2018-07

Saravah!/高橋幸宏 - 1978.06.21 Wed









[sales data]
1978年6月21日
[producer]
高橋幸宏
坂本龍一
[member]
高橋ユキヒロ(vo/ds)
坂本龍一(key/etc)
細野晴臣(b)
和田アキラ(g)
加藤和彦(g)
大村憲治(g)
高中正義(g)
鈴木茂(g)
松木恒彦(g)
今井裕(per)
浜口茂外也(per)
斎藤ノブ(per)
林立夫(per)
BUZZ(bvo)
吉田美奈子(bvo)
ラジ(bvo)
山下達郎(bvo)
秋川リサ & Friends(handclaps)






サディスティックス在籍時のソロ1st。
坂本龍一との共同プロデュース作品で加藤和彦&高中正義(サディスティクス系)と
細野晴臣&鈴木茂などのティン・パン・アレイ系の混合サウンドが具音化されていて

高橋談
「細野さんと教授と3人が集まったアルバムとしても思い出深い作品です。
一番盛り上がった「サンセット」っていう曲がありまして。教授が手弾きで
シークエンスをやってるんだけど、細野さんにその曲を聴かせたときに、
すごく強い反応があったんです」

坂本談
「「サラヴァ!」は僕と幸宏で作ったようなものじゃないですか。
完成したときに、すぐ細野さんにカセットで聴かせたんです。
細野さんにどう評価されるかっていうのに、僕らはすごく関心があって。
とにかく幸宏のヴォーカルがいいというのを、最初に言っていたんですね」

面白いのはこの頃の二人は細野さんに音楽的に認められたいという
強い思いがあったことですね(笑)

幸宏さんはこの頃、リズムについて大変面白い発言をしているのですが
「コンピュータはまだだけど、クリック(リズムマシン)は使ってたんですね。
「これがジャストのリズム」っていう基準がハッキリするじゃないですか。
それまでフュージョンとかの世界で、どうも違和感があったのは、演奏者の
テンション次第でテンポが早くなったり遅くなったりするとこ。
演奏している者同士の気持ちがうまく噛み合ないとテンポが合わなくなってくる。
「これがジャストのリズム」っていう基準があれば、このテンポでいこうって
決められるわけですよね。「(リズムを)キープすることがドラムの本質」だって
いうのに目覚めたことは事実かもしれない。」

クリックを初めて使用すると100%のドラマーはいかにこれまで自分勝手な
テンポ/リズムで演奏していたことに気づかされ打ちのめされるのだそうです。
「このショックを乗り越えられるのは全ドラマー人口の30%前後」との調査結果が
総務省から発表され、国内外の楽器メーカーは電子メトロノームの開発にしのぎを削り
やがて手のひらサイズの「ゼンオン、メトリーナマルチ」が全ドラマーの
必須アイテムとなっているのだそうです。

img182_2.jpg

つまり幸宏さんはショックを受けるよりも、バンドメンバーのテンション次第で
テンポがずれることを良しとせず「ジャストのリズム」で叩くことが
重要と考えたわけでこのことがYMOのリズムの根幹となりコンセプトが若干
固まっていなかったYMOをテクノの恐竜に仕立て上げます。

ただ私個人はこの考え方には賛同できません。

人間が演奏する以上、狂いやミスそういった人間の特性を排除することは
アイデンティティの否定につながるのではないかと・・・
最近、個性的なドラマーがいなくなったのはこのメトリーナマルチのせいかも?
昔、誰だったか忘れましたがある落語家が、寸分狂いない円生の落語をレコードで
鑑賞するのもいいけど、寄席で落語を鑑賞することは生の証だというネタで
「今このタイミングで大きな地震があったとするでしょ。円生のレコードは
電源が落ちない限り落語を続けますが、私程度の噺家は高座を放棄して
お客さんよりも先に逃げちゃう」というのがありまして、私は音楽が
どんなにデジタル化されても根の部分はもそうあって欲しいと思っています。

しかしドラムのことを素人考えであれやこれや書きましたが、このアルバムは
結局のところはAOR風のお洒落な歌物です(笑)



[YMOネタ]
細野さん当時サディスティックスに在籍していた高橋幸宏をYMOに引き抜くため
ビクターと時下談判。

高橋談
「細野さんが「僕が挨拶に行く」って言っていっしょにビクターに行きました。
YMOをやることになって、ビクターとは、サディスティックスの契約が
まだ残っていたから当時の何ていう人だったかな、部長さんに挨拶に行ってくれたの。
すごくコワイ人だったんだよね。
でも、細野さんは「大丈夫。音楽をやってる人なら通じる」って言ってくれて。
「ユキヒロくんをください」と言ってくれたんですよ。
それで「しょうがねえなあ」とかって言われて(笑)」

サディスティックスは2ndアルバムWE ARE JUST TAKING OFF発売直後の
1978年8月29日九段会館で行われたライブで解散

スポンサーサイト

MIGNONNE(ミニヨン)/大貫妙子 - 1978.09.21 Thu









[sales data]
1978/9/21
[producer]
小倉エージ
[member]
水谷公生(g)
鈴木茂(g)
松木恒秀(g)
杉本喜代志(g)
吉川忠英(g)
松原正樹(g)
高中正義(g)
林立夫(ds)
田中清(ds)
高橋ユキヒロ(ds)
村上秀一(ds)
渡嘉敷祐一(ds)
後藤次利(b)
高水健司(b)
細野晴臣(b)
渋井博(key)
市川秀男(key)
坂本龍一(p)
ペッカー橋田(per)
浜口茂外也(per)
斉藤清(horns)
砂原俊三(horns)
数原晋(tp)
大竹守(tp)
隅山時一(tp)
新井英治(trombone)
平内保夫(trombone)
三田治美(trombone)
岡田澄雄(trombone)
鍵和田道男(trombone)
清水靖晃(sax)
ジェイク・H・コンセプション(sax/fl)
衛藤幸雄(fl)
相馬充(fl)
山川恵子(harp)
山畑松枝(harp)
トマト(strings)
多グループ(strings)
尾形道子(bvo)
槇みちる(bvo)
梅垣達志(bvo)
瀬尾一三(bvo)
伊集加代子(bvo)
和田夏代子(bvo)
鈴木宏子(bvo)
ヒデ・コウタロウ(bvo)




タイトルの「ミニヨン」は、フランス語で「かわいい女の子」という意味。
現在はずいぶん様変わりしてしまいましたが、昔の日本女性の特徴とされていた控えめさ、
奥ゆかしさをテーマにした内面性の強い作品です。

シュガー・ベイブ解散後、大貫さんのソロ活動の舵取りを山下達郎に代わり厚くサポートしていたのが
まだ無名だった坂本龍一さんで大貫さん曰く彼の存在と才能が自分にとって非常に大きかったと
語っています。



ただこのアルバム(3rd)はRVC移籍第一弾として大々的なプロモーションが行われたことから
(当時、日本でセッションミュージシャンで活躍していた人は全員参加しているのでは?(笑)
大貫さん自身は当然ヒットするものと思っていたが、全然売れずセールスで失敗したことで、
落ち込んでしまい音楽を廃業するつもりで約2年間休業してしまいます。

もう少しこのアルバムが商業的に成功していたらYMOサポートは矢野顕子さんではなく
大貫妙子さんだったかもしれませんね・・・

サウス・オブ・ザ・ボーダー/南佳孝 - 1978.09.21 Thu









[sales data]
1978/9/21
[producer]
坂本龍一
南佳孝
[member]
南佳孝(vo)
林立夫(ds)
細野晴臣(steel ds/b)
高橋ゲタ夫(b)
松原正樹(g)
鈴木茂(g)
駒澤裕城(pedal steel g)
坂本龍一(fender rhodes)
佐藤博(p)
浜口茂外也(per)
ラリー寿永(per)
斉藤ノブ(per)
吉川祐二(per)
ペッカー(per)
梅垣達志(bvo)
梅垣ミト(bvo)
ブレッド&バター(bvo)
大貫妙子(duet)
and brass section




南佳孝さんと言えば「モンロー・ウォーク」「スローなブギにしてくれ」などのヒット曲が
ありますが、アルバムの中でファンに特に人気があるのがこの作品です。
(アルバムジャケット画は故池田満寿夫の「愛の瞬間」)

太陽サンサンな南国で作った南国アルバムではなく、コンクリートジャングルの
都会に住む人間の南国への憧れを上手く表現した南国リゾート疑似体験作品。

トロピカル細野さんの声を若くしたような内容ですが(笑)ティン・パン・アレイ系と
縁深いアーチストが多数参加しており(何故か今まで南さんをサポートしていた
松本隆さんはこのアルバムには参加せず)特にこのアルバムでその才を放っているのは
坂本龍一で全曲の編曲に携わり、YMO結成前夜、テクノとはほど遠い色々な音楽のエッセンスを
吸収していたことを物語る1枚です。

YMOデビューライヴ/FM東京「サウンド・カーニバル~シンセサイザー・ランド」 - 1978.10.18 Wed









[Live Data]
1978年10月18日 芝郵便貯金ホール
[member]
細野晴臣(b)
高橋ユキヒロ(vo/ds)
坂本龍一(synteh/etc)
松武秀樹(synteh/etc)
矢野誠(synteh/etc)
渡辺香津美(g)
林立夫(ds)

YMO.jpg


1978年7月10日~9月5日の期間で1stアルバムのスタジオ制作を完了した
YMOとしての記念すべき初ステージはFM東京主催の冨田勲との共演番組
「サウンド・カーニバル~シンセサイザー・ランド」収録。

第1部:冨田勲
第2部:イエロー・マジック・オーケストラ
第3部:バッハ・レボリューション

このライヴは当時、シンセミュージック第一人者冨田勲氏メインの企画で
惑星宇宙幻想に続く宇宙三部作バミューダ・トライアングルのプロモーションが主目的で
得体の知れないYMOはそれに付随してというものだったと思います。



会場の音響セッティングは、冨田勲の指定による四方向と天井からに設置された
5chスピーカーによる「ピラミッドサウンド」システムでオリジナルのマスター音源は、
4チャンネルステレオに加えて聴取者の頭上にスピーカーを配置した5チャンネル方式ですが
この音源は一般には発売されず、通常のステレオフォニック再生で擬似的に体験出来る様に
ミックスダウンされたものが発売されたようです。

[YMO演奏曲]
1.Introduction
2.ビハインド・ザ・マスク
3.東風
4.中国女
5.ブリッジ・オーバー・トラブルド・ミュージック
6.マッド・ピエロ
7.シムーン
8.ウォンテッド
9.ファイヤークラッカー

細野談
(ピンク・デレィのウォンテッドのカバーについて)
「東京臭いというところから、逆に辿り着いた、非常に知的なアプローチですね。
肉体感覚じゃないですね。決して好きなものじゃないんですけど、
テクノに置き換えると非常によくなる、ピンク・レディーもよくなるという
確信があったんですね。みんな付和雷同型だから、やろうやろうってことで
やってただけなんじゃないかな」

渡辺香津美談
「坂本龍一との交流と僕が細野さんのファンだったっていう流れから、
細野さんに誘われたんですね。HOSONO HOUSEやティン・パン・アレーを素晴らしいと
思っていたんだけど、周囲のジャズ・プロパーな人に「こんな面白いものがあるんだ」と
言っても「ふー ん。で、その人たちはアドリブするの?」っていう反応で(笑)。
そういうジャズしか認めない周りの環境がつまらないと思ってたんですね。
そこに坂本さんが 現れ、YMOというバンドには自分がファンだった細野さんも
いるというんで、惹き付けられたというか」

矢野誠談
「姫(矢野顕子)が「たまにはあなた、弾きなさいよ」って言うんで、
姫の代わりに弾いてるんだ。あの人はソロ・アーティストだったから、
あまり人のバンドに参加しすぎるのも、やのミュージック上まずかったんです」

テクノという言葉も概念もなく未だシンセの扱いに慣れておらずコンピュターに翻弄される
陰気臭いマニアモード全快のYMOをどうぞ(笑)


千のナイフ/坂本龍一 - 1978.10.25 Wed









[sales data]
1978/10/25
[producer]
坂本龍一
[member]
坂本龍一(synthe/etc)
細野晴臣(b)
高橋幸宏(ds)
渡辺香津美(g)
山下達郎(custanet)
松武秀樹(programming)




YMO立ち上げ年の1978年、一体いくつ仕事を掛け持ちしていたんだ?と驚くべき
仕事量の中リリースされた坂本龍一のソロ1st。
レコーディングは延べ500時間くらいかかったそうで昼間はスタジオミュージシャン、
夜12時から朝までこのアルバムを作成し「何か月もかかったが、寝なくても平気だった」
とのことでそのハイテンションな覚醒ぶりが伺えます。
(タイトルはベルギーの詩人アンリ・ミショーの「みじめな奇蹟」の冒頭の一節だそうです)


坂本談
「録音中に、細野さんとか幸宏とか達郎とセッションがあったり、香津美とやったりして
その度に気心の知れた人を呼んできて、千のナイフに入れたという感じですね」
コンピュータ・オペレーターは松武秀樹氏が担当し、レコーディング中に音楽の
ノリ(はね方)を数値で分析して、コンピュータで表現することを発見し
YMOに繋がる制作手法のノウハウを得たとされています。

この作品は千のナイフやThe End Of Asiaといった人気曲があるのですが、
総じて音の波が平坦です。
それはアルバム内容に問題があるのではなく、シンセの機能をフルに使いこなした
サウンドではないので、抑揚のない電子音が単調に聴こえるためです。
このアルバムを制作しながらYMOのライヴをこの調子で演ったら退屈なものになると考え
香津美さんをサポートで起用したのは大正解でしたね。

香津美さんへの指示は「火がついたように弾きまくってくれればいいから」だったそうで
カスタネットで参加した達郎さんは正式参加ではなく、坂本さんの新たな試みに
興味津々でこのアルバムの制作過程をほぼ毎日のように見学し、後の達郎サウンドが
開花することになります。

[YMOネタ]
このアルバム発売プロモーションで1978年10月25&26日東京・六本木のピットインで
「千のナイフ発売記念ライヴ」が開催され坂本龍一&イエロー・マジック・オーケストラ
としてステージに立っています。

イエロー・マジック・オーケストラ/YMO - 1978.11.25 Sat









[sales data]
1978年11月25日
[producer]
ハリー細野
[member]
坂本龍一(synthe/etc)
高橋ユキヒロ(ds/vo)
細野晴臣(b/etc)
*****
松武秀樹(programming)
橋本俊一(vo)
高中正義(g)
布井智子(voice)




1978年7月10日~9月5日の期間で制作されたYMOのデビュー盤。
(翌年リミックスを施したジャケット違いのUS盤もリリースされました)



実は正式レコーディングの前のリハーサル時にマーティン・デニーの
「ファイアークラッカー」をコンピューターを使用せず、3人の生演奏で録音したそうです。

firecracker.jpg

細野談
「コンピューターで作る前に生演奏でどこまでできるか確認しておきたかったんですが
今までと変わらないティン・パン・アレー的でミュージシャン的なアプローチが
今までと全然変わらず、面白いものができなかった。
やってみて生演奏だとその当時のスキルでは上等なフュージョンになってしまうことが
わかり、その場でマルチを消しちゃったんですね。(<勿体無い)
そのとき初めてコンピュータの要素を、もっと強く出していかないと面白くないと
いうことがわかり、コンピューターに革新性を求めて正解だと思いました。」

坂本談
「最初の頃のYMOは、コンセプトは細野さんで、演奏面ではぼくが中心だった。
東風は、北京交響楽団をイメージして書いた曲なんですよ。たぶん何かを下敷きに
していると思う。当時は文化大革命のすぐあとの時代で、毛沢東の詩に作曲したものが
中国にたくさんあって。そういうレコードを中国の店から買ってきて、
なかにいい曲があったんですよ。それを参考にしてるんです」

高橋談
「教授が東風を作ったんで、じゃあ、ぼくは中国女にしようと。
ロキシー・ミュージックのブライアン・フェリーが、弾けないキーボードを不器用に
弾くのが好きで、とりあえずぼくが思い浮かべたフレーズを打ち込んでもらって、
そうそう、そういう感じと教授で相談しながら進めていったのを覚えています」

このアルバムはマニアが徹底的に検証して、楽曲すべてに面白いウンチクが
あるのですが、YMOには実は幻の第四メンバーがいてそれは
細野さんをインド旅行に誘った横尾忠則さんです。
横尾さんもYMOメンバーとして参加する予定で結成記者会見のためにテクノカット
までして準備していたものの記者会見当日、別の仕事が入って流れてしまいました。
横尾談
「その時、行きたいのと同時に、行きたくない気持ちもすごく働いていたわけ。
こんな世界に入ったらどうなっちゃうのかなって。本当の僕の心はというと、やめとけって。
娘に「パパ、画家なんてダサ~い。YMOに入ってたほうがよっぽどカッコよかったのに」って
何度も言われてさぁ(苦笑)息子は「YMOに入ってなくてよかった。入っていたら、
平均年齢が上がってYMOの人たちがかわいそうだ」って言うわけよ」(笑)

このアルバム制作時、YMO誕生の重要なキーワードとなった「InDo(インド)」が
録音されたのですが、アルバム全体の雰囲気にそぐわないという理由でカットされて
しまいましたが、2000年にYMO名義でリリースされました。



時代はパンク、ニューウエイヴ、フュージョンと新たな可能性を秘めた音楽が誕生し、
コンピューターゲームが人間の日常生活を侵食するのに乗じ、テクノという奇妙な
コンセプトが生まれ世はまさにジャンル分けが無意味な雑種天国時代突入です!

細野談
「作ってるときにはね、うまくゆくかどうかってことは何も考えなかったんだ。
そうじゃなくて、なにか、自然にわいてくる自信みたいなものがあった。
そういうものがあるときには、すべて、うまくゆく。自分の内部から、
これはうまくゆくって声が出てくるんだ」

ライヴ・アット・紀伊国屋ホール/YMO - 1978.12.10 Sun









[sales data]
1994年8月31日
[producer]
unknown
[member]
坂本龍一(synthe/etc)
高橋ユキヒロ(ds/vo)
細野晴臣(b/etc)
*****
渡辺香津美(g)
松武秀樹(synthe)

ymo live


アルファ・レコード主催
ALFA RECORD/KYODO TOKYO PRESENT「FUSION FESTIVAL'78
[WE BELIEVE IN MUSIC](1978年12月2日~10日/新宿紀伊国屋ホール)
[出演]
・大村憲司vsニール・ラーセン
・吉田美奈子vsベナード・アイグナー
・渡辺香津美 KYLYN BAND?
・深町純
・細野晴臣&イエロー・マジック・オーケストラ(出演日:12/5&10)

当時フュージョン音楽レーベルだったアルファレコード主催の音楽イベントに
組み込まれた「細野晴臣&イエロー・マジックVSニール・ラーセン」(12/10)の音源。

このフュージョンイベントに新人のYMOが突然出演することになった経緯の
宮住俊介さんの手記がとても面白いです。

YMO結成に興味を持っていたのは細野さんのファンばかりだったようですが
今までみたこともないコンピュータ機材の山に埋もれて演奏する未知の音楽に
どう反応していいのか戸惑っている様子がとても興味深いです。

当初テクノというコンセプトでバンドの方向性を固めていなかったらしく、
どこかしら電子楽器に不慣れでたどたどしい雰囲気がまさに時代を感じます。
(この分野を先行していたクラフトワークはシンセ・ポップorエレクトロ・ポップと
呼ばれていましたが、テクノという呼称がない時期YMOは「コンピュータ・ミュージック」と
呼ばれていたような気がします)

バンドのグルーヴ感は皆無でスタジオ盤を忠実に再現しているのが逆に新鮮です。



YMOはこの後12月20日~22日六本木PIT INNで
YELLOW MAGIC ORCHESTRA 3daysを実施し激動の1978年の幕を閉じます。
この時のメンバー(12/22)にシナロケの鮎川誠氏が参加。
サンハウス時代に福岡でサディスティック・ミカ・バンドと対バンがあり、
ほとほどの知り合いだったユキヒロさんに挨拶するため紀伊国屋の楽屋を訪れた際
細野さんを紹介され、意気投合しアルファに移籍しYMOメンバーが参加した
真空パックからユー・メイ・ドリームが大ヒットしました。
(SOLID STATE SURVIVORにもギターで参加)


ラヴ・ハート/ラジ - 1978.12.21 Thu









[sales data]
1978/12/21
[producer]
高橋ユキヒロ
[member]
高橋 ユキヒロ(ds)
細野 晴臣(b)
後藤 次利(b)
鈴木 茂(g)
高中 正義(g)
松原 正樹(g)
水谷 公生(g)
坂本 龍一(key)
南 佳孝(duet vo)
山下 達郎(bvo)
浜口茂外也(per)

raji.jpg


ユキヒロ+細野(YMO)とユキヒロ+後藤(サディスティク)の二つのリズム隊に別れ
4人の人気ギタリストがサポートとかなり豪華な作りなんですが、
ラジさんって何者?って話ですが、

この頃、ラジとかエポとかマナとか二文字ブームでもあったんですかね?
本名は本田(旧姓:相馬)淳子さんという日本人で、1973年に女性4人組「ROW」で
「全国フォーク音楽祭」に出場し、グランプリを獲得し東芝EMIから
シングル「失われたもの達」(1973/11)を発表するも当時、現役の高校生だったため
一時活動を休止。

row_2015043011425935c.jpg pony tail

1975年、ムーンライダーズの妹分としてグループ名を「ポニーテール」に改名再デビュー。
解散後、ラジさんはサディスティックスのアルバムに参加していた縁でデビューアルバムに
続いてユキヒロプロデュースになったんでしょうね。

ちょっとボーカルの線が細いかなぁ(お洒落すぎて個性が見え難い)と思うんですが
ファンにとってはこの弱弱しいシルキーな感じがたまらないようです。

天然の美/近田春夫 - 1979.05.21 Mon









[sales data]
1979/5/21
[producer]
近田春夫
[member]
近田春夫(vo)
坂本龍一(key)
高橋ユキヒロ(ds)
細野晴臣(b)
松武秀樹(programming)
etc

chikada_20160621144731db0.jpg


深夜放送や雑誌などで「歌謡曲」を徹底的に分析して自分の特異(笑)ジャンルにしてしまった
近田春夫のソロデビュー作品。

ハルヲフォンの頃は歌謡曲を正当化しようとする近田スタイルの良さがあまり分からなかったのですが
独自の理論で計算し尽くされたサウンドでジューシー・フルーツを世に送り出してから
聴く耳が変わりました。

楽曲制作では歌謡曲のヒットメーカーを多数起用
作詞家では楳図かずお、竜真知子、山口洋子、
作曲家では筒美京平、宇崎竜童、井上忠夫、加瀬邦彦など
(2枚目のシングル「エレクトリック・ラブ・ストーリー」の作詞は「楳図かずお」先生です(笑)



この作品はまだ活動実態が不明瞭なYMOがバンド名義で参加しているのですが、
当時、近田さんはYMOについてもコンピューターミュージックについても全く知らない状態
だったそうですが、雑誌で細野さんと対談しそのコンセプトに興味を持ち、
アルバム参加を依頼したとのことで十分にYMOのピコピコサウンドを理解してのことではなく、
後に「売れたのは当時はよく分からなかったYMOのおかげ」と喜んでいました。

YMOの「テクノポリス」はピンク・レディの一連のヒット曲を坂本龍一が徹底研究して生まれた
そうなのですが、その歌謡曲へのアプローチ方法は近田春夫の影響が大きかったのではないかと
思います。



このアルバムの営業演奏用のバックバンドとしてBEEFを結成しますが、
このバンドがのちに近田さんが作詞・作曲・プロデュースを手掛けて
「ジェニーはご機嫌ななめ」を大ヒットさせるジューシー・フルーツへと発展します。

サマー・ナーヴス/坂本龍一 - 1979.06.21 Thu









[sales data]
1979年6月21日
[producer]
坂本龍一
[member]
坂本龍一(vo/key/etc)
小原礼(b)
高橋ユキヒロ(ds)
鈴木茂(g)
浜口茂外也(per)
中山昌三(fl)
山川恵子(harp)
山口真文(sax)
イブ(bvo)
大村憲司(g)
アブドゥーラ・ザ・プッシャー(g)
(勿論、渡辺香津美さんです(笑)
ペッカー(per)
矢野顕子(bvo)
数原晋(tp)
岸義和(tp)
中川喜弘(tp)
新井英治(trombone)
平内保夫(trombone)
三田治美(trombone)
岡田澄雄(trombone)
杉本勝行(trombone)
松原正樹(g)
山下達郎(bvo)
吉田美奈子(bvo)
ジェイク・コンセプション(sax)
松武秀樹(programming)
多グループ(strings)




1979年前半のYMOは2ndアルバムの制作に集中しいよいよ本格的な実践段階に入り
坂本龍一周辺は盛んにお互いのステージに顔を出し合い複数のセッションを行い
渡辺香津美のKYLYNバンドとほぼ同時にリリースされた「カクトウギ・セッション」
(ちなみにこの企画はベターデイズではなくCBSソニーサウンドイメージシリーズの番外編

楽器パートをぶつけたセッション物というより、細野さんに対抗しての?
教授の妙なボーカル物という感じで(YMO的な要素は皆無)
教授がボーカルを取るタイトル曲は坂本&矢野コンビによる初の共同作業で
矢野さんはこの年、矢野誠氏と離婚し、YMOの世界ツアーに同行し
その間に愛が深まり二人の間にYMOの申し子、坂本美雨ちゃんが生まれます。



このアルバムコンセプトを発展させたお遊び企画で各パート2人の同プレーヤーが
格闘技スタイルの編成でプロレス興行に見立てたライヴも行われました。
(6/23,7/26,7/27/六本木ピットイン)

sakamoto_ryuichi_summer_nerves2.jpg

ライヴ時はメンバーに[リングネーム]が付けられ
KYLYN渡辺(渡辺香津美)Dr.坂本(坂本龍一)ポンタ村上(村上秀一)
(ポンタの愛称はこのセッションで命名されたようです)
アミン小原(小原礼)ペッカー・ペリカホ(ペッカー)高橋ブリックス(高橋幸宏)
ストロング矢野(矢野顕子)ラッシャー大村(大村憲司)など

ちなみに細野さんは6/23の対戦を急病で欠場したのですが、その際会場では
「プールに行って日射病になった」という説明があったらしいです(笑)

カクトウギのテーマは「ロッキーのテーマ」などが当時ヒットしていて
軽いノリでカクトウギ・セッションのテーマ曲に作ったところ、
実際に全日本プロレスのテレビ中継で使われ冗談ノリが本当になったとのこと。


Prev «  | TOP |  » Next

ブログ案内

縞梟

Author:縞梟
ブログ概要はこちらをご参照ください

検索フォーム

最新コメント

カテゴリ

洋楽 (1378)
Live In Japan(黒船襲来) (50)
Albert Lee (3)
Allman Brothers Band (13)
Andy Summers (7)
Anthony Phillips (3)
Atomic Rooster (5)
The Band (15)
The Beatles関連 (9)
Black Sabbath (23)
Blood,Sweat & Tears (5)
The Byrds (10)
Bill Bruford (16)
Bill Laswell (3)
Billy Preston (4)
Bob Dylan (32)
Cactus (2)
Caleb Quaye/ Hookfoot (5)
Camel (2)
Claire Hamill (3)
Colosseum/Tempest (14)
Cozy Powell (4)
Cream (13)
C,S,N & Young関連 (12)
Curved Air (9)
David Bowie (43)
Dave Mason (16)
David Sylvian (7)
Deep Purple (23)
Deep Purple関連 (15)
Delaney & Bonnie (8)
Eagles (5)
Emerson Lake and Palmer(E.L.P) (32)
Electric Light Orchestra(E.L.O) (4)
Emmylou Harris (6)
Eno (8)
Eric Clapton (25)
Faces/Small Faces (4)
Focus (13)
Frank Marino & Mahogany Rush (15)
Frank Zappa (24)
Frank Zappa関連 (2)
Frankie Miller (7)
Fred Frith (2)
Free (1)
Gary Moore (11)
Genesis (5)
Gong (14)
Gram Parsons (4)
Grand Funk Railroad (3)
Gurvitz Brothers (4)
Humble Pie (2)
Ian Gillan Band (10)
Jack Bruce (25)
Jackson Browne (2)
Jan Akkerman (30)
Jeff Beck (32)
Jimi Hendrix (44)
Johnny Guitar Watson (7)
Joni Mitchell (7)
Kevin Ayers (6)
King Crimson (48)
King Crimson関連 (16)
The Kinks (6)
Led Zeppelin (27)
Little Feat (11)
Lou Reed (13)
Lynyrd Skynyrd (5)
Magma (3)
Max Middleton (7)
Mick Ronson (5)
Mike Bloomfield (7)
The Mountain (3)
Neil Larsen (1)
Neal Schon (3)
Neil Young (15)
Nicky Hopkins (11)
Nico (6)
Nucleus (4)
Paul Butterfield (7)
Peter Banks (8)
Peter Frampton (8)
Peter Gabriel (10)
Peter Green (3)
Phil Manzanera (20)
Pink Floyd (7)
Pink Floyd関連 (2)
Poco (5)
Procol Harum (12)
Queen (4)
Rainbow (17)
Ray Fenwick (8)
RMS(Ray Russell/Mo Foster/Simon Phillips) (10)
Robin Trower (14)
Rolling Stones (19)
Rolling Stones関連 (8)
Roxy Music (7)
Roy Buchanan (4)
Renaissance (9)
Santana (4)
Soft Machine (9)
Spencer Davis Group (5)
Steve Hackett (39)
Steve Hillage (8)
Steve Miller Band (3)
Terry Bozzio (8)
Terry Reid (5)
Tommy Bolin (10)
UK (6)
Uli Jon Roth(Scorpions) (13)
Velvet Underground (9)
Whitesnake (16)
Wishbone Ash (1)
The Who (9)
Yardbirds (8)
YES (28)
YES関連 (30)
カテゴリ外(洋楽) (65)
ジャズ・フュージョン (623)
Al Di Meola (11)
Allan Holdsworth (49)
Bernard Purdie (4)
Billy Cobham (15)
Brecker Brothers (13)
The Crusaders (1)
David Torn (7)
Frank Gambale (4)
Grant Green (3)
George Benson (6)
Herbie Hancock (7)
Idris Muhammad (4)
Jean-Luc Ponty (8)
Jeff Berlin (6)
Joe Pass (11)
John Abercrombie (1)
John Coltrane (2)
John Mclaughlin (38)
John McLaughlin関連 (6)
John Scofield (36)
John Tropea (7)
Jonas Hellborg (9)
Larry Carlton (1)
Larry Coryell (13)
Lee Ritenour (3)
Lenny White (5)
Lou Donaldson (2)
Mark Nauseef (4)
Mahavishnu Orchestra (15)
McCoy Tyner (3)
Melvin Sparks (9)
Mike Stern (13)
Miles Davis (56)
Miles Davis関連 (6)
Pat Metheny (12)
Pat Metheny関連 (3)
Pharoah Sanders (3)
Philip Catherine (9)
Return To Forever (13)
Stanley Clarke (15)
Steve Khan (7)
Stuff (10)
Tony Williams (10)
Weather Report (29)
Wes Montgomery (8)
大村憲司 (9)
パラシュート (8)
深町純 (5)
Prism (3)
増尾好秋 (6)
マライア (7)
森園勝敏 (9)
渡辺香津美 (21)
渡辺貞夫 (4)
カテゴリ外(ジャズ・フュージョン) (54)
邦楽 (638)
あがた森魚 (5)
荒井由実 (4)
井上陽水 (14)
ウエスト・ロード・ブルース・バンド(山岸潤史) (5)
遠藤賢司 (36)
小川美潮 (11)
大瀧詠一 (6)
加藤和彦 (9)
カルメン・マキ (14)
久保田麻琴(サンディー&ザ・サンセッツ) (3)
クラムボン (5)
クリエイション/竹田和夫 (28)
コシミハル (9)
ゴールデン・カップス/エディ藩 (11)
サディスティック・ミカ・バンド/サディスティックス (11)
サンハウス/シーナ&ザ・ロケッツ (11)
鈴木慶一 (3)
鈴木賢司 (6)
鈴木茂 (10)
ズボンズ (5)
ソウル・フラワー・ユニオン/ニューエスト・モデル (28)
高中正義 (4)
char & Pink Cloud (3)
ちわきまゆみ (8)
陳信輝 (6)
戸川純 (9)
西岡恭蔵(ザ・ディランⅡ) (8)
人間椅子 (7)
BOW WOW (10)
はっぴいえんど~ティン・パン・アレイ関連 (35)
ハプニングス・フォー (7)
早川義夫(ジャックス) (6)
浜田麻里 (6)
パンタ/頭脳警察 (18)
ヒート・ウェイヴ/山口洋 (23)
フラワー・トラベリン・バンド (6)
ボ・ガンボス/どんと (27)
細野晴臣 (32)
Boat/Natsumen (12)
紫(沖縄ロック) (10)
村八分(山口冨士夫) (7)
ザ・モップス (6)
柳ジョージ (6)
矢野顕子 (14)
山内テツ (3)
山下達郎 (6)
Lazy~Loudness (18)
YMO/坂本/高橋関連 (19)
wha-ha-ha~はにわちゃん (4)
日本のプログレバンド (11)
岡野ハジメ (4)
成毛滋 (6)
ファー・イースト・ファミリー・バンド (6)
柳田ヒロ (7)
四人囃子 (15)
アニメ (12)
カテゴリ外(邦楽) (23)
その他(戯言・雑記) (95)
縞梟的笑論文 (13)
パチスロ (55)
お悔やみ (18)

記事画像

リンク

このブログをリンクに追加する