2017-09

デヴィッド・ボウイ/David Bowie - 1967.06.01 Thu









[sales data]
1967/6/1
[producer]
Mike Vernon
[member]
David Bowie(vo/g/sax)
Derek Boyes(org)
Dek Fearnley(b/orchestral arrangement)
John Eager(ds)




デヴィッド・ボウイは元々はサックス奏者としてプロの道に入り幾つかのバンドを渡り歩くも
ヒット曲に恵まれず、一般的にボウイのソロデビュー作品はSPACE ODDITYと思われていて
ファンの間でも殆ど話題にならない理由が良く分かる感じのデビューアルバム。

プロデュースは英国ブルース・ブームの火付け役マイク・ヴァーノンで
意外にもボウイさんのデビュー時のレーベルはDECAのデラムだったんですね。
この頃はビートルズのサージェント・ペパーズに刺激され多くのアーチストが実験的なアルバムを
リリースすることに意欲的だった時期ですが、特に取り立ててこれといった「特徴」がない
朴訥としたフォークロック小作品集です(イメージ的にドノヴァンに近い感じです)

david_bowie2.jpg

又短編映画「イメージ」で役者デビューも果たし、この頃、ボウイのその後を決定づける
パントマイム師リンゼイ・ケンプ氏と出会っています。

ボウイ談
「一緒にいることで、計り知れないほどのものを彼から学んだ。
リンゼイがコクトーやシアター・オブ・アブソード、アントナン・アルトーのことを教えてくれた。
又人々の期待を敢えて逆らうことも教えてくれた。
それは時として、ただ驚かすためだけに、また時として人々を教育する力ともなるのだ。
彼は芸術を実験台にするというアイディアを与えてくれた。
実生活ではやらないようなことができ、危険を冒せる。
芸術を実験の場として使い、その中から新しいライフ・スタイルを見つけ出すんだ」



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Space Oddity/David Bowie - 1969.11.04 Tue









[sales data]
1969/11/4
[producer]
Tony Visconti
Gus Dudgeon
[member]
David Bowie(vo/g/etc)
Rick Wakeman(mellotron/key)
Terry Cox(ds)
Tim Renwick(g)
Keith Christmas(g)
Mick Wayne(g)
Tony Visconti(b/fl/etc)
Herbie Flowers(b)
Benny Marshall and friends
(harmonica)
Paul Buckmaster(cello)




朴訥としたデビュー作がひっそり発売され、時流にも乗らず話題にもならず
泣かず飛ばずの2年間はチベット仏教に傾倒し、チベット難民の救済活動に参加したり
リンゼイ・ケンプの劇団でパントマイムの腕を磨いたりしていたそうですが
心機一転DECAからフィリップスに移籍して、1968年の公開映画「2001年宇宙の旅」に
インスパイアされた2nd。

DAVID_BOWIE_SPACE_ODDITY2.jpg

主人公トム君が月面着陸とともに己の無力さを感じ、広大な宇宙の果てへと漂流してしまう
肥大化するテクノロジーの近代化に対する強烈な批判をかましたと書けば簡単ですが
当時はアポロ11号が月面着陸成功に世界が浮かれモードだったわけですから
やはりボウイの時代を先読みする感性は鋭いですね。

2_201601122025176a5.jpg

先行シングルのスペース・オディテイはアポロ11号関連のTV特番のテーマ曲のように
何度もオンエアされボウイ人気を加速したということです。



PVには2種類ありボウイがジギーになってのバージョンが1972年に作られたようです



2012年のロンドン五輪開会式に姿を見せるのではという噂は噂で終わってしまいましたが
(英国チームの入場行進曲はHeroesでしたね)
個人的にボウイ様に歌って欲しかったのはMemory Of A Free Festival

"The Sun Machine is Coming Down,and We're Gonna Have a Party"

会場全体で大合唱して欲しかったなぁ・・・

The Man Who Sold The World/David Bowie - 1970.11.04 Wed









[sales data]
1970/11/4
[producer]
Tony Visconti
[member]
David Bowie(vo/g/sax/etc)
Mick Ronson(g)
Tony Visconti(b/p/etc)
Mick Woodmansey(ds/per)
Ralph Mace(moog)




この3rdアルバムはアメリカで先行発売され、アメリカのコミック「ヒューストン」の
キャラクター、ヒューストン・カウボーイのイラストジャケが採用されるも吹き出し部分の
セリフが当時、精神病院に入院していたボウイの兄を表現していることを懸念したボウイが
差し替えを求め、回収されたり、英国では新装した女装ジャケットが発禁処分となったため
こちらも回収と各国複数種類のジャケットが存在しコレクター泣かせの作品になっているようです(笑)
(日本盤は女装ジャケットで流通しているようです)

the man1 the man4 the man3

この頃のボウイはLSD中毒でレコーディングは難航したようですが
このアルバムからボウイをサポートしたミック・ロンソンとの出会いがボウイのサウンド解釈を
ブ厚くしたのは間違いないでしょう。

tumblr_l6vbus8L6K1qa5zjzo1_500.jpg

この頃のミック・ロンソンはマイナーバンドを転々とし生活に窮し、一時バンド活動を辞め
地元ハルの市営公園課の庭師として働き、音楽活動でこさえた借金返済に追われるという
状況だったようですが、ザ・ラッツのドラマー、ミック・ウッドマンジーがボウイのバンドに
参加することになりその誘いでこのアルバムのレコーディングに参加することになったようです。



アルバムプロデューサーは前作同様トニー・ヴィスコンティが担当しており
当時T.レックスの作品も手がけていたためアルバム全体にグラム色が強くでており
しばらくボウイはこのグラムロック路線を展開することになります。

1_20160112200846862.jpg

尚、トニー・ヴィスコンティ and ウッディー・ウッドマンジは
「The Man Who Sold The World(世界を売った男)」の再現ライヴ・プロジェクトHoly Holyを
立ち上げ2015年、7月日本でもライヴが開催されました。

Hunky Dory/David Bowie - 1971.12.17 Fri









[sales data]
1971/12/17
[producer]
Ken Scott
David Bowie
[member]
David Bowie(vo/g/sax/etc)
Mick Ronson(g/etc)
Rick Wakeman(p)
Trevor Bolder(b/tp)
Mick Woodmansey(ds)




RCA移籍後の4th。
ボウイはその音楽キャリアで頻繁にレコード会社を移籍しますがRCAとはScary Monstersまで
10年近く良好な関係を保ちます。
同時進行で制作していた次作ジギー・スターダストの評判に隠れて、忘れがちの作品ですが
これは良いです。

本作のプロデューサーはケン・スコットさんでアビーロードのレコーディングエンジニアとして有名で
ビートルズの名作の数々の制作にかかわりトニー・ヴィスコンティの元でボウイのアルバムの
エンジニアを担当。

ken.jpg

ケン・スコット談
「アビー・ロード・スタジオからトライデント・スタジオに移りある時、デイヴィッドと何かを
作ってる最中に、プロデュースもやってみようかって言ったら、新しいマネジメントと契約して
もうすぐアルバム作りを始めるけど、自分だけじゃプロデュースに自信がないって言うんだ。
それで共同プロデュースするようになって、「Hunky Dory」を作った。」

コンセプチュアルな内容ではありませんが、誕生した子供への喜びを歌った曲や
アンディ・ウォーホール、ボブ・ディラン賛歌や精神病院送りになった兄を歌った曲など
ボウイの身近なネタを扱った一方代表曲changesではボウイの今後の変貌を予告しています。
(曲数が多かったため5曲ほどカットされStarmanもこの時期に出来上がっていましたが、
次アルバムに回され再録されます)

starman.jpg

ミック・ロンソンのギターが抑え目に感じるのはアルバムを通して全体的に鍵盤の音色が
前に出ているためで、奏者はこの後トニー・ケイに代わりYESに加入するリック・ウェイクマンです。

Ziggy Stardust/David Bowie - 1972.06.06 Tue









[sales data]
1972/6/6
[producer]
David Bowie
Ken Scott
[member]
David Bowie(vo/g/p/sax/etc)
Mick Ronson(g/etc)
Trevor Bolder(b/tp)
Mick Woodmansey(ds)
*****
Dana Gillespie(bvo)
Rick Wakeman(harpsichord)




ロック・スターとしての成功からその没落までを描くロックオペラ傑作。

アルバムの正式タイトルは
「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」

発売当時、アルバムコンセプトを十分に理解してない日本のレコード会社担当者が原題を直訳した
「屈折する星くずの上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群」という珍邦題で発売していた
笑い話もあります。

ziggy.jpg

ボウイ談
「ロックはゴテゴテに飾りたて売春婦みたいにしてパロディになるべきだ。
道化師、ピエロのメディアなんだからパーフォーマーである僕こそメッセージなんだ。
音楽はメッセージをつけている仮面にすぎない。」

LSDでラリってるくせに言ってることは実に格好いい(笑)

「ジギー・スターダスト」というキャラクターを思いついたのは、ある時ロンドンの街角を
歩いていた時、50年代のロックン・ロールスター、ヴィンス・テイラーと
偶然すれ違ったそうなですが、その時の印象は
「過去のスター的存在であり、往年のスターも普通の人」と寂しく感じたそうです。
又米のTVを見ている時に「リジェンダリー・スターダスト・カウボーイ」という
カントリー・シンガーが嬉々として歌う姿に興味を持ち、前述のヴィンス・テイラーの
エピソードを重ねて「ジギー・スターダスト」というキャラクターを作り上げたそうです。
(ジギーという名は列車に乗っている時に車窓から見えた"Ziggys"という洋服店の
名をとったものだそうです)

[Vince Taylor]


[Legendary Stardust Cowboy]


「ジギー・スターダスト」というキャラクターを誕生させたボウイですが、
アルバムは最初ロック・オペラ的なコンセプトアルバムを制作するつもりではなかったようです。
前作「ハンキー・ドリー」のセッション時に録音されながら、楽曲が多すぎたために
使用されなかった曲(Starmanなど5曲)に新曲を加えて録音していた72年1月頃に
「ロックン・ロールの自殺者」を録音する段階でこの曲がアルバムコンセプトに
最重要だということで「ジギー・スターダスト=異性から訪れた救世主ジギーの物語」という
コンセプトの基、アルバム全体を再構築することになったそうです。

ziggy5.jpg

ケン・スコット談
「デイヴィッドが曲のデモを作ってきて、バンドがそれを前もって聴いておけることもあったけど、
たいていは彼がその場でバンドに曲を教えていた。どのトラックも最初はベースとドラムス、
後せいぜいピアノだけ、それも一発録りだった。デイヴィッドが飽きっぽいもんで、
どんどん進めてかないといけなかった。少なくとも当時はそうだったが、今でもそうなんじゃないかな。
テイクが3回め、4回めになってきたりすると、もう次に行きたがるんだ。
ミック・ロンソンは自分のパートをいつもおそろしく素早く片付けちまってたよ。」

バックを務めるバンドは当時は「ラッツ」という名でしたがマイク・ガースンが加わった
ツアーからスパイダース・フロム・マーズに改名しアルバムも1枚リリースしています。



デヴィッド・ボウイはビジュアル面で語られる事が多いですが楽曲制作から、ステージ演出、
広報としての宣伝力(バイセクシャル宣言)など本物のエンタテイナーとしてマルチな才能を
如何なく発揮したグラム全盛期のエッセンスが全て詰まっている恐ろしいほどの完成度です。



アルバム未収録でライブのみで演奏された楽曲も数曲ありますが
このアルバムは「運命の5年間」で始まり「ロックン・ロールの自殺者」で終わるべきで
記念盤と称したボートラが付いたCDアルバムなど愚の骨頂!!!

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