2017-07

The Gilded Palace Of Sin(黄金の城)/The Flying Burrito Brothers - 1969.02.15 Sat









[sales data]
1969/2
[producer]
The Burritos
Larry Marks
Henry Lewy
[member]
Gram Parsons(vo/g/p/org)
Chris Hillman(vo/g/mandolin)
Sneeky Pete(pedal steel g)
Chris Ethridge(b/p)
*****
Jon Corneal(ds)
Popeye Phillips(ds)
Eddie Hoh(ds)
Sam Goldstein(ds)
David Crosby(bvo)
Hot Burrito Chorus(bvo)




ザ・バーズはグラム・パーソンズ(以後GP)新メンバーに迎え
カントリーロックの名盤「ロデオの恋人」をリリースしますが、
このアルバム制作で意気投合したGPとクリス・ヒルマンはザ・バーズを脱退し
本格的にカントリーとロックのサウンド融合に取り組んだのが
このフライング・ブリトー・ブラザースです。

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ジャケット衣装はハリウッドの有名なテーラー、ヌーディ・コーンが作る“ヌーディ・スーツ”
(スーツの前面にマリファナの葉、背中に十字架をデザインしたもの)というものだそうで、
撮影場所のカリフォルニア州のヨシュア・トゥリー国立公園はGPにとってお気に入りの地で
よく訪れていたようです。

カントリーロックは力まないのが特徴で?時々ふと思い出したように聴きたくなるのですが
とにかく適当に聴いていて気持ちがフツフツと高揚してくる感じなんでが、このアルバムの
少し変わっている点はドラマーのみ固定されず4人のゲストが叩いています。

このバンドはヒット曲がないので超マイナーですがカントリーロックの造詣深いファンの方々から
文句なくカントリー・ロックの最高傑作と云わしめ
「ロデオの恋人」「Fantastic Expedition Of Dillard & Clark」と合わせ三種の神盤と
いわれています。

 

このバンドはプロミュージシャンにも人気がありmusician's bandとでも言うのでしょうか
pocoやイーグルスにカントリーロックサウンドの基本スタイルを伝授した重要な役割を
果たしたバンドです。

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Burrito Deluxe/The Flying Burrito Brothers - 1970.01.01 Thu









[sales data]
1970
[producer]
Jim Dickson
Henry Lewy
[member]
Gram Parsons(vo/g/key)
Chris Hillman(vo/b/mandolin)
Sneaky Pete Kleinow
(pedal steel g)
Bernie Leadon(vo/g/dobro)
Michael Clarke(ds)
*****
Leon Russell(p)
Byron Berline(fiddle)
Tommy Johnson(tuba)
Buddy Childers(cornet,flugelhorn)
Leopold C. Carbajal(accordion)
Frank Blanco(per)




グラム・パーソンズ(以後GP)を語る上で外せない重要なキーパーソンは
キース・リチャードとエルミー・ハリスです。

keith-richards-gram-parsons.jpg
キースとGP・・・ちょっとただならぬ関係という雰囲気です・・・

キース・リチャードとの接点は1968年頃ザ・バーズが南アフリカの公演のため、
英国に滞在中に知り合い、出発前夜
「イギリスに来てからずっとヘンなんだ。南アフリカに行くって言うと冷たい目で見やがるし」と
アパルトヘイトについて何も知らなかったGPにキースがそれが何であるかを説明すると
「まるでミシシッピ州みたいだな。よし、行くのはやめた」とバンドに同行しなかったことで
ザ・バーズをクビにされたようです。

キース談
「GPには、他の奴には見たことがない独特の資質があった。女を泣かせることができるんだ。
女の涙を誘い、物悲しく切ない思いを届けることが。安っぽいお涙頂戴じゃない。
心の琴線に触れるんだ。あいつにの手には特別な糸が、女の心の急所をつかむ無類の糸が握られていた。
俺の足も涙の川を渡ってずぶ濡れだった。」

そのキースの語る独特の資質とは彼の生い立ちに起因しており、アメリカ南部の巨大な果樹園を
経営する富豪の長男として生まれるも彼が12歳の時「GP、愛してる」とだけ書き残して
父親が頭を撃って自殺。母親は再婚するも今度はアルコール中毒で母親が亡くなってしまい
ハーバード大学に入学したGPは、この頃妹に宛てた手紙にこう記したそうです。

「人生が混乱し、逃げ場を失った人から学ぼう」

単位を一つも取らないまま大学を中退し音楽活動に没頭することとなり
インターナショナル・サブマリン・バンド~ザ・バーズと渡り歩き
痛みを持ったこの心の風景がGPの音楽に色濃く反映されていくことになります。

本作はキースとの交流のためかR&R色が強まり、新加入のバーニー・レドン(>イーグルス)のギター、
スニーキー・ピート・クレイナウのスティール・ギターが冴え渡り、キース提供曲のWild Horsesは
キースがGPから伝授されたカントリーの良質な部分を吸収した産物で
キース談
「あいつがカントリーに蒔いた種のいくつかは今も俺とともにある」と後にストーンズの
Sticky Fingersにも収録され珠玉のカントリーナンバーとなります。


Gram version


Stones Version

GP/Gram Parsons - 1973.01.15 Mon









[sales data]
1973/1
[producer]
Gram Parsons
Rik Grech
[member]
Gram Parsons(vo/g)
Emmylou Harris(vo)
Barry Tashian(vo/g)
Rik Grech(b)
John Conrad(b)
Ronnie Tutt(ds)
John Guerin(ds)
Sam Goldstein(ds)
Glen D.Hardin(p/org)
James Burton(g)
Al Perkins(steel g)
Buddy Emmons(steel g)
Byron Berline(fiddle)
Alan Munde(banjo)
Hal Battiste(sax)
Ron Hicklin(bvo)
Tom Bahler(bvo)
Mitch Gordon(bvo)
Lewis Morford (bvo)




ヒルマンと結成したフライング・ブリトー・ブラザーズ脱退後のグラム・パーソンズ(以後GP)の
足跡を辿るとデラニー&ボニーやストーンズのレコーディングに参加した後
リプリーズとソロ契約が成立し元ブラインドフェイスのリック・グレッチと
共同プロデュースでアルバムが制作されます。
(基本的なリズム隊は当時のエルヴィス・プレスリーのライヴバンドの中核メンバー)

一般的に「カントリー」というと伝統的なカントリーミュージックを
思い浮かべてしまいますが、伝統的なカントリーが強いアメリカを象徴する陽気さを
持っているのに対し、カントリー・ロックが表現する世界は内省的で激しいことが特徴です。

その意味でGPがカントリーとロックの融合に革新的な役割を果たした重要人物として
語られることが多いのですが、どことなく陰鬱な雰囲気が漂う歌唱はストレートに心に響き、
人の痛みを持った心の風景を想うその感覚は歌心の純度の高さを極めています。

しかしとても興味深いのはGPが音楽にのめり込み始めた頃はフォークに没頭し
カントリーには殆ど関心がなかったらしいのですが、インターナショナル・サブマリン・バンドで
知らず知らず、南部育ちで聴き育った内に眠るカントリーフィーリングが覚醒して
カントリータッチの楽曲を作るようになったらしいのです。

尚、クリス・ヒルマンの紹介で本作に参加したエミルー・ハリスはこの作品が
プロデビュー作品になるようです。

GRAM1.jpg

アルバム自体は全く売れませんでしたが、収録曲のSHEは映画「ノッティングヒルの恋人」の
主題歌としてエルビス・コステロがカバーしたのでご存知の方も多いのではないでしょうか。



Grievous Angel/Gram Parsons - 1974.01.01 Tue









[sales data]
1974
[producer]
Gram Parsons
[member]
Gram Parsons(vo/g)
Emmylou Harris(vo)
Glen D.Hardin(p)
James Burton(g)
Emoy Gordy(b)
Ronnie Tuff(ds)
Herb Pedersen(g)
Al Perkins(pedal steel)
*****
Bernie Leadon(g)
Byron Berlin(fiddle)
N.D. Smart(ds)
Steve Snyde(vibes)
Linda Ronstadt(bvo)
Kim Fowley(bvo)
Phil Kaufman(bvo)
Ed Tickner(bvo)
Jane & Jon Doe(bvo)




グラム・パーソンズ(以後GP)は初ソロアルバムのGPをリリース後エミルー・ハリスらを含む
ザ・フォーリン・エンジェルスをバックに全米ツアーを行い、GP&エミルーの
シンクロ率は更に高まり、本作は前作以上にエミルーが前に出ているので
GP&エミルーのデュエットアルバムと考えられ、今後の二人で紡ぐサウンド展開が
楽しみだったものの本アルバム制作最終段階の1973年9月19日ヨシュア・トゥリー近くの
モーテルでドラッグが原因で亡くなります(享年26歳)

ドラッグのイメージが付きまとうミュージシャンはどちらかというと大音量系でハイテンションな
感じがしますが、こんなに純粋な歌を歌うGPも薬漬けだったとはちょっとショックですね。

実はブリトー・ブラザーズをクビになったのもキース・リチャードとズブズブの関係になって
アルコール&薬物に飲み込まれてしまい、一時はキースと一緒に薬物治療にも取り組んだようですが
義父が母親の死に関与しているとの黒い噂やエミルーとの二股関係で妻とは別居状態となり、
精神的に不安定になり逃げ込むように転がり込んだロード・マネージャーのフィル・カウフマンの家に
禁断の薬物の誘惑があった・・・

丁度GPが活躍した1968~1973年はアメリカをベトナム戦争という陰翳が覆い
ロックは反戦、学生闘争のプロパガンダとなり自由と開放のシンボルのドラッグと混合して
サイケでヒッピーな文化の一翼だったわけですが、「LOVE & PEACE」が幻影だったことに気づき
一気にシラケムードの若者達の癒しの音楽として頭角を現してきたカントリーロックな分野にも
その毒は蔓延していたということなんですね・・・

エミルー談
「彼は私の人生において永遠の恋人なの。それだけ深く影響された。死に方じゃなく、
彼の音楽が伝説になるべきよ。」

キース談
「発掘中だった音楽の鉱脈を掘り当てた。GPとの出逢いが自分の弾くもの、
書くものの領域を広げてくれたんだ。そこから束の間の友情が始まった。
長い間行方知らずだった弟と再会したような感じだった。今でも寂しくてたまらない。」

♪return of the grievous angel
長い放浪の果て、故郷の君に安息を見出した~

GPの音楽の旅はここで終わりますが、彼のカントリーロックに向けられた情熱と遺志は
エミルー・ハリスによって引継がれて行くことになります。



又死後、奇怪な事件が起こり、それはフィル・カウフマンがロサンゼルス空港にあった
GPの棺を盗み出しヨシュア・トゥリーのキャップ・ロックで

gramparsons8_20151017114700c41.jpg
(大きな花崗岩の一枚岩がまるで帽子のように大きな花崗岩の山の上に乗っているキャップ・ロック)

GPの遺体をガソリンで焼いてしまいそれは「約束の地(ヨシュア・トゥリー)で葬ってほしい」
というGPの遺言だったということですが、この一連の騒動は2003年に「Grand Theft Parsons」
という映画にもなったようです。



余談ですが亡くなったモーテルは現在も営業中で亡くなった8号室は連日予約客で一杯だそうです。
又部屋の前にはギターの形をしたGPの慰霊碑があるそうです。

gramparsons4_201510171147030e3.jpg gramparsons6_2015101711470523a.jpg

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