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2020-07

My Point Of View/Herbie Hancock - 1963.09.15 Sun









[sales data]
1963/9
(Rec:1963/3/19)
[producer]
Alfred Lion
[member]
Herbie Hancock(p)
Donald Byrd(tp)
Grachan Moncur III(trombone)
Hank Mobley(sax)
Grant Green(g)
Chuck Israels(b)
Tony Williams(ds)



ハンコックさんのソロセカンドアルバム。

ハンコックさんは「Watermelon Man」がジャズファン以外に大いにウケて
同曲を収録したデビューアルバムが記録的な大ヒットとなり一躍大スターの仲間入りで、
自分へのご褒美に速攻でスポーツカーを購入したそうです。
(その名が英国製スーパーカー「コブラ」で3曲目のタイトルにもなっています)

2_2020051911531067b.jpg

ドナルド・バード、グレイシャン・モンカー3世とハンク・モブレーの3菅に
グラント・グリーン、チャック・イスラエルそしてなんと若干17歳のトニー・ウィリアムスという
メンバー見ただけでお腹いっぱいな感じです(笑)

ロックなビートな「Blind Man,Blind Man」は明らかに「Watermelon Man」の二番煎じ。

グラントさんは「この作品ギターいたっけ?」というほど影が薄いですね・・・
R&B調の「Blind Man,Blind Man」と「And What If I Don't」しか弾かせてもらって
ないので仕方ありませんけど、どうもこういうビッグネームとの共演で名演を残せなかったのも
グラントさんの弱み(苦笑)

しかし何ですかね、このトニーの落ち着いたバチ裁きは(唖然)
17歳という若さで何故こんなにも表情豊かなジャズビートが体に沁み込んでいるのか
とても不思議・・・



この録音直後の5月14日、ハービー・ハンコックとトニー・ウイリアムスはマイルスの
「Seven Steps To Heaven」の録音に参加し、マイルスの初来日公演にも同行します。

3_2020051911531227f.jpg
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Empyrean Isles/Herbie Hancock - 1964.12.15 Tue









[sales data]
1964/12
(Rec:1964/6/17)
[producer]
Alfred Lion
[member]
Herbie Hancock(p)
Freddie Hubbard(cornet)
Ron Carter(b)
Tony Williams(ds)



「処女航海」前夜の人気盤。
「Empyrean Isles」は古代宇宙論でいうところの「天空の島」という意味で
ハンコックさんが作家ノラ・ケリーさんのストーリーにインスパイアされた作品。

当時のマイルスクインテットのリズム隊にフレディ・ハバードがトランペットではなく
コルネット演奏で参加。

売り出し中のハバードさんのキレのある演奏がかなり目立っていますが、
マイルスバンドではなかなか前に出してもらえないハンコックさんのピアノがここぞとばかりに
エンジン全開。

しかしこの頃のトニー・ウィリアムスはカッ飛んでますね(笑)
そしてトニーの羽目の外しっぷりを横目にきっちりリズムをキープするロン・カーター。

そういえばこの面子にウェイン・ショーターを足すと「V.S.O.P」になるんですね(笑)

純ジャズ路線に加えてキャッチ―な「カンタロープ・アイランド」やフリージャズな
「The Egg」などなどハンコックさんの従来の枠から外れた新しいジャズを目指そうという
意気込みが十分伝わってきます。

Maiden Voyage(処女航海)/Herbie Hancock - 1966.04.15 Fri









[sales data]
1966/4
[producer]
Alfred Lion
[member]
Herbie Hancock(p)
Freddie Hubbard(tp)
George Coleman(sax)
Ron Carter(b)
Tony Williams(ds)




17_20191213214647bb9.jpg

このアルバム製作時、ハンコックさんはマイルスバンドに在籍中で、ショーターさんが加入し
黄金クインテットの記念すべき初のスタジオ録音「E.S.P.」 を録音した後、
マイルスが体調不良で療養期間となったためメンバーそれぞれがソロ活動を展開した時期の作品で
60年代新主流派といわれたジャズスタイルの典型的な演奏例として有名だそうです。

個人的に「Rock It」なハンコックさんのイメージが強いので、そのギャップに戸惑い
以前はこの純度の高いJazzyな演奏に心がスイングする日が来るのだろうかと思ってましたが
いつの間にか聴き入ってる自分にちょっとびっくり(笑)

「海」をテーマにした作品ですが、トロピカルで太陽サンサン、サーファーは大波にノリノリ
という感じではなく、波の穏やかな人気のない入り江周辺というイメージです。



このアルバムには一つ謎がありまして、マイルスバンドにも在籍していたサックス奏者の
ジョージ・コールマンさんはウェイン・ショーターさんと比較されることが多く
格下と烙印を押されてしまい、あまり評価を得られない不遇な演奏者なのですが、
コールマンさんと他のメンバーはこのアルバム以降、共演作が1枚もないそうなのです。
他メンバーは70年代以降、何度もお互いの再会セッションやライヴを行っているのに、
コールマンさんだけお呼びがかからないとのことで、コールマンさんと他メンバーの間に
何かがあったことは間違いない話として

「ヴィレッジ・ヴァンガードで記念パーティーが開かれた際、ハンコック、ロン、トニーは
トリオを再結成した。
すると、バックステージにジョージ・コールマンがホーンを手に現れた。
旧交を温め合おうというジョージに対して、ハンコックの返事はひと言「あり得ないね」だった。
普段のハービーの性格からはとても考えられないほど、冷たい態度だったという。」


(出展)ミシェル・マーサー フットプリンツ―評伝ウェイン・ショーター』

ふ~む、コールマンさん、一体何をやらかしたんでしょうね・・・

Speak Like A Child/Herbie Hancock - 1968.07.15 Mon









[sales data]
1968/7
(1968/3/6&9)
[producer]
Duke Pearson
[member]
Herbie Hancock(p)
Ron Carter(b)
Mickey Roker(ds)
Jerry Dodgion(fl)
Thad Jones(fl)
Peter Phillips(trombone)




マイルス・クインテットの絶頂時期で「Maiden Voyage(処女航海)」と並ぶ初期人気作品。
実にいい感じのジャケット写真です。
被写体はハービー・ハンコックさんと婚約者の方(ジジ・メイグスナー)だそうです。

子供や少年をテーマに「大人になった事で失ってしまったもの、
その頃の気持を取り戻したいと願っているもの、子供の頃の純粋な気持ちを取り戻せたなら、
希望や可能性を見い出せのではないか」というコンセプトアルバム。

サウンド面で面白いのはバックにフリューゲルホーン、ベース・トロンボーン、アルト・フルートの
中低音の3管アンサンブルを配しているのはギル・エヴァンスの手法を自己流に表現したものだそうです。

しかしどうやったらこのような美メロなプレイヤーが「ヘッドハンターズ」になってしまうのか(笑)
とても興味あるところです。


Fat Albert Rotunda/Herbie Hancock - 1969.12.15 Mon









[sales data]
1969
(Rec:1969/10-12)
[producer]
Herbie Hancock
[member]
Herbie Hancock(p/el-p)
Joe Henderson(sax/fl)
Garnett Brown(trombone)
Johnny Coles(tp/flugelhorn)
Buster Williams(b)
Albert "Tootie" Heath(ds)
George Devens(per)
Joe Newman(tp)
Ernie Royal(tp)
Joe Farrell(sax)
Arthur Clarke(sax)
Benny Powell(trombone)
Eric Gale(g)
Billy Butler(g)
Jerry Jemmott(b)
Bernard Purdie(ds)



「Speak Like a Child」に写るジジさんとの新婚旅行中、食中毒でマイルスのアルバム録音に
間に合わなくなったことからマイルスの怒りを買いバンドを辞める決意をし
ブルーノートからワーナーに移籍しての第一弾。
この独立を期にデヴィッド・ルーベンソンさんがマネージャーに就き、長きに渡り
共同プロデュースに携わり、ハンコックさんの公私共々の強力なサポートを行います。

BLを離れジャズに縛られる必要がなくなったハンコックさんが子供向けテレビ番組
「Fat Albert Rotunda」の音楽を担当していたため、それを大人向きにジャズアレンジして
録り直したもので、従来の純ジャズ路線を大きく外れたため昔からのハンコックファン達からは
黙殺されたようですが、「チルドレン・オブ・ビッチェズ・ブリュー」と称されるように
マイルスにインスパイアされエレクトリックへ舵を切ったハンコックさんの転換点。

こうやってハンコックさんの音楽キャリアを順に聴いていくと、いきなり「ヘッドハンターズ」に
ジャンプしたわけではなく、初期の頃(ホップ段階)のグラント作品でのR&Bなプレイや
ステップ段階としてこのようにジャズファンクな嗜好を小出ししながら狭いジャズの世界を
飛び越える準備をしていたんですね。

かっちょいいぜ、ファンキー、ハンコック!!!

Mwandishi/Herbie Hancock - 1971.03.15 Mon









[sales data]
1971/3
(Rec:1971/1)
[producer]
David Rubinson
[member]
Mwandishi:Herbie Hancock
(Fender Rhodes/p)
Mchezaji:Buster Williams(b)
Jabali:Billy Hart(ds)
Mganga:Eddie Henderson
(tp/flugelhorn)
Mwile:Bennie Maupin
(clarinet/fl/piccolo)
Pepo Mtoto:Julian Priester
(trombone)
*****
Leon "Ndugu" Chancler
(ds/per)
José "Chepito" Areas
(congas/timbales)
Ronnie Montrose(g)



ハンコックさんはこの作品からマネージャーのデヴィッド・ルービンソンさんと
長期に渡り共同プロデュースすることになります。
(ハンコックさんにシンセ導入を勧めたのもルービンソンさんだったようです)

タイトルの「Mwandishi」とはスワヒリ語で作曲家を意味するそうで、アルバムの
参加メンバー全員のスワヒリ語の名前がクレジットされています。

この作品以降、ヘッドハンターズに到達するまでのMwandishi期のハンコック作品を
大絶賛しているのはパット・メセニーさん

「このアルバム以降の音楽作品で私の人生に大きな影響を与えたものはない。
私にとってこのバンドはジャズのすべてが詰まっている存在だった。
このバンドはバンドレベルでも、個人レベルでも、その当時のディープなサウンドを
しっかりと表現しており、ゆえに先験的でタイムレスな存在となった。
彼らは私を始めとした同世代のアーティストたちに彼らのような創造性と献身性を
持たなければならないと思わせた。」

ハンコックさんが何故、「チルドレン・オブ・ビッチェズ・ブリュー」と称されるのか
この作品を聴いてその真の意味を理解するまでかなり遠回りした気がします。

私とハンコックさんの馴れ初めは80年代のヒット曲「Rock It」でその存在を知り、
昔はジャズを演っていたというので「処女航海」とか「Like a child」などを聴いてみるも
印象に残らず、その後マイルスバンドにいたことを知り、トニー・ウィリアムスなどとの
VSOPをちょっと聴きかじり、元マイルスバンドメンバーと吊るんでいるから
「チルドレン・オブ・ビッチェズ・ブリュー」と言われているんだろうと勘違いしておりました。

そしてグラントさん作品(Feelin' the Spirit)でかなりファンキーなピアノを弾いているので
再び興味が沸き初期の作品から遡って聴き始めたら大当たりでピクリともこなかった
「処女航海」とか「Like a child」にも感度ビンビン。

そして本作を聴いた瞬間、自分とマイルスの波長が初めて合致したと感じた「Big Fun」を
聴いた感動を思い出しました。

miles_20200612194930afd.jpg

マイルスが提示した「Beyond Jazz」の精神はウエイン・ショーター、ジョー・ザビヌルに
継承されたものとばかり思っていましたが、
しっかりハンコックさんも継承していたことを聴き知るには絶対に外せない1枚で、
何故純ジャズを演っていたハンコックさんがヘッドハンターズなってしまったのかと
ぼんやり考えていたのですが、そこへ行きつく途中(Mwandishi期)を思いっきり
スルーしていたことが大きな失敗でした。
知らなければ済むことが多いですがある意味、ハンコックさんはちゃんと最初から順番に
聴いた方が楽しめるアーチストだと思います。

「この作品はとにかくメロディではなく、まず延々と続く同じリズムと波長を合わせないと
作品の本質は分からないと思います」

なんてジャズインテリ風なこと書いてる自分もこういう音楽を心底良いと感じるまでに
紆余曲折を経て20年かかったことは明記しておきます(笑)

Crossings Herbie Hancock - 1972.05.15 Mon









[sales data]
1972/5
(Rec:1972/2/15-17)
[producer]
David Rubinson
[member]
Herbie Hancock(p/el-p/mellotron/per)
Eddie Henderson(tp/flugelhorn/per)
Bennie Maupin(sax/fl/clarinet/etc)
Julian Priester(trombones/b/per)
Buster Williams(b/per)
Billy Hart(ds/per)
*****
Patrick Gleeson(moog synthe)
Victor Pantoja(congas)
Candy Love(voice)
Sandra Stevens(voice)
Della Horne(voice)
Victoria Domagalski(voice)
Scott Beach(voice)



ハンコックさんのMwandishi期第二弾。

全メンバーが自分の楽器演奏の空き時間は太鼓を叩くというまさに太鼓尽くし(笑)
(ハンコックの貴重なメロトロン演奏もあります)

トランペット&フリューゲルホーン+バス・クラリネット+アルト・フルート+トロンボーンという
セクステットについて

ハンコック談
「私が1969年から73年に率いたセクステットはバンドが創造した音楽ばかりでなく、
私が68年にマイルスの元を去った後のまさに最初の演奏をした。そうしてバンドが生まれたのだ。
セクステットの基礎は直感、感情移入、協調関係、同一性。
メンバーによる本当のアンサンブルの即応的な創造性にある。60年代末から73年まで
私達は一緒行動し、音楽のみならず人生を学んだ。想像の過程を分析するため共に探究した。
お互いに成長しあい、私達は一つになり。音楽も一体になったのだ。
セクステットが最上の状態にあった時、グループ全体が1個の生命体のようだった。
瞬間ことに存在する音楽。規則的なチェンジや小節、テンポすらなくてもほとんど奇跡的に
音楽に流れと秩序が生まれ、全ての惑星が奏でるサウンドを聴いているような感覚を
味わった。」

「チルドレン・オブ・ビッチェズ・ブリュー」とは言われるものの実際にはハンコックさんは
あのレコーディングには参加していないのですが、面白いのは69年頃マイルス周辺で演奏した
キース・ジャレットやチック・コリアはマイルスの演りたいことが全く分からなかったと
語っているんですね。
対してショーター&ザビヌルさんは思いっきり感化されている。
この違いは「ビッチェズ・ブリュー」を模倣したというよりもあのセッションで
「リズムの絶対的な重要性」を見出したか否かではないかと思うのですが
ハンコックさんもそんな一人かと。

Sextant/Herbie Hancock - 1973.03.30 Fri









[sales data]
1973/3/30
[producer]
David Rubinson
[member]
Mwandishi (Herbie Hancock)
(p/Fender Rhodes/synthe/etc)
Mwile (Bennie Maupin)
(sax/clarinet/piccolo/afuche)
Mganga (Eddie Henderson)
(tp/flugelhorn)
Pepo (Julian Priester)
(trombone/cowbell)
Mchezaji (Buster Williams)(b)
Jabali (Billy Hart)(ds)
*****
Patrick Gleeson
(ARP 2600/ARP Pro Soloist)
Buck Clarke(per)



趣味性の高い音楽ばかりでセールスが伸びないことに業を煮やした?ワーナーを離れ
コロンビアに移籍。

ジャズファンクのエレクトリックの電圧をあげたMwandishi期3部作最終アルバム。

コスミックサウンドのキーマンだったパトリック・グリーソンさんの助力を得て、
シンセサイザーのラインナップにARPを加えています。

HH_20200616103659e3b.jpg

グリーソンさん談
「私たちの音楽に不快を示す人たちもいた。彼らからはまるで発狂したテレフォンオペレーターのようだ!と
言われた。私たちはその意味が理解できなかった。私は自由度が高く統合的なシンセサイザーを
用いることで、ジャズの音色の幅を広げようとしていた。その部分に真剣に取り組んでいたんだ」

しかし面白いのは実はここからで、とにかく大掛かりとなったシンセ機材を使ったツアーは
予算オーバーで赤字な上に、肝心のアルバムがファンに受けが悪く、ハンコックも次第に
実験の名のもとに行ってきたMwandishi期のサウンドに飽きてしまったようです。

ハンコック談
「この頃の私には『拘束』されるような感覚が必要だった。世間と繋がっているような感覚がね。
当時の私はヘヴィーな音楽をやっていると感じていて、そのすべてがヘヴィーな状況に疲れてしまった。
もう少し軽い音楽をやりたいと思ったのさ」

そんなこともあり複雑なことをやってるようでその実、かなり迷いを抱えながら制作した
混沌とした作品です。

サウンド面では満足の行くサポートが受けられたものの、ハンコックが考えていた
スピリチュアルな音楽イメージを膨らませてくれる協力者がいなかったことで
限界を感じてしまい(協力者がショーターであったり、マクラフリンであれば
このMwandishi期シリーズは細く長く続くライフミュージックになったはず)
この頃ハンコックはマイルス門下生が揃った「On The Corner」に参加しており

hh2.jpg

ここで再びマイルスに刺激を受けジャズファンクな方向性を見出したのではないかと思います。

そしていよいよアイツが登場するわけですが、「処女航海」のハンコックさんが
何故、ヘッドハンターズに変貌するのか?そのいきさつが今回Mwandishi期3部作を聴いたことで
やっと自分の中で繋がりました。

Head Hunters/Herbie Hancock - 2020.07.12 Sun








[sales data]
1973/10/13
[producer]
Herbie Hancock
David Rubinson
[member]
Herbie Hancock(Fender Rhodes/clavinet/synthe/etc)
Bennie Maupin(sax/clarinet/fl)
Paul Jackson(b/g/marímbula)
Harvey Mason(ds)
Bill Summers(agogô/balafon/etc)



私がハービー・ハンコックさんを強く意識したのは「Rock It」(1983)の衝撃的なPVなので
ハンコックさんがその昔、一時代を築いたジャズ作品を聴き始めたのはかなり後のことです(苦笑)

ジャズ革新者として常に新しい音楽を模索していたハンコックさんがこのアルバムで
披露したサウンド大転換は一体何だったのか?非常に興味があり、アルバムをリリース順に
丁寧に聴き進めていくとマイルスの影響を受けショーターやザヴィヌル、マクラフリンのように
スピリチュアルな音楽を追求しようとしたもののMwandishi期3部作途中で心折れてしまい、
ハンコックさんは創価学会員ですが池田大作先生に特に宗教的な救いを求めたわけでもなく
Mwandishi期3部作の倦怠感の反動でこのアルバムが誕生したという意外なオチに
少々笑ってしまいました。

本作は大胆にエレクトリックサウンドを取り入れ、収録曲に「スライ」という曲があるように
スライ&ザ・ファミリー・ストーンのファンクとジャズフュージョンの混合。
(ポール・ジャクソン、ハーヴィー・メイスン、ビル・サマーズのリズム隊も強烈)
そのあまりの変わりように当時のジャズファンは、ハンコックも堕落したと非難したそうですが、
ジャズファン以外には大いにウケで記録的なヒット作となり、ハンコックさん本人すら
予想もしなかった新しい音楽の方向性が突如開花します。

ジャズファン以外のポップスファンの好評さに気をよくしたハンコックさんは
この後ディスコウケするブラックファンクを追求する一方、エレクトリックジャズに抗うように
アコースティックジャズ回帰なV.S.O.Pでジャズ・ピアニストとしても大活躍するのですから、
単に音楽幅が広いという言葉では片づけられない振れ幅の大きい彩気(PHYCHE)ミュージシャンです。



このヘッド・ハンターズのツアーの前座は下降線を辿っていたマイルスバンドが行い
プライド高きマイルスさんの苛立ちは相当なものだったでしょうが(笑)
もうこの時点でハンコックさんはマイルスさんを商業的には軽く飛び越えていたわけですが、
ハンコックさんのマイルス愛は生涯変わることはなかったと言われています。

4_202006211612048d5.jpg

Thrust(突撃)/Herbie Hancock - 2020.07.14 Tue









[sales data]
1974/9/6
(Rec:1974/8)
[producer]
David Rubinson
Herbie Hancock
[member]
Herbie Hancock
(Fender Rhodes/synthe/etc)
Bennie Maupin(sax/clarinet/fl/etc)
Paul Jackson(b)
Mike Clark(ds)
Bill Summers(per)



「ヘッド・ハンターズ」で一般の音楽ファンの認知度があがったことで、
本来のジャズ奏者の肩書に加え、洋楽向け?ファンクミュージシャンという二足の草鞋を
履くことになったハンコックさん(本人は特に意識して分けたわけではないと思いますが)

ジャズとロックがクロスオーバーした音が一般の音楽ファンの耳にも届くようになると
多くのジャズミュージシャンが売れ線狙いで耳心地良いメロディー重視に移行していく中
ハンコックさんは「リズム」に重きを置いたことが、時代に埋没せず前進できた
最大の理由ではないかと思います。
(メロディとはリズムに色を塗る手段でありリズム自体に廃れ流行りは関係ありませんからね(笑)

私は「ハンコックはジャズを捨てて商業音楽に魂売った」みたいなジャズ評を鵜呑みにして
この時期のハンコックさんの音楽に見向きもしていなかったのですが
言い訳するとこの時期はロック小僧にありがちな「ギターありき」の傾向で
マハビシュヌ・オーケストラ、リタ―ン・トゥ・フォーエバー、STUFFなどなど
ギター入りのバンドものばかり聴いていたので、ハンコックさんが単独で
これだけの大仕事をしていたことを今更知ってびっくりです。

シンセ音がやや古さを感じさせるもののポール・ジャクソンさん&マイク・クラークさんの
リズム隊のグルーヴを際立たせる色を塗るハンコックさんのサウンドセンス良し。

「Actual Proof」をカーステで聴いているとノリノリで自然とアクセル踏んでしまい
前の車に「突撃」してしまうので要注意です(笑)


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