2017-07

The Inner Mounting Flame(内に秘めた炎)/Mahavishnu Orchestra - 1971.08.15 Sun









[sales data]
1971
(Rec:1971/8)
[producer]
Mahavishnu Orchestra
[member]
John Mclaughlin(g)
Billy Cobham(ds)
Jerry Goodman(vl)
Jan Hammer(key)
Rick Laird(b)




今では笑い話となりますが、音楽的に狭量で偏屈なハーロック&プログレ命の小僧時代、
クラシックとロックの表面的な融合とかどっちつかずなJazz Rockなる中途半端なジャンルは
「邪道」という偏見があり、TRIO OF DOOMに出会いマクラフリンの炎のギターに開眼するまで
何と40年近くを無駄にしてしまい聴かず嫌いだったマハビシュヌ・オーケストラの
デビューアルバム。

My Goals Beyondに参加していたビリー・コブハム、ジェリー・グッドマンに
チェコでは既に著名なジャズ・ピアニストとして活躍していたものの68年のプラハの春を契機に
アメリカに活動拠点を移したヤン・ハマー、そしてマイナーゆえそのキャリアが
あまり紹介されることのないリック・レアードはアイルランドのダブリンの生まれで
父親の仕事の関係でニュージーランド、オーストラリアと移り住みアマチュアジャムバンドで
活躍後1962年に英国に移るとロニー・スコット・クラブ等で
ウエス・モンゴメリー、ソニー・スティット、ソニー・ロリンズなどの大御所と共演し
ブライアン・オーガー・トリニティのメンバーとしてマクラフリンとコンタクトしています。

この時期、流行していた多くの尖がった野心家達によるロックと他フィールド
(クラシック、ジャズ等)の融合実験はアイディアの面白さを十分に表現できず
「バランス」という点でどうしても違和感が払拭できませんでしたが、
マハビシュヌは各メンバーが自己主張しながらも調和にも気を配る高度な演奏技術のおかげで
スタート時点で既に超次元のバンドとしての力量を発揮しています。

マハビシュヌの革新性はマイナーな存在のザッパがロック分野にバイオリンという
繊細な楽器を巻き込んだことをメジャーに解釈させたことで
そして何よりこのブッ飛んだサウンドが1971年物という恐るべき事実。
マクラフリンの精神性の高みに全メンバーが魂のプレーで応えるバンド物としての極上品。

Wikiにレコーディング最中の面白いエピソードがあったのでご紹介します。
「「ヌーンワード・レース」のイントロは、フルバンド用に書かれたもので、
アルバムで聴かれるようなギターとドラムのデュオとして作曲されたものではなかった。
この作品の録音中に、リック・レアードとジェリー・グッドマンの間にあったわだかまりが、
いよいよ口論となって具体化し、彼ら二人がヤン・ハマーを殴り、彼のキーボードの上で
取っ組み合いをすることになってしまった。
マクラフリンとビリー・コブハムは、大喧嘩の始まりから終わりまでの間、
フルボリュームで演奏を続け、できあがりに大変満足したマクラフリンは、
レアード、グッドマン、ハマーに、曲の後半でコブハムのドラムソロに
バッキングをつけている間は外に出ているよう指示したのである。」(笑)


スポンサーサイト

Whiskey A-go-go 27 March 1972/Mahavishnu Orchestra - 1972.03.27 Mon









[sales data]
2014/10
[producer]
unknown
[member]
John McLaughlin (g)
Jan Hammer (key)
Jerry Goodman (vln)
Rick Laird (b)
Billy Cobham (ds)




火の鳥の発売に合わせて行われたプロモーション用ラジオ放送(FM:KPFA)音源。
(Live at Whiskey A-go-go,LA 1972/3/27)

火の鳥リリース後は大々的な全米ツアーを行なったため、複数のブートやyoutubeの動画で
視聴できますが、発売直前後は比較的小さな小屋で数回の単発ギグしか行なわれておらず、
ノリは正直良くありませんが、秋以降のセットリストから外されてしまった
The Noonward Raceが収録されていてマハビシュヌファンの触手が伸びるような内容ですが、
放送用マスター音源をフル・リマスタリングした?とクレジットされてますが、
音圧があがらないので多分放送を録音したものを適当にリマスター処理したんだと思います。
(要はブートの横流し(苦笑)
レーベルはKLONDIKE RECORDSといういかにも怪しい感じのレーベルなので
無許可リリースの可能性が高いので、ファンは回収前にゲットです(笑)


(音源は同時期の1972/4/21,Cleveland)

Birds of Fire(火の鳥)/Mahavishnu Orchestra - 1973.03.15 Thu









[sales data]
1973/3
(Rec:1972/9-10)
[producer]
Mahavishnu Orchestra
[member]
John Mclaughlin(g)
Billy Cobham(ds)
Jerry Goodman(vl)
Jan Hammer(key)
Rick Laird(b)




今はこのアルバムと和解した私ですが、マクラフリンと接近するのを40年近く遠ざけた
曰く付きの1枚です(苦笑)

1970年代のハードロックやプログレを聴き貪っていた頃、
JAZZ ROCKなる分野は聴かず嫌いだったのでマハビシュヌはスルー状態でしたが
友人が「火の鳥だけは聴いてみろ」とあまりにもしつこく薦めるので聴いてみたものの、
高い演奏技術で力任せにたたみ聴かせるスタイルになかなか馴染めず、
苦手意識だけが根付いてしまいました。

まず、このアルバムをマハビシュヌの代表作として持ち上げる評価があまりにも高すぎます。
当時の音楽シーンに与えた衝撃から考えればあながち持ち上げすぎと批判できませんが、
それでもちょっと一般のロックやPOPSが好きな人がスンナリ入るには敷居が高い内容です。
メロディよりもスピリチュアルな表現内容のため
「耳が軽いリスナーには理解できないだろう」という上から目線の高飛車な作品評が多く、
難しい言葉を羅列して自己陶酔しているような音楽評論のせいでこのバンドに
近寄りがたい雰囲気を感じていたのでマハビシュヌの入り口として私は断然
The Inner Mounting Flameをお薦めします。

ちなみに
「3次元に存在しうる全ての振動音を虜にし超異次元空間を駆け巡る
ハイパー・メディア・クリエイティヴ・サウンドな火の鳥」(笑)が駄作ということでは
決してありませんので誤解なきよう。

The Lost Trident Sessions/Mahavishnu Orchestra - 1973.06.25 Mon









[sales data]
1999/9
[producer]
Mahavishnu Orchestra
[member]
John Mclaughlin(g)
Billy Cobham(ds)
Jerry Goodman(vl)
Jan Hammer(key)
Rick Laird(b)




邦盤帯タタキ
「'73完全未発表スタジオセッションの謎が四半世紀の時空を超えてついに明らかになる!!」

第一期マハビシュヌ・オーケストラは1973年6月25~29日の5日間
ロンドンのトライデント・スタジオで3rdアルバムのスタジオ録音を行ったのですが、
レコード会社がマスターテープを紛失し発売が見送られたいわくつきの一品です。

マクラフリン曰く
「実際バンドを維持するのは簡単では無かったよ。ファーストとセカンドがある程度成功して、
サードを制作することになって、僕らはせめてそのアルバムの制作が終わるまで
何とかバンドを維持しようとした。
でもアルバムは無事終わったところで、レコード会社側がマスターを無くしたことが発覚したんだ。
このときほど失望したことは無かったよ。
でも彼らはそのお詫びにライヴ・アルバムの発売を持ちかけてきた。
それが最後のセントラル・パークで収録されたライヴ・アルバムだった。」
(Between Nothingness & Eternity)

そしてどういう経緯か分かりませんが紛失したはずのマスターテープが
流失>海賊盤という事態が起きたため1999年突如、姿を現しました。

内に秘めた炎~火の鳥と同コンセプトなので超絶演奏以外に新たな発見はないですが、
ただの未発表音源ではないのでマハビシュヌファンの人は必聴盤です。

Between Nothingness and Eternity(虚無からの飛翔)/Mahavishnu Orchestra - 1973.08.17 Fri









[sales data]
1973
[producer]
Murray Krugman
[member]
John Mclaughlin(g)
Billy Cobham(ds)
Jerry Goodman(vl)
Jan Hammer(key)
Rick Laird(b)




第1期マハビシュヌの3rdアルバムとしてトライデントで録音したスタジオ盤
マスターテープを紛失してしまいその代替でリリースされたセントラルパークでの
新曲3曲を収録したライブ盤。
(Schaefer Music Festival, held in Central Park, New York on August 17 and 18,)
裏ジャケットに掲載された詩は、シュリ・チンモイ作の"My Flute"

意図したライヴ盤ではないためコンサート全容が分かるものではなく、
長年マハビシュヌのフルレングスのライヴは海賊盤でしか聴けなかったのですが、
2013年にComplete Columbia Albums CollectionというBOXに
本作未収録の8/17 & 18の音源が抱き合わせでリリースされました。

[収録曲]
1. Hope
2. Awakening
3. You Know, You Know
4. One Word
5. Stepping Tones
6. Vital Transformation
7. The Dance of Maya

楽器職人集団というバンド質のため各メンバーの長いインプロやトランス状態の
アドリブの魅力を引き出すにはスタジオ録音よりライブの方がマハビシュヌの迫力は
伝わりやすいと思うのですが、マクラフリンはこの日の演奏の出来には不満を
持っているようです。

米持孝秋さんとマクラフリンのインタビュー抜粋
マクラフリン
「熱心なファンならばわかると思うんだけど、あの日のパフォーマンスは最悪だったんだ」

米持さん
「最悪というのが何を基準にしているのかよく分かりませんが、
確かにマハビシュヌにしてはたいしたことのない演奏だという感じがします」

マクラフリン
「そう感じても仕方ない演奏なんだよ、あのアルバムは。
でもあれをレコーディングしたわずか3日前のシカゴの演奏は最高で、
バンド内では絶賛されていたんだ。でねTak(米倉さんの愛称)
その日の演奏を実は録っていたんだ。CBSがね、テストと称してすべてにマイクを立ててね。
そんなにマハビシュヌが好きならば送るから住所を教えて」

ということで米持さんはシカゴ公演のカセット・テープを頂いたそうなのですが
何とかその音源の許可取って公にリリースして欲しいですね。



(PS)
今年に入って、海賊盤で流通していた70年代のフュージョン系のラジオ音源が
HISTORIC RADIO BROADCASTSというシリーズなどで続々リリースされていますが
マハビシュヌはWhiskey a Go Goに続く第二弾がリリース予定です。


Prev «  | TOP |  » Next

ブログ案内

縞梟

Author:縞梟
ブログ概要はこちらをご参照ください

検索フォーム

最新コメント

カテゴリ

洋楽 (947)
Live In Japan(黒船襲来) (43)
Albert Lee (3)
Allman Brothers Band (11)
Andy Summers (7)
The Band (13)
The Beatles関連 (9)
The Byrds (10)
Bill Bruford (16)
Bill Laswell (3)
Billy Preston (4)
Bob Dylan (17)
Cactus (2)
Caleb Quaye/ Hookfoot (5)
Camel (2)
Colosseum/Tempest (12)
Cozy Powell (9)
Cream (8)
C,S,N & Young関連 (10)
David Bowie (42)
Dave Mason (5)
David Sylvian (7)
Deep Purple関連 (15)
Delaney & Bonnie (7)
Eagles (5)
Emerson Lake and Palmer(E.L.P) (33)
Electric Light Orchestra(E.L.O) (4)
Emmylou Harris (6)
Eno (8)
Eric Clapton (13)
Faces/Small Faces (4)
Focus (15)
Frank Zappa (19)
Frank Zappa関連 (2)
Frankie Miller (7)
Fred Frith (2)
Free (1)
Gary Moore (11)
Genesis (4)
Gong (14)
Gram Parsons (4)
Grand Funk Railroad (3)
Gurvitz Brothers (3)
Humble Pie (2)
Ian Gillan Band (11)
Jack Bruce (12)
Jackson Browne (2)
Jan Akkerman (11)
Jeff Beck (8)
Jimi Hendrix (42)
Joni Mitchell (7)
Kevin Ayers (6)
King Crimson (48)
King Crimson関連 (16)
The Kinks (6)
Led Zeppelin (9)
Little Feat (11)
Lou Reed (7)
Lynyrd Skynyrd (5)
Magma (4)
Max Middleton (7)
Mick Ronson (5)
Mike Bloomfield (7)
The Mountain (3)
Neal Schon (3)
Neil Young (4)
Nicky Hopkins (10)
Nico (6)
Nucleus (4)
Paul Butterfield (7)
Peter Banks (8)
Peter Frampton (2)
Peter Gabriel (10)
Peter Green (3)
Phil Manzanera (20)
Pink Floyd (2)
Pink Floyd関連 (2)
Poco (5)
Procol Harum (11)
Queen (4)
Rainbow (17)
RMS(Ray Russell/Mo Foster/Simon Phillips) (10)
Robin Trower (6)
Rolling Stones (8)
Rolling Stones関連 (2)
Roxy Music (6)
Roy Buchanan (3)
Renaissance (2)
Santana (3)
Soft Machine (6)
Spencer Davis Group (3)
Steve Hackett (13)
Steve Hillage (7)
Steve Miller Band (2)
Terry Bozzio (7)
Tommy Bolin (10)
UK (4)
Velvet Underground (7)
Whitesnake (16)
Wishbone Ash (0)
The Who (8)
Yardbirds (6)
YES (4)
カテゴリ外(洋楽) (49)
ジャズ・フュージョン (398)
Al Di Meola (10)
Allan Holdsworth (18)
Billy Cobham (13)
Brecker Brothers (10)
David Torn (7)
Frank Gambale (4)
Herbie Hancock (5)
Jean-Luc Ponty (8)
Jeff Berlin (6)
John Coltrane (1)
John Mclaughlin (21)
John McLaughlin関連 (2)
John Scofield (20)
John Tropea (7)
Jonas Hellborg (3)
Larry Coryell (6)
Lee Ritenour (3)
Lenny White (5)
Mark Nauseef (4)
Mahavishnu Orchestra (15)
McCoy Tyner (3)
Mike Stern (13)
Miles Davis (18)
Pat Metheny (10)
Pat Metheny関連 (3)
Return To Forever (13)
Stanley Clarke (11)
Steve Khan (5)
Stuff (8)
Tony Williams (9)
Weather Report (25)
大村憲司 (6)
パラシュート (8)
深町純 (5)
増尾好秋 (6)
マライア (7)
森園勝敏 (10)
渡辺香津美 (19)
渡辺貞夫 (4)
カテゴリ外(ジャズ・フュージョン) (47)
邦楽 (600)
あがた森魚 (5)
荒井由実 (4)
井上陽水 (12)
ウエスト・ロード・ブルース・バンド(山岸潤史) (4)
遠藤賢司 (28)
小川美潮 (11)
大瀧詠一 (6)
久保田麻琴(サンディー&ザ・サンセッツ) (3)
カルメン・マキ (13)
クラムボン (5)
クリエイション/竹田和夫 (27)
コシミハル (9)
ゴールデン・カップス/エディ藩 (11)
サディスティック・ミカ・バンド/サディスティックス (16)
サンハウス/シーナ&ザ・ロケッツ (11)
鈴木慶一 (3)
鈴木賢司 (6)
鈴木茂 (10)
ズボンズ (5)
ソウル・フラワー・ユニオン/ニューエスト・モデル (28)
高中正義 (4)
ちわきまゆみ (8)
陳信輝 (6)
戸川純 (9)
西岡恭蔵(ザ・ディランⅡ) (8)
人間椅子 (7)
BOW WOW (10)
はっぴいえんど~ティン・パン・アレイ関連 (33)
ハプニングス・フォー (7)
早川義夫(ジャックス) (6)
浜田麻里 (6)
パンタ/頭脳警察 (18)
ヒート・ウェイヴ/山口洋 (22)
フラワー・トラベリン・バンド (6)
ボ・ガンボス/どんと (27)
細野晴臣 (22)
Boat/Natsumen (12)
紫(沖縄ロック) (10)
村八分(山口冨士夫) (7)
ザ・モップス (6)
柳ジョージ (6)
矢野顕子 (13)
山内テツ (3)
山下達郎 (6)
Lazy~Loudness (18)
YMO/坂本/高橋関連 (19)
wha-ha-ha~はにわちゃん (4)
日本のプログレバンド (11)
岡野ハジメ (4)
成毛滋 (6)
ファー・イースト・ファミリー・バンド (6)
柳田ヒロ (7)
四人囃子 (15)
アニメ (10)
カテゴリ外(邦楽) (21)
その他(戯言・雑記) (88)
縞梟的笑論文 (12)
パチスロ (54)
お悔やみ (15)

記事画像

リンク

このブログをリンクに追加する