2018-02

Here Comes The Warm Jets/Eno - 1974.01.15 Tue









[sales data]
1974/1
[producer]
Eno
[member]
Eno(vo/synthe/etc)
Chris Spedding(g)
Phil Manzanera(g)
Simon King(per)
Bill MacCormick(b)
Marty Simon(per)
Busta Jones(b)
Robert Fripp(g)
Paul Rudolph(g)
John Wetton(b)
Nick Judd(key)
Andy Mackay(key)
Sweetfeed(bvo)
Nick Kool & the Koolaids(key)
Paul Thompson(per)
Lloyd Watson(g)
Chris Thomas(b)




ブライアン・フェリーと対立しロキシー脱退後そのブライアン・フェリー以外の
ロキシーメンバーほぼ全員と(笑)R.フリップなどが全面協力して制作されたソロ1st

今でこそアンビエントミュージックの権化のような存在のイーノもまだ普通にロックを
演っていた頃で面子が面子なんで音は初期ロキシーの流れを組んでいるのはお約束。

ただ、とにかく妙なんです。

リズムももったりしていて、歌も下手ウマの部類で、曲も飛びぬけて素晴らしいという
レベルでもない・・・

しかし、これはまさに「イーノにしか作れない音楽」なのです。

70年代のロック・ミュージシャンの殆どがブルースという古典音楽とも呼べる教科書を
模倣していたのに、イーノの音楽にはそれがない。
思い起こせば、ルー・リードのベルヴェット・アンダーグラウンド(VU)もそうでしたが
偶発的に出来上がったとばかり思っていたVUのバナナアルバムの制作では
同曲をリズムを変えながら複数テイク録音しながら試行錯誤して出来上がったという事を
後で知り、実は緻密に音の重ねあわせを繰り返しできあがったものだったわけで
イーノサウンドの核は実は音の重ねあわせの妙なのではないかと思います。

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Taking Tiger Mountain/Eno - 1974.11.15 Fri









[sales data]
1974/11
[producer]
Eno
[member]
Eno(vo/synthe/etc)
Phil Manzanera(g)
Brian Turrington(b)
Freddie Smith(ds)
Robert Wyatt(per/bvo)
*****
Portsmouth Sinfonia(strings)
Randi and the Pyramids(bvo)
The Simplistics(bvo)
Andy Mackay(brass)
Phil Collins(ds)
Polly Eltes(vo)




今では世界的な音楽家のイーノさんがアンビエントな世界に没入するまで
初期ロキシー風エキセントリックな脱力系フニャフニャシンガーだった頃のソロ2nd。

アルバム・タイトルは、中国で文革時代に上演を許された数少ないオペラの一つ
「智取威虎山」からとられています。

eno.jpg

リズムは何の変哲もないロックなのですが「プット・ア・ストロー・アンダー・ベイビー」は
ポーツマス・シンフォニア(楽器を演奏したことがない人ならば誰でも入れるオーケストラ)
による演奏だったり、イーノならではの音色付けでカラフルなPOPアルバムとして仕上げられています。

Another Green World/Eno - 1975.09.15 Mon









[sales data]
1975/9
[producer]
Eno
Rhett Davies
[member]
Eno(vo/g/synthe/etc)
Phil Collins(ds)
Percy Jones(b)
Paul Rudolph(b)
Rod Melvin(p)
John Cale(viola)
Robert Fripp(g)
Rod Melvin(p)
John Cale(viola)
Brian Turrington(b/p)




前2作とは異なりいよいよアンビエントな方向性が見え隠れしています。

この頃、既に50以上のアーティストのプロデュースを手がけ、その枯渇しない音アイディアの
豊富さにはびっくりなんですが、当時イーノ、デヴィット・バーン、デヴィッド・ボウイの
中性トップ3の時代が10年続くなんて言われてましたが、中でもイーノさんの力量は突出してました。

このアルバムの最大の特徴は制作方法にテイキング・タイガー・マウンテンのジャケ画作家の
ピーター・シュミットと共同開発した「オブリーク・ストラテジー」なるカードを使用しています。

oblique.jpg

「オブリーク・ストラテジー」とは豪華な化粧箱にタロットカードのような「間接的な策略」
(サブタイトルは100以上の価値のあるジレンマ)というカード1枚1枚に熟語や隠された意味を持つ
語句が含まれており、新しい観点と客観的な見方を解く手がかりとしてアイディアが行き詰まった状況を
打開するための道具だそうです。

イーノ談
「つまり、「オブリーク・ストラテジー」とは、スタジオでそのとき思いついた以上、
より広い視野で考えることができることを自分に思い出させて、パニックから脱出するためのものだった。
“ああ、これはどうなるんだ!”とか 、“どうにもならないじゃないか”とか、
“これじゃ2年前にやってたのと変わりない”といった恐しいパニックにおちいったとき、
1枚の力一ドを引くことで、本当に教えられるんだ。
ある曲を作り始めたとき、私は忍耐の限度にきていた。まる1日やってみて、テープには何も残らないも同然、
何の意昧もなく思えた。本当にひどいものだった。で、これは本当の話だけど、シンセを弾きながら、
自分のやっていることがわからなくて泣いていたんだよ。そこで「オブリーク・ストラテジー」を引くと、
“そのまま続けて”とあるじやないか」椅子に深く腰かけ直し、思い出し笑いをした。
「期待したのよりずっと低いレベルの警句が出てきて、引きつって笑っちゃったよ。
もっと、座り込んで額をかきむしるような答を期待していたのにね。
でも、答えのとおりに、30分ほどそのまま続けたら、突然曲がまとまりだした。
案際、私が今でもとても気に入っているくらいの曲にまとまったんだよ。
私の信仰だね。
そこに指示された一連の行動にちゃんと従っていたから、カードを引くにも、軽い気持ちでは引けなかっね。
それまでやっていたことをすべてやめて、妙なこと、たとえば長い散歩とかしなくちゃいけなくなるかも
しれないのだから。パニックしてその日何もできなくなってしまうのがいちばんまずいしね」

このカードの指示に従って強い影響を受けた楽曲は「Spring Drifting」だそうです。

イーノはその後この力一ドは使用していません。何故ならすべて頭の中に入っているからです。

Before and After Science/Eno - 1977.12.15 Thu









[sales data]
1977/12
[producer]
Brian Eno
Rhett Davies
[member]
Brian Eno(vo/synthe/etc)
Paul Rudolph(b)
Phil Collins(ds)
Percy Jones(b)
Rhett Davies(agong-gong/stick)
Jaki Liebezeit(ds)
Dave Mattacks(ds)
Shirley Williams (Robert Wyatt)
(brush timbales)
Kurt Schwitters(voice)
Fred Frith(g)
Andy Fraser(ds)
Phil Manzanera(g)
Robert Fripp(g)
Achim Roedelius(p)
Möbi Moebius(b)
Bill MacCormick(b)
Brian Turrington(b)




ENOさんの初期活動期のヴォーカル4部作4枚目(以後28年間、歌物は封印)
(初回アナログ盤には オブリーク・ストラテジーズの共同制作者ピーター・シュミットさんの
リトグラフ4枚が封入されていたようです)

enoscience.jpg

パンキッシュありテクノありクラウト・ロックありと前半はお馴染の変態ポップスで飛ばしますが
後半は知的にアンビエントで聴かせ、その全てが来るべき80年代の音楽シーンを予感させる
先取り音楽。



最先端音楽とヘタウマボーカルの落差が実に良いのですが、このアルバムは
映画「息子の部屋」(2002年)で亡き息子の友達に渡すプレゼントを探す父親に
店員のお薦めアルバムとして登場し、名曲By The Riverが流れます。

Ambient1-Music For Airports/Brain Eno - 1978.01.01 Sun









[sales data]
1978
[producer]
Brian Eno
[member]
Brian Eno(synthe/p/vo)
Robert Wyatt(p)
Christa Fast(vo)
Christine Gomez(vo)
Inge Zeininger(vo)




「アンビエント・ミュージック」(環境音楽)とはイーノが本作で初めて提唱した
音楽のジャンル、または思想を表す言葉です。

イーノ談
「このアルバムは一つの目的の最小公倍数で成り立っている。私はここで面白い音楽を
作り出そうとは思わなかった。」

イーノによると環境音楽の考え方はフランスの音楽家エリック・サティの楽曲「家具の音楽」
(家具のように、そこにあっても日常生活を妨げない音楽、意識的に聴かれることのない音楽)の
影響を受けているとインタビューで語っています。

air port

そしてその言葉の通り本作は空港ロビー専用のBGMとして制作され、実際にニューヨークの
ラガーディア空港で使用されているそうですが、音を作るにあたって以下の4点に
留意したとのことです。

・空港ではアナウンスが入るため、曲の再生を中断できるもの
・人間の声の周波数とは違う周波数を使うこと
・会話パターンとはちがう速度にすること
・空港の生み出すノイズと共存できること

商業音楽の「売る」という思考は排除され「たまたま耳にする」ことで心地よさを感じるような
オーディオ機器の前で音楽を聴くという従来の音楽鑑賞ではなく、延々と単純な同じフレーズを
繰り返すことで無意識に耳に入ってくるが殆ど意識されない知的な音階の繰り返し。

耳でというよりも心で聴く癒しの最高峰アルバムです。

Q,Are We Not Men?A,We Are Devo(頽廃的美学論)/Devo - 1978.08.15 Tue









[sales data]
1978/8
[producer]
Brian Eno
David Bowie
[member]
Mark Mothersbaugh(vo/key/g)
Gerald Casale(vo/key/b)
Bob Mothersbaugh(g)
Bob Casale(g/key)
Alan Myers(ds)
*****
Brian Eno(synthe)




米での生活でドラッグ漬けとなり、精神的にも肉体的にもボロボロになっていた
デヴィッド・ボウイがリハビリ目的で欧州回帰し、イギー・ポップとベルリンで共同生活を送り、
欧州三部作(ヒーローズ)をリリースして音楽的に再起を果たした頃、
Devoのデモテープを聴き、今までにない未来型のバンドサウンドに大変興味を持ち、
デビューコンサートにかけつけプロデュースを買って出ますが、

devo.jpg

映画「Just a Gigolo」の撮影で忙しく、イーノが代わってプロデュースを担当することになるのですが、
忙しい合間を縫ってはボウイもプロデュースに関与しているようです。

このバンドの思い出は、東京12チャンネルのPM18:00~放送されていた「ステレオ音楽館」の
オープニング曲がDevoのSatisfactionで未だ聴いたことのない新しいサウンドと
(当時、テクノの必需品だったシンセではなくトリプルギターのカッティングによる
ミニマルミュージック的なアンサンブルがイーノっぽくて好きです)
黄色のつなぎ服で機械のように演奏するビジュアルの異様さもあってすぐ虜になりました。
(原曲がストーンズのあのサティスファクションだと知ったのはもう少しあとです(笑)



私はお笑い系だと思っていたのですが、人間退化論がサウンドコンセプトで
代表曲ジャコーホモの「世の中みんな狂ってる、じゃあ俺も狂っちまえば(退化すれば)
いいんだ」という切り口はなかなか斬新です。



クラフトワークとDevoは日本のテクノPOPバンドに与えた影響が大きいと言われますが
POLYSICSがDevoの精神を継承し、バンドから「君たちはディーヴォの正統な後継者だ」と
お墨付きをもらったとのことです。

Ambient 3: Day of Radiance(発光)/Laraaji Brian Eno - 1980.01.15 Tue









[sales data]
1980
[producer]
Braian Eno
[member]
Laraaji(dulcimer/etc)




イーノさんのアンビエント第3弾はチター奏者のララージさんのソロアルバムで
イーノさんはプロデュース専任で演奏には関わっていません。

laraaji2.jpg

The DanceとMeditationの2部構成で、「The Dance」はララージさんの美しいチター演奏が
キラキラ光を放ちながら延々踊っています。
(インド楽器種としてチターとダルシマーの区別がいまいちよくわかりません・・・)



「Meditation」はインド系のミュージシャンの楽曲タイトルに非常に多い「瞑想」そのまま
深層心理に刺激を与えるが如くゆっくり優しく雪がシンシンと降るようにサウンドが積み重なる
イーノ&フリップの小宇宙感覚に似ています。



細野晴臣さんが本アルバムを大絶賛していましたが、Medicine Compilation(1993)で
共演を果たしています。

Medicine Compilation

正直、良し悪しは全く分りませんが、何も考えたくない時に耳で「聴く」のではなく
体で「感じる」音楽。
最近、つまらない音楽が多くて聴くものがなくなって嘆いている貴方、
騙されたと思って是非、試してみてください。

Ambient 2: The Plateaux of Mirror(鏡面界)/Harold Budd Braian Eno - 1980.04.15 Tue









[sales data]
1980/4
[producer]
Brian Eno
[member]
Harold Budd(p)
Brian Eno
(other instruments&treatments)




80年代に入りイーノさんが没入していくアンビエントシリーズ第二弾!

Airportと並んで大変人気のある作品です。

これはイーノさんとハラルドさんの鍵盤コラボの作品だと思っていたのですが、
ピアノはハラルドさんが全て弾き他のサウンド要素は全てイーノが担当するという構成です。

000_20170522100626ab5.jpg

この作品はピアノで水の流れのような動きを音にした感じでアンビエント物というのは
イーノの言葉を借りるなら「そこに音があることすら気づかない類」なので
聴くというよりは、音に身を預けるというような意図で制作されていると思うのですが、
思わず手が届きそうな「美の極意」のメロディを頭の中で反芻してしまい
無意識になるのはなかなか難しいです(笑)

癒し系のアンビエント作品は非常に多いので、なかなか手を出すのを躊躇してしまうかもしれませんが
取り合えず「イーノ印」に外れはないので是非、興味があれば聴いてみてください。

きっと窮屈な日常生活に囚われている疲れた心に優しい安らぎを与えてくれることと思います。

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