New York City 76/Tony Williams Lifetime - 1976.09.22 Wed
[Live Data] 1976/9/22(Village Gate) 1976/9/29(Bottom line) [member] Tony Williams(ds) Allan Holdsworth(g) Alan Pasqua(key) Tony Newton(b) |
[収録曲]
1.Mr.Spock
2.Proto-Cosmos
3.Fred
4.Wildlife
5.Red Alert
(1~5 Sep.22,1976/The Village Gate NYC)
6.Mr.Spock
7.Proto-Cosmos
8.Fred
9.Wiledlife
(Sep.29,1976/The Bottom Line NYC)
Lifetimeのブート音源は少ないですね、そして音も悪い・・・
よく白熱した演奏を喧嘩バトルなどと形容しますが計算されたテクニカルな押したり引いたりの
演奏の応酬は見たり聴いたりする事はあるのですが、お互いが前に出て勢い任せで
火に油を注ぐような演奏というのは少ないのではないかと思います。
若き日のホールズワースがトニー・ウィリアムスに食ってかかる尖ったギターがまさにそれで
楽曲個々は出だしと終わりだけが決まってて後は自由に演ってくれ!
みたいな指示だったのかもしれませんが、メロディとかフレーズとか溜めとか強弱とか
ギターの泣き所(情緒)は一切無視の暴走モード演奏です(笑)
この面子でのライン録音の音源を見つけて是非公式ライヴ盤をリリースして欲しいところ。
The Great Jazz Trio at the Village Vanguard - 1977.02.20 Sun
[sales data] 1977 (Rec:1977/2/18,19,20) [producer] Kiyoshi Itoh Yasohachi Itoh [member] Hank Jones(p) Ron Carter(b) Tony Williams(ds) | vol.1 vol.2 |
1975年春、ヴィレッジ・ヴァンガードで誕生した「ザ・グレイト・ジャズ・トリオ」が
(バンドの命名者はヴァンガードの店主マックス・ゴードンさん)
1977年再びヴィレッジ・ヴァンガードに1週間出演した最後の3日間を録音し
編集されたライヴ盤です。
アルバムはお馴染みの大リーグの野球ジャケットで単2枚で切り売りされていましたが
最近は1枚のCDに収めたものもあります。
同時期のハンコックさんのピアノトリオと比較すると肩ひじ張らずに聴けるというか
それはライヴ会場の規模のせいもあると思うのですが、やはりスタジアム級の大会場で
ピアノトリオを堪能するのは無理があるのではないかなと(苦笑)
説明不要なほど名コンビ演奏を残しリズム以上の音の表現力に富んだトニー&ロンを
こんな小さな小屋で見れた人達をとても羨ましく思うのですが、トニーさんは
長年ライフタイムでロック寄りの演奏をしていたので繊細さが求められるジャズの演奏は
荒れるのではないかと思っていたのですが、そんなことは全くなくむしろトニーさんの
多彩なドラミングを楽しみたいならライフタイムよりもGJBの方がいいですね。
Carnaval/Ron Carter,Hank Jones,渡辺貞夫,Tony Williams - 1978.07.30 Sun
[sales data] 1983 (Rec:1978/7/30) [producer] Ed Michel [member] Ron Carter(b) 渡辺貞夫(sax) Hank Jones(p) Tony Williams(ds) |
1978年7月30日、東京田園コロシアムで行われた第二回ライヴ・アンダー・ザ・スカイ。
本イベントでのトニー・ウィリアムスさんは大張り切りで
・TONY WILLIAMS ALL STARS(ゲスト:ビリー・コブハム)
・McCOY TYNER TRIO
・RON CARTER QUARTET
・GALAXY SPECIAL
全ての出し物で叩いています(驚)
「GALAXY SPECIAL」はハンク・ジョーンズ、レッド・ガーランド、リチャード・デイヴィス、
ロン・カーター、チャーリー・スコット、ロイ・ヘインズ、トニー・ウィリアムス、WALTER WINN、
渡辺貞夫とイベントの全出演者が合体したもので(マッコイさんは参加せず)
「Galaxy All-Stars In Tokyo」というものもあるようですが、本作は本イベントの中で
GJT+渡辺貞夫のカルテット音源をセレクトして1983年にGalaxyレーベルからCD化されたものです。
このCDをロン・カーターさんのアルバムとして紹介してあるものもあり、確かにカーターさんの
ブーストするベースは結構強調されているのですが、そんなこと言ったら日本代表の
ナベサダさんだって黙っちゃいないわけで、ナベサダさんのサックスイントロが始まる時の
会場の盛り上がりは凄いでっせ。
しかしこの日は「トニー・ウィリアムス感謝祭」であって、ジャズドラマーとは思えない
ドカスカのドラムブレイクでもの凄い歓声が沸き上がっています(笑)
The Joy Of Flying/Tony Williams - 1978.09.15 Fri
ロック寄りの「ライフタイム」からV.S.O.PやThe Great Jazz Trioなど本格的な
ジャズ活動に回帰しつつあったトニー・ウィリアムスさんのコロンビア期最後のアルバム。
個人的にライフタイム後のトニー・ウィリアムスさんのソロ作品は特に理由もなく追うのを
止めてしまっていたのですが、V.S.O.PやGJTのダイナマイトドラムを聴いて
再びトニー熱が上昇しライフタイム後のトニーさん作品の開拓も再開することとしました。
ヤン・ハマー、マイケル・ブレッカー、ジョージ・ベンソン、ハービー・ハンコック、
スタンリー・クラーク、デヴィッド・サンボーン、トム・スコットなど当時の人気者が
総動員されているフュージョン作品ですが、風変わりなのは
1978年7月27日、東京田園コロシアムで行われた第二回ライヴ・アンダー・ザ・スカイで
「ニュー・ライフタイム」ともいえる「トニー・ウィリアムス・オールスターズ」
(ロニー・モントローズ、ブライアン・オーガー、マリオ・シポリーナ)で完全ロック武装で演奏した
モントローズの「Open Fire」が収録されていたり、フリー・ジャズの巨星セシル・テイラーさんとの
デュオなど色々なタイプの曲を詰め込んでいるため少々内容的にはとっちらかっていますが
とても楽しい作品だと思います。
Foreign Intrigue/Tony Williams - 1985.06.15 Sat
[sales data] 1985 (Rec:1985/6) [producer] Tony Williams Michael Cuscuna [member] Tony Williams(ds) Ron Carter(b) Donald Harrison(sax) Wallace Roney(tp) Mulgrew Miller(p) Bobby Hutcherson(vibes) |
トニーさんは80年代に入り、ソロ活動がめっきり少なくなっていましたが、
1985年、ブルーノート・レーベル(BN)が復活した際にBNの第一弾として発表された作品です。
共同プロデューサーのマイケル・カスクーナさん談
「60年代のブルーノートサウンドを80年代に蘇生させることを意図した」
BNはトニーさんと同期するように1979年に新録は停止していましたが、1985年に新体制で
ジャズ・レーベルとして復活し、GRP?と思うようなジャケットからしてライオンさんの時代とは異なった
新しいBNの方向性を感じるサウンドでこの作品のタイトル曲の出だしにシンセドラムが
入っているので嫌な予感がしましたが、全体的には通常ドラムでドスバス叩いており安心しました。
(わざわざシンセドラムを入れなくても良かったと思いますけど・・・)
全曲、トニーさんのオリジナルですが、トニーさんの作品の中でもsongwritingの良さは
1、2を争うのではないでしょうか。
しかし新生BNの作品はあまり積極的に再プレスされず、本作も中古市場で
ちらほら見かける程度ですが、それは往年のジャズファンの多くが新しいBNの方向性を歓迎せず
売り上げも伸びなかったからだと思いますが、1998年から始まったルディ・ヴァン・ゲルダーさんによる
24ビットリマスター・シリーズ「RVG Edition」は大好評を得て、多くのジャズファンが買い替えのため
過去のBN作品がどっと中古市場に流れ、安価な価格で発売されており、それをジャズを聴き始めた
縞梟がせっせと収集するという好循環が生まれています(笑)
Civilization/Tony Williams - 1987.01.15 Thu
[sales data] 1987 (Rec:1986/11/24,25,26) [producer] Tony Williams David Cale [member] Tony Williams(ds) Wallace Roney(tp) Billy Pierce(sax) Mulgrew Miller(p) Charnette Moffett(b) |
トニーさんの新生ブルーノート第二弾は全員がジャズ・メッセンジャーズ出身という経歴の
新伝承派の若手で固めたライフタイム以来のレギュラークインテットによる録音。
(全曲トニーさんのオリジナル)
本作は余計なシンセドラムは使用せず正統派ジャズを貫いた内容です。
あくまで主役として歌うようなトニーさんのバチ裁きが十分楽しめますが
各メンバーのソロの聴かせ所があるためトータルバランスが取れておりドカドカうるさいだけの
作品では決してありません。
当時の若手だったメンバー全員は今はそれなりの実力者だということですが、
トニーさんの俺様ドラムに対抗できるほどまだ癖(個性)がないことが逆にバンド音として
まとまっているのかもしれません。
Angel Street/Tony Williams - 1988.04.06 Wed
[sales data] 1988 (Rec:1988/4/4-6) [producer] Tony Williams Jason Carsaro [member] Tony Williams(ds) Wallace Roney(tp) Bill Pierce(sax) Mulgrew Miller(p) Charnette Moffett(b) |
「Civilization」と同メンバーによるクインテット作品(全曲トニーさんのオリジナル)
前作はバランスのとれた内容でしたが本作は曲間に3曲ほど短いドラムソロが挿入されるなど
ドラムを前に出した作品です。
フロントのウォレス・ルーニーさんの信条は「マイルスのように吹くことが俺の幸せ」
だそうですが、このトニーさんのクインテットを聴いてマイルス時代を連想する人は
いないでしょうが、マルグリュー・ミラーさんのピアノがマッコイさんぽかったり
フュージョンライクなライフタイム以降のトニーさんに興味を失っていたジャズファンの
多くが待ち望んでいた音は帰ってきていると思います。
Native Heart/Tony Williams - 1989.09.13 Wed
[sales data] 1989 (Rec:1989/9/11-13) [producer] Tony Williams Bob Brockmann [member] Tonny Williams(ds) Wallace Roney(tp) Bill Pierce(sax) Mulgrew Miller(p) Ira Coleman(b) Bob Hurst(b) |
若い頃のトニー・ウィリアムスさんには先鋭的というイメージがありましたが
円熟味を増したこの頃、ベースは変わりましたがお馴染みに面子による安定の
ニュースタンダードです(全曲トニーさんオリジナル)
トニーさんは演奏力は言うまでもありませんが、楽曲センスがいいですよね。
ドラマーという職業柄リズムが主になりがちですが、トニーさんの場合は美メロも得意。
何かのインタビューでビートルズが大好きだという発言に驚いたことがありますが
ポップスセンスも持ち合わせた歌心に長けていたドラマーでした。
ギタリスト不在のジャズアルバムには見向きもしなかった自分が「リズム」重視で
音楽を聴くようになり、トニーさんのこのような作品に心ときめくように感性が
柔軟に変化するとは自分でもびっくりです(笑)
新生トニー・ウィリアムス・クインテットを楽しんでいるうちにウォレス・ルーニー、
ビル・ピアース、マルグリュー・ミラー周辺の作品も開拓するとより良いんだろうなと
ちょっと調べてみたらマルグリュー・ミラーさんは2013年に57歳で、ウォレス・ルーニーさんは
2020年にコロナ感染で亡くなられたとのことです(享年59歳)
親分のトニーさん(1997年-享年51歳)といい皆さんあまりに若くして亡くなられているのですが
現在も現役だったら未来につなぐいぶし銀ジャズを演奏していたと思うと残念ですね。
Mulgrew Miller (The Countdown)
Bill Pierce(give and take)
Wallace Roney(Verses)
The Story Of Neptune(ネプチューンの神話)/Tony Williams - 1991.12.03 Tue
[sales data] 1991 (Rec:1991/12/2&3) [producer] Tony Williams [member] Tony Williams(ds) Wallace Roney(tp) Bill Pierce(sax) Mulgrew Miller(p) Ira Coleman(b) |
この頃トニーさんはギリシャ神話に凝っていたのでしょうか?
最近のジャケットはそれっぽい感じのものが続いていましたが、本作は泉や河川、湖沼を司る
水の神=ネプチューン(ポセイドン)をテーマにした組曲を含む作品。
3楽章からなる大曲「ネプチューンの神話」の他カバー曲が3曲といつもと少々構成が異なり
サウンド面でも「ネプチューンの神話」は独特なリズムの刻みでジャズロック風です。
フレディ・ハバードのカバー「Birdlike」のドラムが格好良すぎ!
Tokyo Live 1992/Tony Williams - 1992.03.08 Sun
[sales data] 1992 (Rec:1992/3/2-8) [producer] Tony Williams [member] Tony Williams(ds) Wallace Roney(tp) Bill Pierce(sax) Mulgrew Miller(p) Ira Coleman(b) |
1986年に新生ブルーノートで始動したトニー・ウィリアムス・クインテットの
ブルーノート東京でのライヴ(1992/3/2-8)
ブルーノートの最終作ということもあり、10分以上の長曲が多数収録された
集大成的セットリストでtotal141分のメガ盛のライヴ盤です。
ライナーにも記されていますが、ドラマーがリーダーのコンボは難しいと考えられていますが
トニーのこのクインテットとジャック・ディジョネットのスペシャル・エディションの二つは
クリフォード・ブラウン~マックス・ローチ以来の成功例と考えられているようです。
成功例の秘訣はトニーが部類の作曲好きということもあり、本作でもビートルズのカバー曲を
のぞきすべてトニーオリジナルで、ドラマーの中でこれだけの高い作曲能力を有したのは
トニーさんぐらいではないかと思います。
とにかくトニーさんの生ドラムをブルーノートみたいな間近な空間で観れた方が
とても羨ましいです。