2017-09

幻野-幻の野は現出したか - 1971.08.14 Sat









[sales data]
1971年12月
[producer]
テレビマンユニオン
[参加バンド]
高柳昌行ニューディレクション
ブルース・クリエイション
DEW
落合俊トリオ
頭脳警察
ロスト・アラーフ
(阿部薫のテープ(音源)は紛失?)




中津川の第3回全日本フォークジャンボリー(1971/8/7)からわずか1週間後の
1971年8月14~16日の3日間、千葉県成田市三里塚にて地元の青年行動隊主催の
成田新空港建設反対闘争のためのイベントライヴ。

初日14日の日没から深夜にかけての模様を録音したもので
テレビ制作会社テレビマン・ユニオンの自主レーベル「創世記レコード原盤」で
URCからリリースされました。
(出演予定だった加藤登紀子が来ず「出せ!」~「ナンセンス!」~「空港粉砕!」と
シュプレッヒコールになり、会場はヒートアップしていく様なども収めています)

参加している面子が面子だけにアナログ盤の時代は邦楽ロックの黎明期を語る上で
外せない音源として

genya 1971

中古市場で高値で取引されていましたが、現在はCDでBOX化され、
付属のDVDで映像を見ることもできます。

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頭脳警察1 - 1972.01.09 Sun









[sales data]
1975/12
[producer]
岩田廣之?
[member]
パンタ(vo/g)
トシ(per)




頭脳警察は1969年にパンタ(vo)/トシ(ds)/左右栄一(g)/粟野仁(b)の四人編成で結成。
(以後解散まで17回のメンバーチェンジが行われたとのこと(笑)

western carnival happy end

日劇マスターベーション事件や三田祭はっぴいえんどステージ占拠事件、
三里塚の幻野祭参加など「過激さ(反体制)」がネックとなり、
レコード会社は契約に及び腰でしたが、当時ビクター音楽産業の岩田廣之氏
(のちのユニバーサル・ミュージックの会長)がメジャー契約を取り付けます。
岩田氏談
「ギターを弾く指から血を噴き出して叫ぶパンタは、誰の目にも正義の味方だった」

all japan rock and roll festival

[All Japan ROCK & ROLL Festival]
・1972年1月9日(京都府立体育館)
・1972年1月10日(東京都立体育館)

本アルバムは、両日のライヴ音源の編集で1972年リリース予定でしたが、制作途中で
レコード会社の自主規制で発売中止となり幻のデビュー盤としてお蔵入りしますが
頭警が解散したタイミング(1975年)でアーチスト公認海賊盤としてBE WITCHという
インディーズレーベルから限定発売されたため邦楽アルバムでは入手最難関のアルバムとして
知られていましたが、2001年、頭脳警察の再始動に合わせてCD化されました。

zunoukeisatu1.jpg

時価100万円はするといわれた幻のアナログ音源を最初に聴いたのはパンタフリークの友人が
御茶ノ水あたりの怪しい店で購入したカセットをダビングしてもらったものでした。
頭警のイメージは世界革命戦争宣言一発で「反体制」というイメージになってしまい
近寄りがたい存在(というか音源がなかった)だったのですが、1990年の再結成を機に
放送禁止用語にピー音をかぶせた形で他の頭警の旧作も続々リリース。
(1990年に500セット限定で再プレスされたアナログBOXはP音が外れています)

zunoukeisatu box




[いち彦氏のコメント転記]

その友人です(笑)
正確には、確か新宿のレンタルレコード屋で、
”レコードからダビングしたカセットテープ”をレンタルしてたんですな。
「頭脳警察1」以外にも廃盤系の名盤が何枚テープでレンタルされたような
気がします。
当時はレコードだったので、盤が痛むとか、あるいは盗まれちゃうって
ことで、そんな商売も成り立ってたんですかね。

「1」に関しては、あまりにも期待が高すぎたこともあり、
また、ライブ録音による音のショボさもあって、
今イチピンとこなかったのが正直なところで、
むしろ「セカンド」(これも一時廃盤だった)の方が
「頭脳警察」だ!と思った事を覚えてます。

パンタは頭脳警察のイメージがつき過ぎちゃったけど、その本質は
優れたメロディーメーカーだったんじゃないかと思います。
でも、還暦過ぎた今も頭脳警察やっている、その変わらなさが
素晴らしいですね。

頭脳警察2 - 1972.05.05 Fri









[sales data]
1972/5/5
[producer]
岩田廣之
[member]
パンタ(vo/g)
トシ(per)
増尾光治(b)
山崎隆史(g/b)
*****
吉田美奈子(fl/org)




当時、まだ下火といっても学生運動の余波があり、左翼的な歌詞?がレコ倫に抵触し
発売後一ヶ月で店頭回収>発禁。

ちなみに私が一番最初に聴いた頭警の曲は何かのフォークオムニバス集に収録されていた
「いとこの結婚式」(シングル)だったのでこのバンドのどこが過激なのか
不思議に思ったものでした(笑)

zunoukeusatsu EP

本アルバム制作時点で既にパンタの世界観は明快で捨て曲なしの濃密な内容。
最近、思想・言論統制も緩和され?発禁処分されたアルバムはあまりないと思いますが
(ミュージシャンが麻薬などの不祥事を起こして自主規制の名の発禁は多いですが(苦笑)
再発された頭警の作品を一通り聴いて行くとこの頃はこの程度で発禁?と疑問に思うのは
今では予測できない重大事件・事故などを経験したため過激さに対する感覚が
麻痺しているのかな?と思うほど楽曲はアジテーション一辺倒ではないことが分かります。
演奏レベルは低いし、今の若い人が気軽に過激さを求めて聴くとドッチラ気でしょうけど
それでもパンタの言葉が現在も風化せず力強く伝わって来るのは真理を歌っているからです。

[それでも私は]の一節

愛と平和を叫ぶのが人生か
真実を求め続けるのが人生か
暖かい加護に包まれた幸せな人生か
お金をたくさん持った偉い奴になるのが人生か

わき出る涙に自分のことを聞いてみたけれど
自由な空に憩いの場所を聞いてみたけれど
涙も空も誰も何も教えてくれやしない
人は甘すぎるというだけさ

その日その日が固く結ばれていたならば
過去を失くして苦しみが消えるのならば
悩み苦しみ悲しむあなたを失わずに済むものを
こんな俺の行く道を導いてくれる奴等がいたならば

こんな俺にはわからねえ
生きるということが
幸せに生きる奴等と俺との間にある壁が何か
それでも俺は求め続ける
何かを何かを

この詩を読むと既にパンタのスタンスは政治的なこととおさらばしようと
しているのに、レコ倫は安易に発禁にし、バンドは言葉狩に対して「発禁上等!」と
逆にそれを売りにした反体制プロテスタント色をますます色濃くしたため
特異なバンド色のイメージだけが一人歩きしてしまい、CD化されるまでの長期間、
その音楽の本質が封印されて一部のマニアしか聴くことができず、
リアルタイムに正当評価されなかったのがとても残念です。
(吉田美奈子の名がクレジットされているのが何気にお洒落)

[飲み屋でとある友人との何気ない会話に見るパンタのパブリックイメージ]
縞梟「パンタのクリスタル・ナハトっていいよな?」
友人「パンタって、あの頭脳警察の・・・」

zunoukeisatsu.jpg

多分、彼が想起しているイメージはメットをかぶって角材持った
学生運動風のパンタなんだろうなと(笑)



[いち彦氏のコメント転記]

私はいわゆるスゥイート三部作からPANTAに入るという
珍しいタイプだったので、”頭脳警察”の心理的敷居は高かったです。
で、初めて購入したのがこのセカンド(再発のアナログ盤でした)。
実際には全然違和感なく聴けたのを覚えてます。
頭警を解散したのもパブリックイメージから脱したかったからだし、
やっぱりそういう時代だった、という事なんでしょうね。

PANTAも後のインタビューで売れることへの素直な思いを吐露したり
してますが、もし間違って一発ヒットが出てたりしたら、
今に続く軸のぶれない音楽活動が出来ていたのかな?と思うと、
何が良いのかどうか、難しいところですね。

頭脳警察3 - 1972.10.15 Sun









[sales data]
1972/10
[producer]
岩田廣之
[member]
パンタ(vo/g)
トシ(per)
*****
石間秀樹(g)
市川ひでお(key)




この頃パンタの楽曲作りのバイタリティは半端なく、発禁になったセカンドの穴埋めに
僅か5ヶ月で制作されたサードアルバム。

ジャケ表は中村雅俊かと(裏のトシの写真もちょっと(笑)

zunoukeisatsu3.jpg

前作までの反社会的ソングが控えめになり、パンタは内向的世界に向かう傾向を見せています。
凱旋帰国したばかりのフラワー・トラヴェリン・バンドの石間秀樹氏が客演で
ザッパなギターを披露しているのも聴き物です。


誕生/頭脳警察 - 1973.04.05 Thu









[sales data]
1973年4月5日
[producer]
岩田廣之
[member]
パンタ(vo/g)
馬飼野康二(key/strings)
武部秀明(b)
田中清司(ds)




このアルバム(4th)からアルバム固有タイトルが付けられました。

このアルバムレヴューをするため詳細を調べるまで知らなかったのですが、
この頃、頭警からトシが一時脱退していたとのことでアルバムは不参加。
(実質的にはパンタのソロ第一弾?)

「あなた方の心の中に黒く色どられていない処があったらすぐ電話をして下さい」
劇団音楽風の捻った曲名や歌謡曲ヒットメーカーの馬飼野康二氏が全曲編曲を担当した
ストリングスアレンジなど初期のアジテーションな頭警のイメージとは全く異なる作風です。

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