2017-07

Saravah!/高橋幸宏 - 1978.06.21 Wed









[sales data]
1978年6月21日
[producer]
高橋幸宏
坂本龍一
[member]
高橋ユキヒロ(vo/ds)
坂本龍一(key/etc)
細野晴臣(b)
和田アキラ(g)
加藤和彦(g)
大村憲治(g)
高中正義(g)
鈴木茂(g)
松木恒彦(g)
今井裕(per)
浜口茂外也(per)
斎藤ノブ(per)
林立夫(per)
BUZZ(bvo)
吉田美奈子(bvo)
ラジ(bvo)
山下達郎(bvo)
秋川リサ & Friends(handclaps)






サディスティックス在籍時のソロ1st。
坂本龍一との共同プロデュース作品で加藤和彦&高中正義(サディスティクス系)と
細野晴臣&鈴木茂などのティン・パン・アレイ系の混合サウンドが具音化されていて

高橋談
「細野さんと教授と3人が集まったアルバムとしても思い出深い作品です。
一番盛り上がった「サンセット」っていう曲がありまして。教授が手弾きで
シークエンスをやってるんだけど、細野さんにその曲を聴かせたときに、
すごく強い反応があったんです」

坂本談
「「サラヴァ!」は僕と幸宏で作ったようなものじゃないですか。
完成したときに、すぐ細野さんにカセットで聴かせたんです。
細野さんにどう評価されるかっていうのに、僕らはすごく関心があって。
とにかく幸宏のヴォーカルがいいというのを、最初に言っていたんですね」

面白いのはこの頃の二人は細野さんに音楽的に認められたいという
強い思いがあったことですね(笑)

幸宏さんはこの頃、リズムについて大変面白い発言をしているのですが
「コンピュータはまだだけど、クリック(リズムマシン)は使ってたんですね。
「これがジャストのリズム」っていう基準がハッキリするじゃないですか。
それまでフュージョンとかの世界で、どうも違和感があったのは、演奏者の
テンション次第でテンポが早くなったり遅くなったりするとこ。
演奏している者同士の気持ちがうまく噛み合ないとテンポが合わなくなってくる。
「これがジャストのリズム」っていう基準があれば、このテンポでいこうって
決められるわけですよね。「(リズムを)キープすることがドラムの本質」だって
いうのに目覚めたことは事実かもしれない。」

クリックを初めて使用すると100%のドラマーはいかにこれまで自分勝手な
テンポ/リズムで演奏していたことに気づかされ打ちのめされるのだそうです。
「このショックを乗り越えられるのは全ドラマー人口の30%前後」との調査結果が
総務省から発表され、国内外の楽器メーカーは電子メトロノームの開発にしのぎを削り
やがて手のひらサイズの「ゼンオン、メトリーナマルチ」が全ドラマーの
必須アイテムとなっているのだそうです。

img182_2.jpg

つまり幸宏さんはショックを受けるよりも、バンドメンバーのテンション次第で
テンポがずれることを良しとせず「ジャストのリズム」で叩くことが
重要と考えたわけでこのことがYMOのリズムの根幹となりコンセプトが若干
固まっていなかったYMOをテクノの恐竜に仕立て上げます。

ただ私個人はこの考え方には賛同できません。

人間が演奏する以上、狂いやミスそういった人間の特性を排除することは
アイデンティティの否定につながるのではないかと・・・
最近、個性的なドラマーがいなくなったのはこのメトリーナマルチのせいかも?
昔、誰だったか忘れましたがある落語家が、寸分狂いない円生の落語をレコードで
鑑賞するのもいいけど、寄席で落語を鑑賞することは生の証だというネタで
「今このタイミングで大きな地震があったとするでしょ。円生のレコードは
電源が落ちない限り落語を続けますが、私程度の噺家は高座を放棄して
お客さんよりも先に逃げちゃう」というのがありまして、私は音楽が
どんなにデジタル化されても根の部分はもそうあって欲しいと思っています。

しかしドラムのことを素人考えであれやこれや書きましたが、このアルバムは
結局のところはAOR風のお洒落な歌物です(笑)



[YMOネタ]
細野さん当時サディスティックスに在籍していた高橋幸宏をYMOに引き抜くため
ビクターと時下談判。

高橋談
「細野さんが「僕が挨拶に行く」って言っていっしょにビクターに行きました。
YMOをやることになって、ビクターとは、サディスティックスの契約が
まだ残っていたから当時の何ていう人だったかな、部長さんに挨拶に行ってくれたの。
すごくコワイ人だったんだよね。
でも、細野さんは「大丈夫。音楽をやってる人なら通じる」って言ってくれて。
「ユキヒロくんをください」と言ってくれたんですよ。
それで「しょうがねえなあ」とかって言われて(笑)」

サディスティックスは2ndアルバムWE ARE JUST TAKING OFF発売直後の
1978年8月29日九段会館で行われたライブで解散

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MIGNONNE(ミニヨン)/大貫妙子 - 1978.09.21 Thu









[sales data]
1978/9/21
[producer]
小倉エージ
[member]
水谷公生(g)
鈴木茂(g)
松木恒秀(g)
杉本喜代志(g)
吉川忠英(g)
松原正樹(g)
高中正義(g)
林立夫(ds)
田中清(ds)
高橋ユキヒロ(ds)
村上秀一(ds)
渡嘉敷祐一(ds)
後藤次利(b)
高水健司(b)
細野晴臣(b)
渋井博(key)
市川秀男(key)
坂本龍一(p)
ペッカー橋田(per)
浜口茂外也(per)
斉藤清(horns)
砂原俊三(horns)
数原晋(tp)
大竹守(tp)
隅山時一(tp)
新井英治(trombone)
平内保夫(trombone)
三田治美(trombone)
岡田澄雄(trombone)
鍵和田道男(trombone)
清水靖晃(sax)
ジェイク・H・コンセプション(sax/fl)
衛藤幸雄(fl)
相馬充(fl)
山川恵子(harp)
山畑松枝(harp)
トマト(strings)
多グループ(strings)
尾形道子(bvo)
槇みちる(bvo)
梅垣達志(bvo)
瀬尾一三(bvo)
伊集加代子(bvo)
和田夏代子(bvo)
鈴木宏子(bvo)
ヒデ・コウタロウ(bvo)




タイトルの「ミニヨン」は、フランス語で「かわいい女の子」という意味。
現在はずいぶん様変わりしてしまいましたが、昔の日本女性の特徴とされていた控えめさ、
奥ゆかしさをテーマにした内面性の強い作品です。

シュガー・ベイブ解散後、大貫さんのソロ活動の舵取りを山下達郎に代わり厚くサポートしていたのが
まだ無名だった坂本龍一さんで大貫さん曰く彼の存在と才能が自分にとって非常に大きかったと
語っています。



ただこのアルバム(3rd)はRVC移籍第一弾として大々的なプロモーションが行われたことから
(当時、日本でセッションミュージシャンで活躍していた人は全員参加しているのでは?(笑)
大貫さん自身は当然ヒットするものと思っていたが、全然売れずセールスで失敗したことで、
落ち込んでしまい音楽を廃業するつもりで約2年間休業してしまいます。

もう少しこのアルバムが商業的に成功していたらYMOサポートは矢野顕子さんではなく
大貫妙子さんだったかもしれませんね・・・

サウス・オブ・ザ・ボーダー/南佳孝 - 1978.09.21 Thu









[sales data]
1978/9/21
[producer]
坂本龍一
南佳孝
[member]
南佳孝(vo)
林立夫(ds)
細野晴臣(steel ds/b)
高橋ゲタ夫(b)
松原正樹(g)
鈴木茂(g)
駒澤裕城(pedal steel g)
坂本龍一(fender rhodes)
佐藤博(p)
浜口茂外也(per)
ラリー寿永(per)
斉藤ノブ(per)
吉川祐二(per)
ペッカー(per)
梅垣達志(bvo)
梅垣ミト(bvo)
ブレッド&バター(bvo)
大貫妙子(duet)
and brass section




南佳孝さんと言えば「モンロー・ウォーク」「スローなブギにしてくれ」などのヒット曲が
ありますが、アルバムの中でファンに特に人気があるのがこの作品です。
(アルバムジャケット画は故池田満寿夫の「愛の瞬間」)

太陽サンサンな南国で作った南国アルバムではなく、コンクリートジャングルの
都会に住む人間の南国への憧れを上手く表現した南国リゾート疑似体験作品。

トロピカル細野さんの声を若くしたような内容ですが(笑)ティン・パン・アレイ系と
縁深いアーチストが多数参加しており(何故か今まで南さんをサポートしていた
松本隆さんはこのアルバムには参加せず)特にこのアルバムでその才を放っているのは
坂本龍一で全曲の編曲に携わり、YMO結成前夜、テクノとはほど遠い色々な音楽のエッセンスを
吸収していたことを物語る1枚です。

YMOデビューライヴ/FM東京「サウンド・カーニバル~シンセサイザー・ランド」 - 1978.10.18 Wed









[Live Data]
1978年10月18日 芝郵便貯金ホール
[member]
細野晴臣(b)
高橋ユキヒロ(vo/ds)
坂本龍一(synteh/etc)
松武秀樹(synteh/etc)
矢野誠(synteh/etc)
渡辺香津美(g)
林立夫(ds)

YMO.jpg


1978年7月10日~9月5日の期間で1stアルバムのスタジオ制作を完了した
YMOとしての記念すべき初ステージはFM東京主催の冨田勲との共演番組
「サウンド・カーニバル~シンセサイザー・ランド」収録。

第1部:冨田勲
第2部:イエロー・マジック・オーケストラ
第3部:バッハ・レボリューション

このライヴは当時、シンセミュージック第一人者冨田勲氏メインの企画で
惑星宇宙幻想に続く宇宙三部作バミューダ・トライアングルのプロモーションが主目的で
得体の知れないYMOはそれに付随してというものだったと思います。



会場の音響セッティングは、冨田勲の指定による四方向と天井からに設置された
5chスピーカーによる「ピラミッドサウンド」システムでオリジナルのマスター音源は、
4チャンネルステレオに加えて聴取者の頭上にスピーカーを配置した5チャンネル方式ですが
この音源は一般には発売されず、通常のステレオフォニック再生で擬似的に体験出来る様に
ミックスダウンされたものが発売されたようです。

[YMO演奏曲]
1.Introduction
2.ビハインド・ザ・マスク
3.東風
4.中国女
5.ブリッジ・オーバー・トラブルド・ミュージック
6.マッド・ピエロ
7.シムーン
8.ウォンテッド
9.ファイヤークラッカー

細野談
(ピンク・デレィのウォンテッドのカバーについて)
「東京臭いというところから、逆に辿り着いた、非常に知的なアプローチですね。
肉体感覚じゃないですね。決して好きなものじゃないんですけど、
テクノに置き換えると非常によくなる、ピンク・レディーもよくなるという
確信があったんですね。みんな付和雷同型だから、やろうやろうってことで
やってただけなんじゃないかな」

渡辺香津美談
「坂本龍一との交流と僕が細野さんのファンだったっていう流れから、
細野さんに誘われたんですね。HOSONO HOUSEやティン・パン・アレーを素晴らしいと
思っていたんだけど、周囲のジャズ・プロパーな人に「こんな面白いものがあるんだ」と
言っても「ふー ん。で、その人たちはアドリブするの?」っていう反応で(笑)。
そういうジャズしか認めない周りの環境がつまらないと思ってたんですね。
そこに坂本さんが 現れ、YMOというバンドには自分がファンだった細野さんも
いるというんで、惹き付けられたというか」

矢野誠談
「姫(矢野顕子)が「たまにはあなた、弾きなさいよ」って言うんで、
姫の代わりに弾いてるんだ。あの人はソロ・アーティストだったから、
あまり人のバンドに参加しすぎるのも、やのミュージック上まずかったんです」

テクノという言葉も概念もなく未だシンセの扱いに慣れておらずコンピュターに翻弄される
陰気臭いマニアモード全快のYMOをどうぞ(笑)


千のナイフ/坂本龍一 - 1978.10.25 Wed









[sales data]
1978/10/25
[producer]
坂本龍一
[member]
坂本龍一(synthe/etc)
細野晴臣(b)
高橋幸宏(ds)
渡辺香津美(g)
山下達郎(custanet)
松武秀樹(programming)




YMO立ち上げ年の1978年、一体いくつ仕事を掛け持ちしていたんだ?と驚くべき
仕事量の中リリースされた坂本龍一のソロ1st。
レコーディングは延べ500時間くらいかかったそうで昼間はスタジオミュージシャン、
夜12時から朝までこのアルバムを作成し「何か月もかかったが、寝なくても平気だった」
とのことでそのハイテンションな覚醒ぶりが伺えます。
(タイトルはベルギーの詩人アンリ・ミショーの「みじめな奇蹟」の冒頭の一節だそうです)


坂本談
「録音中に、細野さんとか幸宏とか達郎とセッションがあったり、香津美とやったりして
その度に気心の知れた人を呼んできて、千のナイフに入れたという感じですね」
コンピュータ・オペレーターは松武秀樹氏が担当し、レコーディング中に音楽の
ノリ(はね方)を数値で分析して、コンピュータで表現することを発見し
YMOに繋がる制作手法のノウハウを得たとされています。

この作品は千のナイフやThe End Of Asiaといった人気曲があるのですが、
総じて音の波が平坦です。
それはアルバム内容に問題があるのではなく、シンセの機能をフルに使いこなした
サウンドではないので、抑揚のない電子音が単調に聴こえるためです。
このアルバムを制作しながらYMOのライヴをこの調子で演ったら退屈なものになると考え
香津美さんをサポートで起用したのは大正解でしたね。

香津美さんへの指示は「火がついたように弾きまくってくれればいいから」だったそうで
カスタネットで参加した達郎さんは正式参加ではなく、坂本さんの新たな試みに
興味津々でこのアルバムの制作過程をほぼ毎日のように見学し、後の達郎サウンドが
開花することになります。

[YMOネタ]
このアルバム発売プロモーションで1978年10月25&26日東京・六本木のピットインで
「千のナイフ発売記念ライヴ」が開催され坂本龍一&イエロー・マジック・オーケストラ
としてステージに立っています。

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