2017-09

Lifetime/Tony Williams - 1964.08.21 Fri









[sales data]
1964
(Rec:1964/8/21&24)
[producer]
Alfred Lion
[member]
Tony Williams(ds/etc)
Sam Rivers(sax)
Bobby Hutcherson
(vibes/marimba)
Herbie Hancock(p)
Ron Carter(b)
Richard Davis(b)
Gary Peacock(b)




若干17歳でマイルスのドラマーに抜擢され、

[1963年]
Seven Steps To Heaven
Miles Davis in Europe
[1964年]
My Funny Valentine
Four & More
Miles in Tokyo
Miles in Berlin

僅か2年で数々の名演を叩き出し、世界中が注目する中リリースされた初リーダー作品。

耳心地良いメロディや軽快なリズムなどを期待したら見事に裏切られます(苦笑)
「良い」「悪い」ではなく「解る」「解らない」という質のアルバムです。
(EMERGENCYの難解さが可愛く思えるほど難解(笑)

曲名はあるが「楽譜」というものがあるのかどうかすら解らない完全フリーフォームです。
興味深かったのは4曲目のmemoryのフリー演奏。
これはクリムゾンが拝借してmoon childの間奏に取り入れたアイディアではないでしょうか。
BARB'S SONG TO THE WIAZRDはハンコックのピアノとロン・カーターのベースのデュオ演奏で
驚くことにトニー自身は楽曲提供のみで演奏には参加してないんですね。
ドラマーのこういう表現方法もあるのかと思うも、天才の考えることは
どうもよく解らないというのが正直なところ。



まだ、体内に潜むリズムを表現するトニーの奥深さを楽しむレベルに到達できてないのですが
色々と史実を読んでおりますと、マイルス&ジミヘン&トニーの3人は
各人が求める音楽性の類似性からバンドを組む可能性は極めて高かったそうで
これは聴いてみたかったなと(至極残念)
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Emergency/Tony Williams Lifetime - 1969.05.26 Mon









[sales data]
1969
(REC:1969/5/26&28)
[producer]
Monte Kay
Jack Lewis
[member]
Tony Williams(ds)
John McLaughlin(g)
Larry Young(org)




Recorded at Olmstead Sound Studios, New York City, May 26 & 28, 1969.

物の本によるとマイルスのビッチェズ・ブリューと双璧を成すとかJazzRockの金字塔と
称されるとか高評価な作品ですが色々な点でぶっ飛んだ内容です(笑)

JAZZとROCKがお互いの距離を縮めようと模索していた時期、トニー・ウィリアムスは
ジミヘンとクリームに刺激を受けて(ラリー・ヤングはこのライフタイムの初音合わせの
2週間前にジミヘンのセッションNine To The Universeに参加)
それまで自分がいた世界(マイルスグループ)とは異なる空間を創造するため
エレクトリックをやろうと決心したとのことですが、一番意識していたのは意外にも
ビートPOPのビートルズだったそうで、
トニー曰く
「ヘンドリックスは潜在意識にあったかもしれないが一番意識したのはビートルズだった。
ビートルズが好きだというとくだらないと笑われたものだが、彼らの歌、彼らの歌唱法、
それに彼らの馬鹿馬鹿しいほどのエネルギーに注目した。
僕の気持ちは他のバンドでそんなやり方を試したいと思うほどに高まっていった。
つまり僕は自分の欲する物が分かっていてそれを手に入れる1番の方法を探していたんだよ」

この頃のマクラフリンはその卓越した演奏力から人気のセッションマンして活躍し、
ウェイン・ショーター,ミロスラフ・ビトウス,ラリー・コリエル,カーラ・ブレイ
そしてマイルスのビッチェズ・ブリューといったジャズ名盤に多数参加することになるのですが、
マクラフリンの回想によるとライフタイムに参加したいきさつはデイヴ・ホランドから
「トニーがあんたと話したがっている」という電話があり、マイルスのIn a silent way録音中に
猛アプローチがあり同じようにマイルスからもバンド参加を誘われていて悩んだ末に
自分で書きためた楽曲を演奏するチャンスはマイルスよりもトニーの方が多いと考え、
ライフライム参加を決めたそうです。
マクラフリン曰く
「トニーがテンポを取って演奏すると初めて人がテンポを取ってプレイするのを
聞いたような気にさせられる。それは完全で極めて刺激的だったから、
彼のやり方で考え彼の時間の捉え方を学ぶ必要があった。
僕がトニーから学んだことの一つは呼吸でテンポに息を合わせることだったよ。
マイルスもそんな演奏のやり方の達人だよ」

アルバムの内容は冒頭のトニー曰くのビートルズの「ビ」の字もないサウンドなので
頭で理解しようとすると難解なサウンドの洪水ですが、ただただ3人の織り成す
エネルギッシュなリズムの世界に身をあずけていれば良いのかなと。
このアルバムの難点である録音状態についてエンジニアのフィル・シャープによると
当時出始めのディストーションエフェクトに興味津々のマクラフリンが
ガンガンにギターの音を歪ませたためマクラフリンの録音チャンネル以外の
他チャンネル全てにディストーションがかかるという録音上のミスが発生し
編集の際ノイズを最小限にせざるをえなかったため会場録りのような音源になってしまい
現在の最新技術を駆使してもいかんともしがたいようです(笑)

turn it over/Tony Williams Lifetime - 1970.02.15 Sun









[sales data]
1970
(REC:February)
[producer]
Tony Williams
[member]
Tony Williams(ds/vo)
John McLaughlin(g)
Larry Young(org)
Jack Bruce(b/vo)


turn it over



Recorded at Olmstead Sound Studios, New York February 1970

曲解釈不要でただただノイジーで暴力的な音楽を欲する人には最適な1枚です。
(トニー、マクラフリン、ヤングの楽曲の他、コルトレーンのカバー
そしてチック・コリアが提供した2曲をズタズタに切り裂いています。
むしゃくしゃした時の鬱憤晴らしのBGMで最適なのはこのアルバムと
ベルベットのWHITE LIGHT/WHITE HEATで決まり(ジャケットも似てるし(笑)



当時のJAZZシーンでは完全に異端扱いの黙殺状態でレコード会社はウッドストック世代の
ロックファンの気を引くためマクラフリンつながりでジャック・ブルースを加え
ロックフォーマットで歩み寄りますが、最先端を好むプログレッシヴな一部のファンの支持を
受けるもののセールス的な成功には程遠い結果だったようです。
(CDのボーナストラックとして収録されたOne Wordのボーカルは
ジャック・ブルースで後にマハビシュヌの火の鳥にリテイク収録されました)

トニー・ウィリアムスはロックが演りたかったというよりJAZZだROCKだとジャンルに縛られない
音世界を目指していたと思うのですが「金のためにジャズを捨てるのか!」といった
ファンの批判に悩んでいた時期で又より精神性の高い音楽を目指し
マハビシュヌ・オーケストラ結成のためマクラフリンが脱退してしまい、
目指すべき理想の音世界は方向性を見失いしばらく低迷することとなります。

Ego/Tony Williams Lifetime - 1971.05.15 Sat









[sales data]
1971/5
[producer]
Tony Williams
Jack Lewis
[member]
Tony Williams(ds/vo)
Ted Dunbar(g)
Larry Young(org)
Ron Carter(b/cello)
Don Alias(per)
Warren Smith(per)
Jack Bruce(vo)




ライフタイム名義では3枚目。

Ted-Dunbar.jpg

マハビシュヌ結成のため抜けてしまったマクラフリンの代わりに加入したギタリスト
テッド・ダンバーという方はお初だったので調べてみると、大学で薬剤師として学び
神秘主義を研究する数秘術師という変わり者です(笑)
1970~1973年にギル・エヴァンス、バーナード・パーディ、サム・リバーズなど
JAZZ系のアルバムに複数参加していますが、ソロアルバムは3枚と少なく、
主な仕事は大学教授としてJAZZの講義をしていたようです(1998年5月29日没)



前2作はノイージーで暴力的な内容でしたが、トニー・ウィリアムスがPOPな一面に
興味を示し始め、フリーフォーム系からメロディを用いた曲が収録されはじめ
音楽スタイルに変化が現れた作品です。
トニーのアルバムはいつも何ともいえない不気味な雰囲気があるんですが、
これラリー・ヤングの陰気なオルガンの音色のせいですね(笑)



トニーがボーカルをとる「there comes a time」はギル・エバンス・オーケストラの
「時の歩廊」のメーン曲オリジナルだそうです。

Lost Wildife Tapes/Tony Williams(New Lifetime) - 1975.01.01 Wed









[rec data]
Recorded at Stockholm Studio,
Sweden,1975
[member]
Tony Williams(ds)
Jack Bruce(b)
Allan Holdsworth(g)
Webster Lewis(key)
Laura Logan(vo)

Tony Williams New Lifetime


[収録曲]
1.Scirocco
2.Hot And Sticky
3.Little Zorro
4.Happy Tears
5.The Spirit(>Fredのプロトタイプ)

LIFETIMEでマクラフリンと精神音楽世界に没入したトニー・ウィリアムスが
ポリドール>コロンビア移籍で装い新たに第二期ライフタイム本格始動前に行われた
「ストックホルム・セッション」と呼ばれる音源です。

ホールズワースが参加することになった経緯はturn it overに参加したジャック・ブルースが
ジョン・ハイズマンに紹介してもらって連れて来た流れかなと推測してましたが
何でもアルフォンソ・ジョンソンの紹介で参加することになったようです。

冒頭ドラムとベースの不気味なイントロに女性ボーカルが入ってきて意表をつかれますが
アルバム全編で歌っているローラ・ローガンは前作のR&B色の強いファンク作



Old Bum's Rushにも参加しており、本作も同系の歌物にする予定だったのかもしれませんが
この音源はキーボードのオーバーダビングを施せば完成という段階まで来ていたのに
コロンビアがGOサインを出さず「お蔵入り」したため海賊盤でのみ聴くことができます。

クォリティ的にオフィシャルで十分通用する内容なので何とかトニー・ウィリアムスBOXなどで
公式発売にして欲しいところです。

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