2017-09

乙女の儚夢(ろまん)/あがた森魚 - 1972.09.10 Sun









[sales data]
1972/9/10
[producer]
三浦光紀?
[member]
あがた森魚
[はちみつぱい]
鈴木慶一(g)
渡辺勝(org)
和田博巳(b)
本田信介(g)
*****
森澄真理(bvo)
小坂陽子(bvo)
山野美和子(bvo)
遠藤賢司(bvo)
友部正人(spoon)
鈴木茂(g)




♪ズンッタッタ♪ズンッタッタのジンタのリズムでお馴染みの?あがた森魚の2ndアルバム。



デビューアルバム(蓄音盤)は自主制作盤でしたが、本作はキングのベルウッドから
リリースされていますが、ベルウッドはキングの三浦光紀が手がけた
上條恒彦と六文銭の「出発のうた」が大ヒットしたことで、既成概念にとらわれない
新たなレーベルとして設立し、その記念すべき第一弾シングルが「赤色エレジー」。

img_0_20160226170512b05.jpg img_1_20160226170511f95.jpg

ベルウッドははっぴいえんど、六文銭、高田渡、加川良、シバ、ディランⅡなど
URC系SSWの質の高い名盤を多数、世に送り出した功績は大きく
「ベルウッドの軌跡」は当時の音楽を理解する読み物としても大変面白いです。
(参考)希代のコンセプト・メーカー



あがたさんのプロフィールを簡単にご紹介すると北海度の留萌生まれで父親が漁師だった
ことから、小樽~青森~函館と港町を転々とする少年時代を過ごし、高校卒業と同時に
横浜へ上京し、1969年10月28日御茶ノ水全電通ホールで行われた「ロックはバリケードをめざす」で
早川義夫、エイプリル・フール、遠藤賢司の演奏に刺激を受け(特に早川義夫にショックを
受けたとのことです)「自分も何かをやらなくちゃいけない」と音楽活動を本格化させ
早速URCのレコードオーディションを受け、その対応をした早川義夫氏と懇意となり
URCでレコード化の話が進むも早川氏が退社してしまったため計画は没となったようです。

そしてあがた音楽のキャリアを語る上で外すことのできないのが鈴木慶一氏との出会いで
学園紛争にうんざりして明治大学を辞め、蒲田の野村証券でバイトをしていたある日
「ウチにも音楽をやってる息子がいるから遊びに来なさい」と声をかけたパートのおばさんが
鈴木慶一のお母さん。
あがたが鈴木の家を初めて訪問する時電話で道順を尋ねると「ザッパのフリーク・アウトを
フルボリュームでかけている家がありますから、そこへお入りください」と告げられ、
家にたどり着くとそこにはパジャマ姿で無精ひげを生やした自閉症気味の少年(当時高校3年生)が
ソファーにゴロゴロして彼を待っていたそうです。

大正ロマンをアルバムコンセプトとした異色作で、共同制作したはちみつぱいの演奏が
あがた色を十二分に引き出し、その歌唱はスピリチュアルな魅力に満ち溢れています。
(「ぴゅあなオリジナリティ」という点で100点満点です)
このアルバムを聴けば間違った小さな公式「あがた森魚=赤色エレジー」を遥かに超えた
懐の深いあがた音楽の魅力に気づかせてくれるはずです。



尚、この作品を色々調べてみるとフェアポート・コンベンション「フルハウス」を
アルバムの元ネタにしているとのことです。

fullhouse.jpg
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噫無情(レ・ミゼラブル)/あがた森魚 - 1974.03.25 Mon









[sales data]
1974/3/25
[producer]
松本隆
[member]
あがた森魚(vo)
松本隆(ds/per)
鈴木茂(g)
鈴木博文(b)
後藤次利(b)
橿渕哲郎(ds)
鈴木慶一(p)
岡田徹(p/key)
矢野誠(p/key)
緑魔子(vo)
クジラ(vl)




前作に続く大正ロマン路線で「キネマ」をキーワードにしたトータルアルバム。

あがたさんは鈴木慶一さんやはっぴいえんどメンバーと親交が深く、本作は松本隆さんプロデュース、
日本少年は細野晴臣さんプロデュース、僕は天使ぢゃないよ(大瀧詠一さんとの共同制作)

センチメンタリズムとポップスを融合させ「赤色エレジー」のジメジメしたイメージを
払拭したのは、あがたさんの音楽と歌詞のコラージュを完璧なまでにコントロールした松本隆さんと
前作のジプシーバンドのそれとは異なるストリングスアレンジで彩った矢野誠のセンスが光ります。



同時期に松本隆プロデュース&矢野誠アレンジで南 佳孝の「摩天楼のヒロイン」が
リリースされたことから2011年埼玉県富士見市の文化会館、キラリ☆ふじみのメインホールで
「摩天楼のヒロイン」と「噫無情(レ・ミゼラブル)」をほぼ録音メンバーによって再現する
1974(イチキューナナヨン)>と題したコンサートが行われました。

第一夜<摩天楼のヒロイン>
●日時:5月14日(土曜)
●出演:南佳孝、上原'YUKARI'裕、小原礼、鈴木茂、駒沢裕城、武川雅寛、矢野誠



●第二夜<噫無情>
●日時:5月15日(日曜)
●出演:あがた森魚、鈴木慶一、駒沢裕城、鈴木博文、鈴木茂、武川雅寛、上原'YUKARI'裕、
    緑魔子、矢野誠

また、2013年に本作の40周年記念コンサートも開催されています。

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●出演あがた森魚/駒沢裕城/白井良明/鈴木茂/鈴木博文/武川雅寛/矢野誠/矢部浩志

僕は天使ぢゃないよ/あがた森魚 & 大瀧詠一 - 1975.12.05 Fri









[sales data]
1975/12/5
[producer]
あがた森魚
大瀧詠一
[member]
あがた森魚
大瀧詠一
松本隆
矢野誠
西岡恭蔵
ティン・パン・アレー
はちみつぱい
(友部正人)




「人生は映画館、確かなものは自分の脳ミソの中」という「噫無情(レ・ミゼラブル)」制作頃より映画制作を計画し、
あがたさんの大ヒット曲にインスパイを与えた原作「赤色エレジー」(ガロ連載の林静ーの漫画)を



映画化し1974年に制作されたあがた森魚監督の自主映画サントラ。
(映画自体は1977年春以降、自主上映の形で公開されたようです)



テーマ曲「僕は天使ぢゃないよ」(あがた+ティンパン)とインスト曲以外は
既出の楽曲なので、多くの人が飛びつくような作品ではありませんが
手っ取り早くあがた周辺(大瀧、ティンパン、はちみつぱい)を聴きたいという方には
入門編としていいかもしれません。
ただはっぴいえんどが好きな人は「僕は天使ぢゃないよ」聴きたさに
結局、マキシCDのつもりで購入しちゃうんでしょうけど(笑)



尚、映画で使用された友部正人の「夕暮れ」は本盤に収録されていませんが
大名盤「また見つけたよ」に収録されています。

日本少年(ヂパング・ボーイ)/あがた森魚 - 1976.01.25 Sun









[sales data]
1976/1/25
[producer]
細野晴臣
[member]
矢野誠(key)
矢野顕子(key)
<ムーンライダース>
(鈴木慶一(g)鈴木博文(b)
かしぶち哲郎(ds)岡田徹(p)
椎名和夫(g)武川雅寛)
<ラストショウ>
(島村英司(ds)平野融(b)
徳武弘文(g)松田幸一(hca)
駒沢宏季(steel g)
本田信介(g)
鈴木茂(g)
大貫妙子(bvo)
山下達郎(bvo)
鈴木翁二(ジャケット画)

agata.jpg



agata2.jpg

70年代の洋楽は意欲的なサウンド革新志向の高いアーチストがビートルズの
「サージェント・ペパーズ」を規範にトータル性のあるアルバム制作に取り組みますが
日本ではこのアプローチは受け入れにくい環境(シングルヒット曲があってナンボという
貧困な発想)なのですがあがた氏の場合は逆にシングル「赤色エレジー」の大ヒットが
ジレンマとして肥大化し、その反発としてアルバム制作時は一貫して一本の映画のような
作風にこだわり続けた本作は、プロデュースを担当した細野さんが当時強く影響を受けた
ヴァン・ダイク・パークスのソング・サイクルの手法を用い、あがたさん自身が少年期を
過ごした函館への憧憬とフィクション性を織り交ぜた物語性のある集大成作品。



尚、このアルバムに参加している矢野顕子は本アルバムのアンサーアルバムの
「JAPANESE GIRL」でプロデビューします。

yano.jpg

独創的なジャケット画は安部慎一、古川益三と並び「ガロ三羽烏」と称される鈴木翁二氏で
代表作「オートバイ少女」はあがた森魚氏監督で映画にもなりました。

君のことすきなんだ/あがた森魚 - 1977.08.25 Thu









[sales data]
1977/8/25
[producer]
矢野誠
[member]
あがた森魚(vo)
駒沢宏季(steel g)
矢野顕子(p)
小原礼(b)
浜口茂外也(per)
Martine Willweber(ds/per)
渡嘉敷祐一(ds)
大村憲司(g)
矢野誠(strings arrangement)
松武秀樹(synthe)
鈴木慶一(synthe)
岡田徹(moog)
武川雅寛(vl)
椎名和夫(g)
橿渕哲郎(moog ds)
鈴木博文(b)

agata_20170109220545626.jpg


今までの文芸作品風アルバムジャケットとはうって変わって上半身裸です(笑)

オープングの早川義夫「サルビアの花」のカバーから調子外れなアレンジで始まるのですが
このアルバムは「リズム実験の試作品」だったようでプロデューサの矢野誠談

「あがたくんの「君のこと好きなんだ」はセネガルのリズムに興味を持ってたころで、
8ビートじゃない、アフリカ的なリズムの組み立てにトライしてた。
いま聴くと全然わかってない感じだし、あのアルバムからアフリカをイメージする人は
まずいないと思うけど、いろいろ試してみてたのは事実なんですよ」

バックメンバーも今までのはっぴいえんど&はちみつぱい路線を外れ、シンセブームを
先取りしたメンバーが中心となり、赤色エレジーなあがたのイメージをリニューアルする意図が
あったようですが、フュージョン的な都会的なアプローチと今までのあがたとのミスマッチな印象が
浮き上がってしまい、結果的に失敗作と考えられていますが、例えばこの作風を
南佳孝が演ったら結構はまりそうな感じがして、歌い手があがたさんだと思わないで
聴けばなかなかの好作品だと思います(笑)

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