2017-06

The Thought of Emerlist Davjack(ナイスの思想)/THE NICE - 1968.01.15 Mon









[sales data]
1968/1
[producer]
Emerlist Davjack
[member]
Keith Emerson(key)
David O'List(g)
Lee Jackson(b/vo)
Brian Davison(ds)




キース・エマーソンは8歳の頃よりピアノを始め、スウィング系オーケストラで
ジャズピアノを担当し、ジャズトリオでクラブ演奏を行い1963年末に
キース・エマーソン・トリオ(友人のゴドフリー・シェパード(b)デイビッド・キーン(ds)で
初レコーディング。



学校卒業後、銀行に就職するも音楽活動を優先し就業規則に触れ?解雇。


(Gary Farr & The T-Bones)


(The V.I.P.'s)

その後、ジョン・ブラウンズ・ボディーズ~ゲイリー・ファー&T・ボーンズ~The V.I.P.'sと
(The V.I.P.'sはゲイリー・ライトが加わりスプーキー・トゥースに発展)
バンドを渡り歩き、1966年頃スウィンギン・ロンドンの歌姫P.P.アーノルドのバックバンドとして
The Niceが結成されます。



当初は「パット・アーノルド・アンド・ハー・ナイス」として活動を開始し
(ステージの半分はナイス単独のライブ演奏だったようです)
ミック・ジャガーがプロデュースしたThe First Lady Of Immediateでも3曲演奏。



その後アーノルドは同じイミディエイトのスモール・フェイセズのメンバーと連るみ
(スティーヴ・マリオットとは恋仲に)リハーサルやステージに来なくなったことから
1967年9月ナイスはバンドとして独立。

the nice

結成時点ではギターを含む4人編成だったんですね。
私は3rdからしか聴いてなかったので今までず~っとトリオ編成だと思っていましたが
確かにジャケットに4人写ってますね(失礼しました)

60年代後期のサイケな香りがプンプンしてエマーソンのクラシカルなキーボードは
プログレッシヴ・ロック誕生前の初々しさを感じます。
デビッド・オリストの荒々しいギターが結構前に出ていてエマーソンとのからみは
なかなか面白いと思います。
このアルバム制作後デビッド・オリストが脱退しスティーヴ・ハウを加入させる話が
あったようですが没となりギターレスなキーボードトリオ編成となります。

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Ars Longa Vita Brevis(少年易老学難成)/THE NICE - 1968.11.15 Fri









[sales data]
1968/11
[producer]
The Nice
[member]
Keith Emerson(key)
Lee Jackson(b/vo)
Brian Davison(ds)
*****
Malcolm Langstaff(g)
Robert Stewart(orchestral arrange)




原題は古代ギリシアのヒポクラテスの格言のラテン語訳で
日本語では「学芸は長し、生涯は短し、時機は速し、経験は危うし、判断は難し」という
意味なんだそうです。

ちなみに「少年易老学難成」という邦題をつけたのは当時東芝EMI名物ディレクターだった
石坂敬一氏(現日本レコード協会会長)
ピンフロの「原子心母」も石坂氏が命名したものです)

哲学的なタイトルから想起されるような難解な曲は少なく本作からギターレスとなったため、
前作のサイケサウンドからエマーソンの野望「ロックとクラシックの融合」に力点がおかれ
E,L&Pの源流を感じる2ndアルバム。

オーケストラアレンジを担当しているローバート・スチューワートさんの音使いが嫌味なく
ロックとクラシックが上手くブレンドされていると思います。

(ジャズ+クラシック)÷ロック=ナイス/THE NICE - 1969.09.15 Mon









[sales data]
1969/9
[producer]
The Nice
[member]
Keith Emerson(key)
Lee Jackson(b/vo)
Brian Davison(ds)
*****
Alan Skidmore(sax)
Joe Harriot(sax)
Chris Pine(trombone)
Kenny Wheeler(tp)




60年代後半、様々な音楽ジャンルとの複合を試みていた実験的な内容で
ロックという柔軟な体質をダイレクトに表現しており、For Exampleでは
英国のジャズ・ミュージシャンのホーンを入れ、さらに音楽性を拡大するなど
概ねプログレを説明する時の公式がこんなタイトルになるのかなと(笑)

エマーソンの奏法や音色は一聴して分かるのでもう既にこの時点で完成している感じがします。
アナログB面は米公演、フィルモア・イーストのライヴ(エンジニアはエディ・クレイマー)
(ボブ・ディランの曲をカバーしているのはエマーソンがボブ・ディランのファンだからです)

この後ナイスはイミディエイトからカリスマレコードに移籍しますが
エマーソンと他の二人と大きく実力差がついてしまいバンド解散は時間の問題と
いったところでしょうか。

Atomic Rooster - 1970.02.15 Sun









[sales data]
1970/2
[producer]
Atomic Rooster
Tony Colton
[member]
Vincent Crane(hammond/p)
Nick Graham(vo/b/g/fl)
Carl Palmer(ds/per)
*****
John Du Cann(g/vo)-US version






アトミック・ルースターはE,L&Pのカール・パーマーが在籍していたバンドということで
取り上げられることが多いですが、クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン
在籍していたヴィンセント・クレイン(key)とカール・パーマー(ds)が中心になって
結成したバンドでオルガンロックの金字塔と称される作品です。

ヴィンセント・クレイン談
「ギターがメインのハード・ロックをキーボードメインで演奏する」

ハモンドの色音のせいでキース・エマーソンのザ・ナイスと類似点も多いのですが
私はE,L&Pというのはキース・エマーソンのサウンドで固めたバンドだと思っていたのですが
カール・パーマーの一聴してそれと分かる個性的なドラミング(リズムが走る(笑)が
E,L&Pの重要なサウンド因子だったこと気づかされる1枚です。

このバンドはギタリストが存在し(ニック・グラハム~ジョン・カーン)
プログレというよりハードロック色が強く又後年クリス・ファーロウが参加した時期は
ソウル、ファンク色が強く、活動時期によってサウンド色が異なり面白いです。



US盤仕様はジョン・カーンのギターがオーバーダブされています

Five Bridges/THE NICE - 1970.06.15 Mon









[sales data]
1970/6
[producer]
The Nice[
[member]
Keith Emerson(key)
Lee Jackson(b/vo)
Brian Davison(ds)
*****
Joseph Eger&symphnic of london
Joe Harriott(sax)
Peter King(sax)
Chris Pyne(trombone)
Alan Skidmore(sax)
John Warren(sax)
Kenny Wheeler(tp/flugelhorn)




1969/10/17フェアフィールド・ホールで行われたジョセフ・イーガー指揮の58人編成の
シンフォニック・オブ・ロンドン、ジョー・ハリオット率いるサックス&ブラスの
クインテッドという大所帯でのライヴ音源がメインでナイス解散の置き土産となりました。

bridges.jpg

表題曲はエマーソンが2週間で書き上げたアナログ時代はA面全てを使った大作で
ニューキャッスルの観光名所にもなっている川に架かる複数の橋をイメージしているようです。

エマーソン曰く
「音楽というのは本来ひとつであるべきなのにロックやクラシックなどそれぞれの分野に
分かれてしまっている。それをナイスとジョセフ・イーガーが「橋」を架けようとしたわけだ」

詩はニュー・キャッスル出身のリー・ジャクソンが書き
「他に吸い込む空気がなければ、空気の汚染について叫んでみても仕方ない。
それに他に仕事がなければ今の仕事に文句を言っても仕方ない」と
エマーソンの壮大なアイディアに反し幼少期を過ごした工業都市の内実を
皮肉る内容が盛り込まれています(笑)





ロックとクラシックの融合の試みは成功例を殆どみないまま現在を迎えているのも事実なのですが、
(歴史の浅いロックをクラシックが飲み込んでしまい未消化)
近年クラッシクがロックに逆アプローチして成功した例では「タルカス」などが挙げられますが
1969年という年代を考えると大変、野心に燃えた企画だったと思います。

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