Live at Manchester Free Trade Hall'75/The Jack Bruce Band - 1975.06.01 Sun
[sales data] 2003/5/20 [producer] Mark Powell [member] Jack Bruce(vo/b/p) Carla Bley(clavinet/mellotron/etc) Bruce Gary(ds) Ronnie Leahy(p/synthe) Mick Taylor(g) |
ジャック・ブルースのマイブームの時にSPIRITというライヴBOXでこの時期のノリの悪い
BBC音源を聴いてちょっと身構えてしまったため購入がずいぶんと後回しになってました。
(1975/6/1 マンチェスター/Free Trade Hallでのライヴ)
今回はリマスターとのことなので若干BBC物よりは期待できたのですが
(それでもDISK2ではジャックのブリブリベース音がオンラインでちゃんと録音されてないので
折角の長時間インタープレイが台無し)ミック・テイラーやカーラ・ブレイを率いての
バンドアンサンブルは今回も高い期待値には達していません。
まずバンドの音が暖まっていないというのが一番歯がゆいですね・・・
(音合わせのような硬質なサウンドでグルーヴ感が不足>この面子でのスタジオ制作が
実現しなかった理由も何となく分かります)
それとこの面子でどの程度ツアーしたのか分かりませんが必ずしもベストなパフォーマンスが
チョイスされていないというのもジャック・ブルースの活動遍歴を知る上での資料的な内容に
落ち着いてしまっている理由ではないでしょうか。
ジャック・ブルースのソロ活動に理解なく参加メンバーの名前に誘われて購入すると
大火傷しますのでご注意を(笑)
ちなみにドラムのブルース・ゲイリーはこのあとザ・ナックを結成しマイ・シャローナで
大ブレイクします。
How's Tricks/The Jack Bruce Band - 1977.01.15 Sat
[sales data] 1977 [producer] Bill Halverson [member] Jack Bruce(vo/b/harmonica) Hughie Burns(g/vo) Tony Hymas(key/vibraphone) Simon Phillips(ds/glockenspiel) |
1975年に行ったミック・テイラーやカーラ・ブレイと組んだソロ活動中間決算ツアーは
手応えが薄かったためこのメンバーでのアルバム制作まで至らず、再び面子を一新し
サイモン・フィリップス、トニー・ハイマス、ヒュー・バーンズという若手を起用した
第二期ジャック・ブルース・バンド。
サイモン・フィリップスとトニー・ハイマスはジェフ・ベック&スタンリー・クラークの
バックメンバーとして来日しアルバムThere & backに参加して一躍人気セッションマンに
なるのですが、このCDライナーはその前のアナログ時代の記述なのでサイモン・フィリップスも
トニー・ハイマスも全くキャリアのない売り出し中の新人扱いなのが面白いです。
ヒュー・バーンズはトニー・ハイマス&テリー・ボジオのThe Lonely Bearsで活躍します。
今回バンド名義になった事で楽曲が他のメンバーと共作になりサウンド面では刻みの細かい
フィリップスのドラムそして特にジャック・ブルースといえばトリオ編成のごりごりの
バトルサウンドイメージが強いためキーボードにトニー・ハイマスの起用した事が
サウンド的にスペーシーな広がりを持たせており、今までのジャック・ブルース作品とは
趣が変わり正にニューバンド登場という感じで時代的にクロスオーバー風の歌アルバムを
作ってみましたという感じです。
若手バックメンバーがジャック・ブルース御大に遠慮しているような大人しい印象を
受けるんですが、未だクリームと比較しようという無粋な人は聴くな!と言いたいですね(笑)
このバンドは同面子でもう1枚Jet Set Jewelというアルバムを制作するのですが
本アルバムセールスが低調だったため、お蔵入りしてしまいましたが2003年に陽の目をみました。
Jet Set Jewel/Jack Bruce - 1978.01.15 Sun
[sales data] 2003/5/5 [producer] Dennis MacKay [member] Jack Bruce(vo/b/p/cello) Hughie Burns(g) Tony Hymas(key) Simon Phillips(ds) Dick Heckstall-Smith(sax) |
1978年、ジャック・ブルースが在籍していたRSOレコードがPolyGramに売却され
セールスが期待できないという理由で発売が見送られた曰く付きの作品で
陽の目を見たのは2003年です。
収録曲の一部は「WILL POWER」というベスト盤に収録され、聴くことができましたが
私は今回、HOW'S TRICKSと同時購入したので全く気になりませんが、発売まで25年待たされて
聴いた当時のファンはどんな心境なんでしょうか?
(当時20歳の若者が45歳になってこのCDを購入している可能性もかなり低いと思いますが(笑)
旧友Dick Heckstall-Smithがゲスト参加してGrham Bond時代のNeighbour, Neighbourを再演。
本作はHOW'S TRICKSと同じ面子の演奏ですが、テンポがスローなバラード曲調が多いためか
バンド物というよりジャック・ブルースのソロアルバム色が濃いような気がします。
制作から発売までに長いタイムラグが生じているので仕方のないことなのですが
既に人気セッションマンとして活躍しているサイモン・フィリップスとトニー・ハイマスが
参加しているためそれなりに期待してしまうのは仕方ないのですが
多分、このアルバムで皆さんが期待していた音というのはPleseみたいな
バトルセッション物だったと思うのですが、その意味で豪華なメンバーの特徴が上手く
引き出せていないという点でもの凄くフラストレーションがたまるかもです(笑)
ジャック・ブルースはこのバンドを解散した後、本格的なドラッグ治療に取り組み成功します。
Rocket88 feat Jack Bruce,Charlie Watts,Alexis Korner - 1979.11.17 Sat
まず「ROCKET88」という単語をネットで調べていて知ったことですが、
ブギウギ生誕50周年にかこつけて「Pete JohnsonのRocket 88 Boogie」から命名した
即席バンドのようです。
(1979年11月17日、ドイツ、ハノーファーでのライヴ)
ジャック・ブルースの名にひっかかって購入したのですが、イアン・スチュワートがバンマスの
ピアノの旋律が引っ張るブギウギ物でチャーリー・ワッツ、アレクシス・コーナーなども
参加しています。
実は同年12月15日、ロンドンのザ・ヴェニューのライヴにはクリス・ファーローが参加していて
ブートでは聴けるようですが、できればこっちを公式にリリースして欲しかったなと(苦笑)
I've Always Wanted to Do This/Jack Bruce & Friends - 1980.11.15 Sat
[sales data] 1980 [producer] Jack Bruce [member] Jack Bruce(b) Clem Clempson(g) Billy Cobham(ds) David Sancious(key) |
コラシアム~ハンブル・パイのデイブ・クレムソン、リズム隊はジャック・ブルースと
マハビシュヌ・オーケストラのビリー・コブハム、サウンドの色付けはデヴィッド・サンチェスと
このような豪華な面子ならどんなインタープレイが飛び出すのかと期待した人も多かったと
思いますが、全体的にAOR風歌物中心の内容です。
70年代後半、ジャック・ブルースはドラッグからの本格的リハビリに励み
復帰した1979年にジョン・マクラフリンのツアーに参加した縁でビリー・コブハムと組む
ようになったようです。
ジャック・ブルースのLIVEでお馴染みのBird Aloneが収録されていますが全体的に
ヒット曲をこさえてヒットチャートに殴りこみかけるような気負いも感じないので
「これが常々やりたいと思っていたことさ」というタイトル意図を掴みかねる内容です。
これだけの面子を揃えておいて、全く各パーソナルの旨味が全く伝わってこないので
(4人が溌剌と演奏しているのはBird Aloneだけ)
何もこのメンバーでアルバム作らなくても良かったのではないかと言ったら
ジャック・ブルースに怒られるでしょうか(笑)
この後、ロビン・トロワ―と組みアルバム2枚をリリースします。
Doing This.... On Ice!/Jack Bruce - 1980.11.20 Thu
[sales data] 2001 [producer] unknown [member] Jack Bruce(b) Clem Clempson(g) Billy Cobham(ds) David Sancious(key) |
ジャック・ブルースのライヴアルバムは参加しいてる面子を見るといつも「おっ!」と
期待値が上昇するんですがこのアルバムはどうでしょうか。
コラシアム~ハンブル・パイのデイブ・クレムソン、マハビシュヌのビリー・コブハム、
デヴィッド・サンチェスという4人編成での1980年11月20日デンバーでのライヴ。
(「I've always wanted to do this」アルバムプロモーションライヴ音源)
「う~ん・・・」って感じです・・・
この四人がからんだ時の音を想像した期待値は遥かに下回っています。
ファンが望んでいたのはこの4人でクリームの楽曲を演ることではなく
4人の火花散る超絶セッションを期待していたと思うんですよね・・・
ジャック・ブルースのライヴはアルバムごとにメンバーが異るため長期ツアーで演奏を重ね
バンドアンサンブルが頂点を極めることはなかったので、いつもセッション的なノリ止まりで
まとまった評価を獲得できずアルバムセールスにつながらなかったのではないかと思います。
この日のライヴ音源は何故か複数タイトルで発売されており現在確認できるだけで
・Doing This.... On Ice!
・IN CONCERT
・Bird Alone
・Things to Do Live in Denver
・Concert Classics Vol.9
・Live In America
上記6枚があります(それぞれに細かい違いがあるのかどうかは分かりません<詳しい方教えてください)
Everybody Needs It/Ellen McIlwaine - 1982.01.15 Fri
[sales data] 1982 [producer] Ellen McIlwaine [member] Ellen McIlwaine(vo/g/p) Jack Bruce(b) Howard Levy(p/hammond) Paul Wertico(ds) Jeff Thomas(ds) Larry McCabe(trombone) Kim Cusak(clarinet) |
お名前の日本語表記は「エレン・マキルウェイン?」というくらい心許ない感じですが
女性SSWです(何でも15歳まで日本に住んでいたようです)
かなり活動歴が長いアーチストで1968年にフィア・イトセルフというサイケ・ブルースバンドで
プロ・デビュー。
腹の底から声が出せないジャニス・ジョプリンみたいな感じですが、ボトルネックギターの
ギターカッティングがとても恰好いいです!
70年代からポリドールと契約して複数枚ソロアルバムをリリースしていますが
本作はジャック・ブルースが全面的にベースで参加しているのですが
何つながりで参加しているのか?調べてみると彼女自身がジャック・ブルースに多大な影響を受け、
本人が是非共演したいという念願叶っての共演のようです。
このCDは2in1で流通しており、もう1枚の「The Real Ellen McIlwaine」というアルバムでは
ジャック・ブルースの曲をカバーしています。
ジャック・ブルースはお遊び程度の参加かと思っていましたが、楽曲も提供しており
この頃の自分の作品でも弾かないような熱いベースプレイを披露して、
マキルウェインのスライドギターに抗っています。
Lessons in Living/Mose Allison - 1982.07.21 Wed
[sales data] 1994/6/21 [producer] Philippe Rault [member] Mose Allison(p/vo) Jack Bruce(b) Billy Cobham(ds) Lou Donaldson(sax) Eric Gale(g) |
「GATHERING OF MINDS」経由で辿りついたモーズ・アリソンさんは初体験です。
(1982年7月21日モントルーJAZZフェス音源)
ジャック・ブルース/ビリー・コブハム/ルー・ドナルドソン/エリック・ゲイルの名前に惹かれて
購入しましたが(さすがにこの演奏にホールズワースのギターは合いませんよね(笑)
モーズ・アリソンさんはバップの影響を受けたピアニストだそうで基本線はJAZZだと思いますが、
気取らない演奏で私のようなJAZZに敷居の高さを感じてしまう人用に分かりやすいメロディを多用して
(1曲が3分程度でアルバムもすぐ終わってしまう(笑)
特定のカテゴリにうまく分類されず多くのジャズファンからはコマーシャル過ぎるという理由で
軽視されているようですが、ローリング・ストーンズ、ジョン・メイオール、ヤードバーズ、
ザ・フーがライブの定番曲とした「ヤングマン・ブルース」を代表作に
レオン・ラッセル、ヴァン・モリソン、エルビス・コステロ、ピクシーズ、トム・ウェイツ、
ボニー・レイットといった洋楽人気アーティストがこぞって彼の楽曲をカバーしたおかげで
アリソンさんのポケットには印税ががっぽり儲かる仕組みになっているようです(笑)
A Question Of Time/Jack Bruce - 1989.10.03 Tue
[sales data] 1989/10/3 [producer] Joe Blaney Jack Bruce [member] Jack Bruce(vo/b/p/etc) Jimmy Ripp(g) Vernon Reid(g) Albert Collins(g) Vivian Campbell(g) Malcolm Bruce(g) Paul Barrere(g) Allan Holdsworth(g/syntax) Bernie Worrell(p/key/synthe/etc) Nicky Hopkins(p) Dougie Bowne(ds) Ginger Baker(ds) Tony Williams(ds) Mark Nauseef(ds/per) Zakir Hussain(tablas) Steve Jordan(per) The Savage Horns(horns) Gary "Bone" Cooper(bvo) The Golden Gate Boys Choir The SoMa Footlights Chorus | A Question Of Time |
1989年頃、ジャック・ブルースはポリドールからCMPに移籍しているのですが
ワンショット契約でこの作品はEPIC(CBS)からリリースされています。
洋物アルバムに特に多いですが、セールスの上乗せ目的で人気ゲストを大量に参加させた
タイプのパーティーアルバムは大抵1度っきりのお付き合いになる可能性が高い事は
十分承知しておりますが、このアルバムは意外と好盤です。
バーニー・ウォーレルやニッキー・ホプキンス、トニー・ウィリアムス、
アラン・ホールズワース&ヴィヴィアン・キャンベルのツインギターとか
ジンジャー・ベイカー&マーク・ナウシーフのツインドラムとか持て余し気味の
贅沢な人の使い方はイマイチよくわかりませんけど(苦笑)
(息子さんのマルコム・ブルースが初めて参加した作品でもあります)
オープニングのLife On Earthはクリーム時代のフレーズでどこかで聴いたことがあるなと
思っていたら、ロビン・トロワ―とのB.L.T収録曲の再録でした。
シングルヒットが狙えそうなキャッチ―な楽曲を多数収録していることで、
ジャック・ブルースのソロ作品の中では一番聴きやすいかもしれません。
Somethin Els/Jack Bruce - 1993.02.23 Tue
[sales data] 1993/2/23 [producer] ack Bruce Kurt Renker [member] Jack Bruce(vo/b/p/key) Stuart Elliot(ds) Eric Clapton(g) Trilok Gurtu(per/ds) Peter Weihe(g) Uli Lask(sax) Clem Clempson(g) Gerd Dudek(sax) Bruce Fowler(trombone) Walt Fowler(tp) Maggie Reilly(vo) Dick Heckstall-Smith(sax) Anton Fier(ds) Ray Gomez(g) Dave Liebman(sax) Mark Nauseef(per) | Somethin Els |
A Question of Time以来4年ぶりにリリースされたCMP移籍第1弾は86年~92年に
録りためていた曲をまとめたもので、クラプトンが3曲ほど参加しているのが売りでしょうか
(内2曲は活動記念20周年記念ベスト「Willpower」(1989年)の収録曲)
このアルバムはジャック・ブルースのアルバムにしては中古屋さんに結構並んでいるので
不思議ではあったのですが(元々中古市場に流れるほど売れているアーチストではないので(笑)
勝手に推測するとこのアルバムが発売された同年1993年1月第8回ロックン・ロール・オブ・フェイムで
クリームが殿堂入りのため25年ぶりに再結成が実現したことが大きな話題になったことと
クラプトン参加というタイムリーな話題に食いついて購入したクリーム耳のファンが
CMPレーベルの特徴を十分理解しないまま購入したため失意のうちに中古に流れたという
ことではないかと。
でも良く考えてくださいよ。
クリームは解散して既に25年ですよ。
あの喧嘩上等のクリームばりの演奏を期待する方がどうかしているとしかいいようがないです。
期待外れというか的外れなのはジャック・ブルースのクリームでのキャリアを遥かに上回る
今まで積み重ねたソロ活動を理解しようとしない聴き手の方じゃないかと・・・