったかも知れない。実際のところを言えば、他のメンバーはドラッグに走って、
リックはアルコールに走ってたって言ってもいい。
二枚組ってアイデアには驚かなかったけど、一枚でさえ録音に無限に時間がかかるのに、
それが倍になるのは、やりきれなかった。レコード会社も嬉しくなかったと思うが、
あの頃は誰もバンドに、一枚のほうがいいなんて言えなかったんだよ。」

そんなバンド内情をアルバム内容から読み取るのは難しいですが「こわれもの」「危機」と比べると
ジョン・アンダーソンの趣味性(宗教性)の高い作品ではあります。



この後、リック・ウェイクマンが脱退し(ウェイクマンは鍵盤の演奏パートが少なくなったことに
露骨に不満を表すために、自分の演奏パートが休みの時にステージ上でローディーに用意させた
チキンカレーを食していたという逸話もあります(笑)
この後、ウェイクマンは何度も脱退<>再加入を繰り返すことになります。

Relayer/YES - 1974.11.28 Thu









[sales data]
1974/11/28
[producer]
Eddie Offord
Yes
[member]
Jon Anderson(vo)
Steve Howe(g)
Patrick Moraz(key)
Chris Squire(b)
Alan White(ds/per)




リック・ウェイクマンが脱退した後任候補としてギリシャ人のヴァンゲリスの名があがりますが、
ユニオン(音楽家組合)の問題(当時、組合の主導により、外国人の英国での音楽活動が
極度に制限されていた)で実現せず(このコンタクトは後にアンダーソンとのユニット
「ジョン・アンド・ヴァンゲリス」へ発展)



また、元ゾンビーズのロッド・アージェントにも後任の打診があったようですが、
最終的にRefugeeのパトリック・モラーツを半ば強引にYESに引抜きます。
(真相は分かりませんが一部では強奪だとか拉致だとか言われています(笑)
それとモラーツはスイス人なのにユニオンからお咎めがない謎・・・

「危機」と同じA面1曲/B面2曲という構成で「海洋地形学の物語」がヒンドゥー教に基づいた
幻想的な世界観から起草されていたのに対し、本作は「戦争と平和」という現実的な問題を
コンセプトとしています。

楽曲は既に出来上がっていたためモラーツが作曲面にタッチしたものは少ないと思われますが
アレンジ面では貢献度大でYES一連の作品で異彩を放つ人気作品です。
(しかし人気のリック・ウェイクマンが抜けた影響でセールス的には最初苦戦したようです)



モラーツ在籍時のライヴ映像はQueen's Park Liveで見ることができますが



この映像商品はLD発売時に何故か前半、後半と2枚でバラ売りされており
(後にセットにもなりましたが)これ片方しか買わない人っているんでしょうか・・・
そしてDVDもバラ売りされているものがあるのですが、もしかしたら
版権がvol.1とvol.2で違うのかもしれませんね。





このアルバムが最後のYESプロデュース作品となったエディ・オフォード談
「「Relayer」のセッションは「Tales」よりはちょっとマシだった。アランは一通りツアーもこなして、
ずいぶん良くなってた。リックがいなくなって、バンドにも受け入れられるようになったし。
そして、パトリック・モラーツが入ってきた。クレージーなスイス人だ。すごく良かったよ。
録音も、イエスのアルバムにしては、そうとう速く進んだ。」

(プログレッシブロック界のジョージ・マーティン (ザ・ビートルズのプロデューサー) と
呼ばれることをどう思うかと質問されて)
「そんなふうに思ったことは一度もない。意味が判らないよ。デイヴィッド・サンチェスや
ELPやイエスなんかと仕事してきて、素晴らしい時を過ごすことができた。
あの頃は、音楽は本当に刺激的で新鮮で革新的だった。それに関わることができて、
こんな幸せなことはない。
ロックから離れた理由?、飽き飽きしたからだよ(笑)
YESの楽曲ではTime And a Wordが一番好きかな。当時の録音を聴き返すことはない。
時たまラジオで「Roundabout」がかかってるのを聴くくらいだ。」

Eddie Offord

Going For The One(究極)/YES - 1977.07.07 Thu









[sales data]
1977/7/7
[producer]
Yes
[member]
Jon Anderson(vo/harp)
Steve Howe
(g/vachalia/pedal steel g)
Chris Squire(b)
Rick Wakeman
(p/key/church org/synthe)
Alan White(ds/per)
*****
Ars Laeta of Lausanne(choir)
Richard Williams Singers(choir)




リレイヤー以降、精力的なライヴ活動と全メンバーのソロアルバムリリースと
Yesterdaysというベストがリリースされ、今となってはなんてことありませんが、
人気曲「アメリカ」が収録されていたためファンは買わざるを得ませんでしたね(笑)



そしてこの3年ぶりのオリジナルアルバムは個人的に丁度オンタイムにYESを聴くようになった
タイミングでリリースされた作品ということもあり思い入れは深いです。

このアルバムには三つの大きな変更点があり

・プロデューサーからエディ・オフォードが降り初めてのセルフプロデュース作品
・モラーツが脱退しリック・ウェイクマンが復帰
(ウェイクマンはこの頃、ソロライヴのオーケストラ支払い費用が大きな負担になっており
 財政的に厳しかったため二つ返事でOK)
・ジャケットアートをロジャー・ディーンからヒプノシスに変更



タイトル曲「Going For The One」のハウのスティールギターの出だしで「どこのカントリーバンドだ?」と
多くのファンはズッコケたかもしれませが(笑)軽薄短小なパンク・ニューウェイヴが台頭し始め、
重厚長大なプログレが生きにくくなった時期に大作主義から一歩引いて短めの曲が増える中


(「不思議なお話を」はシングルヒット)

ジョン・アンダーソンが最高傑作と公言するYESプログレ王道最後の煌き「Awaken」が収録されるなど
「これからと今まで」のYES転換期サウンド詰め合わせ。



レコーディング風景を収録したPVがリリースされる予定で没になりましたがyoutubeに流失しています

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