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2020-07

The Velvet Underground & Nico - 1967.03.12 Sun









[sales data]
1967/3/12
[producer]
Andy Warhol
Tom Wilson
[member]
Lou Reed(vo/g)
Sterling Morrison(g/b)
John Cale(viola/p/etc)
Maureen Tucker(ds/per)
Nico(chanteuse/bvo)




アンディ・ウォーホールのバナナジャケットがあまりに有名でロック風の飲食店なんかでは
壁がけのインテリアとして必ずお目にしますね。

1964年頃から音楽的なアプローチで意気投合したルー・リードとジョン・ケイルが
バンドの結成を模索し、スターリング・モリソンとモーリン・タッカーとメンバーが固まると
道端に落ちていたペーパーバックのSM小説のタイトルからバンド名を
「The Velvet Underground」とし夜のクラブを中心にライヴを行うようになり、
その常連客の中にアンディ・ウォーホールがいて彼らにご執心となり
デビュー・アルバムをプロデュースするほどの間柄に進展し当時ウォーホールが手がけていた
映画「チェルシー・ガール」の主演女優ニコが無理くりバンドメンバーに押し込まれて
1967年にリリースされたデビュー作。
(全曲ニコに歌わせるという企画もあったようですがバンドメンバーの強い反対で実現せず(笑)

velvet_underground_nico2.jpg velvet_underground_nico3.jpg

このアルバムは売れ線アルバムではないので、誰も期待してませんでしたがウォーホールの
「爆発する人工的必然性」という映画、ダンス、ポップアートを組み合わせた
マルチ・メディア・ショウの音楽部門として制作された前評判もあり
アルバムチャート171位>102位と徐々にチャートを駆け上がるもある日突然、
パタっとレコード店に並ばなくなってしまったそうです。



何故なら、この直後にリリースされたビートルズの金字塔作品サージェント・ペッパーズが
全てのロックファンの耳を独占してしまい愛と平和を願う若者たちはドラッグやセックスなど
人間の暗部にメスを入れたヴェルヴェッツには見向きもしなかったのです(笑)

「しかし本物は強い」

今では洋楽アルバムでは必ず名盤として選出され洋楽ファンは一度は聴いたことがあると思いまずが
私は最初、単調に繰り返される原始的なリズムにピンときませんでした。
長いことヴェルヴェッツは時代背景的に前衛音楽を演っていたというごく普通の音楽評論を
真に受けて近寄り難い芸術集団のイメージで誤解してましたがルー・リード、ジョン・ケイル、
そしてニコなどを個々に聴くにつけソロ活動の源であった母船をもう一度聴き直すと
そこには今まで気がつかなかった「音」があることを発見します。
(ニコなんてほんのお飾りだと思ってましたから(笑)
繰り返し聴いて良さが分かったというより分岐していったメンバーのソロ活動から遡って
その原動力に目覚めた珍しいケースです。



最近、思わぬTV番組でI'm Waiting For The ManがOPに使われてました。
その番組とは「キンシオ」です(笑)
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White Light White Heat/The Velvet Underground - 1968.01.30 Tue









[sales data]
1968/1/30
[producer]
Tom Wilson
[member]
John Cale(vo/p/b/etc)
Sterling Morrison(g/b/etc)
Lou Reed (vo/g)
Maureen Tucker(ds/per)



バンドマネージャーのアンディ・ウォーホールがルー・リードによって解雇され
The Velvet Underground without Nicoの4人に戻っての2nd。

VU.jpg

原始的なリズムにノイジーなギターやベース音をかぶせ、ただただお経のように
ストイックなロックン・ロールが延々続くのが何とも心地よいです。
(パチスロなどで大敗してやさぐれた心情に波長が合うのはこのアルバムと
トニー・ウィリアムスのturn it overturn it overが最強かと(ジャケも似てるし(笑)

そしてこのルーズなエネルギーは温度を更に上昇させシスター・レイに昇天します。
ヴェルヴェッツ(VU)=バナナというような一般認識がありますが、ある意味バナナは
ウォーホールの趣味的要素が高くVUの本質は「リズムの強弱を主人公」にした
このアルバムにこそあると思います。
(VUの本質って何?って質問されてもちゃんと答えられないんですけどね(苦笑)
このアルバム制作時、ルー・リードとジョン・ケイルの芸術に対する高い志は同じでしたが、
見えない着地点が異なっておりだんだん緊張関係が悪化し
ジョン・ケイルはこのアルバムを最後に脱退します。

Ⅲ/Velvet Underground - 1969.03.15 Sat









[sales data]
1969/3
[producer]
Lou Reed
[member]
Lou Reed(vo/g/p/etc)
Sterling Morrison(g)
Maureen Tucker(per/vo)
Doug Yule(b/org/vo)




IIIはメーカー側が便宜上番号を振ったものでタイトルはTHE VELVET UNDERGROUND

ジョン・ケールが抜けた穴をダグ・ユールで補い新体制となったヴェルヴェッツは
ルー・リードの音楽哲学が色濃く反映される内容となり前2作の前衛的な作りから
ヒューマニズムを感じさせる作風に変化。

今までのヴェルヴェッツのアルバム収録曲は殆どが事前にライヴでお披露目されており
それをスタジオ用に録り直すという流れでしたが、本作は数曲をのぞいてレコーディング以前に
演奏されたことはなく純粋なスタジオアルバム制作になったこととサウンドが大きく変化した
ことについてモリスン曰く
「レコーディングのためロスに空輸していたバンドの楽器やその他の機材全てが盗難にあった
ことが関係ある」と述べています。
そういえばヴェルヴェッツの特徴だったファズ(ソニック・ブーム・ボックス)が
顔を出さないのはそういう理由なんですね(笑)

ただ制作前より前作のようなノイジーなアルバムを再び作ることは一次元的なサウンドの
バンドと誤解されるため意図的に避けたそうです。

又このアルバムには2つのバージョンが存在しMGMのヴァル・ヴァレンティンが
最終的にミックスしたものをリードが持って帰り「ザ・クロゼット・ミキシング」
(クロゼットのような小部屋でミックスしたような音のために名づけられた?)を施しました。
(BOX(Peel Slowly & See)に収録されているのはこのCloset Mix)
しかしIIIのオリジナル発売ではMGM編集が採用され、今までのMGMのプロモーション不足、
ツアー・サポートのトラブルが続いたことでルー・リードの怒りは頂点に達し
バンドはアトランティックに移籍することになります。

Loaded/Velvet Underground - 1970.11.15 Sun









[sales data]
1970/11/15
[producer]
Geoff Haslam
Shel Kagan
The Velvet Underground
[member]
Lou Reed(vo/g/p)
Doug Yule(b/p/g/key/etc)
Sterling Morrison(g)
Maureen Tucker(ds)
*****
Adrian Barber(ds)
Tommy Castagnaro(ds)
Billy Yule(ds)
John Cale(org)




MGMからアトランティックに移籍しての4th。

ルー・リードのスタンダード・ナンバーとなったSWEET JANEとROCK AND ROLL収録。
実はこのアルバムリリース前に幻の4thアルバムを発売する予定がありましたが
MGMとのゴタゴタでお蔵入りしてしまいましたが、1986年ベルヴェットのアナログ盤BOXの
目玉商品として世に出され、現在はVUという作品で聴くことができるようになりました。



ルー・リードはこのアルバム完成前に脱退してしまったため会社側が勝手にリミックスしたため
ルー・リードはこのアルバムを評価していないそうですが、ルー・リードの意図する
リミックス盤としてFully Loaded Editionというのも後年リリースされました。



かなり明るめのポップスで前三作とは全く毛色の違う作品として聴く必要があります。
ルー・リードのソロ活動の序章作品として捉えると吉。

Live Volume1 & 2/Velvet Underground - 1974.09.15 Sun









[sales data]
1974/9
[producer]
The Velvet Underground
[member]
Sterling Morrison(g)
Lou Reed(vo/g)
Maureen Tucker(per)
Doug Yule(b/org)






ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのライヴブートはかなりの数出回っていましたが、
1974年に公式にIIIリリース後の1969年10月~11月米ツアー音源が発売されました。
(ツアーと言っても観客の拍手がまばらなので、小さい小屋(テキサスとロス)での
過酷なドサ回り営業色の様相です(笑)

ただ公式と言ってもライヴ制作盤を目的に録音したものではないので、音質的にはブートです。

あとどういう意図があるのかアナログ2枚組がCD化の際わざわざVol.1と2のバラ売りに
なっていますが1枚だけ買って満足する人なんているのでしょうか?

VU_20170317155202eda.jpg

ライナーによると選曲に捻りがなくバランスが悪いためVU研究家M.C.コステック著の
「VUハンドブック」によると

VOL.1は1,5,2,7,10,6,9,3,8,4
VOL.2は4,8,2,3,5,7,6,1,9

のトラック順で聴くのがお薦めなんだそうです。

ただVUの場合はバラ売りだとか音質だとか曲順だとかそういう常識から逸脱していることを含め
聴き手への配慮のなさも魅力だと思えないとなかなか深みにははまれないと思います(笑)

VU/Velvet Underground - 1985.02.15 Fri









[sales data]
1985/2
[producer]
The Velvet Underground
[member]
John Cale(viola/b/etc)
Sterling Morrison(g)
Lou Reed(vo/g)
Maureen Tucker(per/vo)
Doug Yule(b/key/vo)




VUの未発表曲集。
初出はアナログ盤BOX(5枚組)に収録されましたが、現在はCD単独の購入も可能です。

velvet_underground_VU.jpg

アルバムIIIリリース後、新アルバム制作に入ったものの(68-69年)契約先Verveともめ
(VUは話題性とは裏腹にセールスはサッパリでしたからね(笑)
お蔵入りになった作品ですが単なる没テイクの寄せ集めではなく
初期ルー・リードがソロで再び取り上げた曲が大半を占めている2.5th的内容です。

ジョン・ケイルとダグ・ユールの名前がクレジットされていますが、当然ながら
活動時期は重なりませんので共演しているわけではありません。

Another View/Velvet Underground - 1986.09.15 Mon









[sales data]
1986/9
[producer]
The Velvet Underground
[member]
John Cale(b/viola)
Sterling Morrison(g/b)
Lou Reed(vo/g/p)
Maureen Tucker(per)
Doug Yule(b/key)




先にご紹介したVUと兄弟盤となるヴェルヴェッツのOUTTAKES集。

初出は1986年にアナログ盤BOX(5枚組)に収録されていましたが現在はCD単独の購入も可能です。

velvet_underground_another_view2.jpg

こちらも「寄せ集め」だけでは済まない興味深い内容ですが、インスト曲が多くどちらかというと
マニア向けです。

ルー・リードもこの世を去りリアル・タイムにVUを体験してない人が殆どなのに21世紀になっても
ヴェルヴェッツ・チルドレンが増加中という珍現象が興味深いです。

Songs For Drella/Lou Reed & John Cale - 1990.04.11 Wed









[sales data]
1990/4/11
[producer]
Lou Reed
John Cale
[member]
John Cale(vo/key/viola)
Lou Reed(vo/g)



ルー・リードが「ニューヨーク」という意味深なタイトルのアルバムをリリースした時
モーリン・タッカーが参加したので、いよいよヴェルヴェッツ再結成か?という
噂が出回りますが、ヴェルヴェッツのファンの方はその成り行きについてご存知かと思いますが、
ヴェルヴェッツ時代から犬猿の仲が周知のルー・リードとジョン・ケイルの二人が
アンディ・ウォーホルの葬儀(1987年)で顔を会わせ、その後Nicoも亡くなるという状況が
決定打となり、驚くことにルー・リード&ジョン・ケール名義で21年ぶりの共作となる
追悼アルバムがリリースされました。

「Drella」とはドラキュラとシンデレラを足した造語で、ウォーホルのニックネーム。
ギター、ピアノ(キーボード)ヴィオラのシンプルな構成(リズム楽器なし)で
全曲ウォーホールの人生を題材にした楽曲で、彼への追悼の思いを切々と歌い上げる
ボーカルが動と静で強弱をつけ、二人の圧倒的な存在感を感じさせる充実した内容です。
(全曲ともルー・リードとジョン・ケイルの共作でお互いに人間的には毛嫌いしているものの
音楽的には共鳴してしまう悲しい運命の二人)
ただしこのアルバム、ツインボーカルのデュエット曲がないのがポイントです(笑)

80年代のリードはヴェルヴェッツの幻影を振り払おうとしていたためウォーホルの死後発売された
日記によると「80年以降ルー・リードに意識的に避けられている」と嘆きの記述がありましたが、
「Hello It's Me」でルーはこう歌っています
「あなたの良心を疑って悪かった。物事はすべて始まる前に終わっている気がする。」



そしてこのアルバムの小ツアーにタッカーが飛び入り参加し、更に1990年6月15日
アンディ・ウォーホル回顧イベントでリードとケイルの他にタッカー、モリソンも
招待されることになったため、ヴェルヴェッツ再結成との噂が広まりますが、
リードは断固として
「4人が今後また同じステージに立つことは決してないだろう。
ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは過去のものだ」と発言。

ステージはリードとケイルの二人が「ソングス・フォー・ドレラ」から数曲を披露する予定でしたが、
ステージ開始数時間前、リードはケイル、タッカー、モリソンと4人で食事をし
(4人がこうして顔を合わせるのは、1968年にケイルが解雇されて以来)
その時に何が話し合われたのか分かりませんが、ステージ開始10分前に
リードは、タッカーとモリソンもステージに上げて「ヘロイン」を演奏し
束の間のヴェルヴェッツ再結成ライヴが実現しました。



演奏後のリード談
「これは今回限りのもので、今後2度と4人が一緒にやることはない。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドが再結成するという誤解はして欲しくない。あり得ない」
(この翌月、リードは「二ューヨークツアー」で来日公演を行い(7/25-8/3)
驚くことにソロツアー終了3日後の8月6日リードとケイルとのライヴが一度だけNHKホールで行われました)

しかしリードの宣言を反故する形で3年後、再びこの4人は顔を合わせることとなります。

Live MCMXC III/Velvet Underground - 1993.10.26 Tue









[sales data]
1993/10/26
[producer]
Mike Rathke
[member]
Lou Reed(vo/g)
John Cale(vo/key/b/viola)
Sterling Morrison(g/b)
Maureen Tucker(vo/per)



Live at L'Olympia Theater in Paris 1993/6/15&16&17
(青いバナナにしたのは、リードの「ブルーマスク」を模倣しているのでしょうか?
シルヴィアさんの作品ですが、1990年に離婚しており最後の作品となります)

1987年のアンディ・ウォーホールの葬儀で顔を合わせたルー・リードとジョン・ケイルが
ウォーホール追悼アルバム(Songs For Drella)を制作したことに端を発し
ヴェルヴェッツの再結成は時間の問題だったのですが、あれだけ頑なに再結成話を
否定していたルー・リードを何が動かしのか分かりませんが、ヴェルヴェッツ再結成
欧州ツアーのフランス、オリンピアホールでのライヴ。

客観的なことを書けばこの再結成、日本ではあまり話題になりませんでした。
日本のヴェルヴェッツファンの絶対数が少ない、加えてルーリードのファンはもっと少ない
ということを痛感しました(苦笑)

音が悪いのが当たり前のヴェルヴェッツの一連の作品と比較するとサウンドがクリアなため
60年代の頽廃的なイメージが払拭されポップになっているので、ヴェルヴェッツを神格化して
聴いていたファンにとっては興ざめするパフォーマンスだったでしょうね。
緊張感のない演奏が淡々と進むので途中かなりダレますが、あまり難しいことは考えず
リードやケイルのヴェルヴェッツトリビュート物という趣旨で楽しむのが良いと思います。
(選曲は「シスター・レイ」がないだけでほぼベス.ト。新曲「Coyote」が演奏されました)

このツアー終了後、ヴェルヴェッツ名義のスタジオアルバム制作の予定もあったらしいのですが
いつものことながらリードとケイルが仲違いして話はオジャン(苦笑)

タグ・ユールはこの再結成には全く声がかからず嘆いていましたが、
もしNICOさんが生きていたらこの再結成ライヴに呼ばれたでしょうか・・・

vu_201906200958283d8.jpg

1995年にモリソンが死去、2013年にはリードが死去。
今も世界のどこかで神格化されたヴェルヴェッツの退廃的なサウンドに魅了される
黄色いバナナの中毒患者は増加中(笑)





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