Joy of a Toy(おもちゃの歓び)/Kevin Ayers - 2023.06.07 Wed
ジミヘンとの米ツアーに疲弊してしまいソフツを脱退したケヴィン・エアーズが
英国アンダーグラウンドのサウンドをまとめる形で1969年英EMI傘下に設立されたばかりの
ハーヴェストからリリースしたソロデビュー作品。

この作品はソフツのメンバー(ワイアット、ラトリッジ、ヒュー・ホッパー)が
全面的に参加しているのでソフツ Vol 1.5的な作品なのですが、
ケバケバしいサイケな衣装を脱ぎ捨てて、脱力気味に才能を振りかざすエアーズさんが
バンドサウンドではなくソロで演りたかったアイディアが満載です。
(デヴィッド・ベッドフォードのオーケストレーションも効果的)
シド・バレットのソロ作品が「静かなる狂気」だとするとこの作品は「静かなるサイケ」です。
サウンドは明るいんですが、そこかしこに毒が仕込んであり、その毒牙に触れると
もうエアーズの強個性の音世界から逃れることはできません。
ボーナストラックにシド・バレットとのセッション音源「Singing a Song in the Morning」が
収録されており(バックはキャラバンメンバー(リチャード・コフラン、リチャード&デイヴ・シンクレア)
エアーズはバレットとバンドを組む構想があったようですが、実現したらバックは
キャラバンメンバーを想定していたのでしょうか。
興味深い音源です。
(with Syd Barrett)
(single version)
スポンサーサイト
[訃報]ジョージ・ウィンストンさん死去 - 2023.06.07 Wed
ニューエイジ・ピアニストの第一人者、ジョージ・ウィンストン(George Winston)さんが亡くなったと
公式サイトが発表しました。
公式サイト
「10年にわたる癌との闘いの末、2023年6月4日(日)に眠っている間に、静かに、痛みなくこの世を去りました」
(享年73歳)

合掌
公式サイトが発表しました。
公式サイト
「10年にわたる癌との闘いの末、2023年6月4日(日)に眠っている間に、静かに、痛みなくこの世を去りました」
(享年73歳)

合掌
Live At The Paradiso 1969/Soft Machine - 2023.06.06 Tue
[sales data] 1995 (Rec:1969/3/29) [member] Mike Ratledge(key) Hugh Hopper(b/g) Robert Wyatt(vo/ds) |
私はソフツ愛の深い信者ではないので、ソフツのライヴブートには着手せず
エアーズやホールズワース在籍時のBBC物や公式のライヴ盤だけをやんわり聴いていたのですが、
ソフツ周辺のCDをamazonで調べるとあるわあるわの非公式を含めたライヴ盤の数の多さに
驚きました。
その中でちょっと目にとまったのが、エアーズが脱退しトリオ編成になり「Volume Two」を
リリースする前のトリオ編成のライヴ盤。
(live at the Paradiso, Amsterdam, Netherlands 1969/3/29)

本盤は「voiceprint」から発売されたものですが、元々はブートで流通していた
有名な音源のようです(ライン録音だと思いますが音はとても良いです)
「Volume Two」(スタジオ盤)は管物を入れていましたが、ライヴは管物を外した
オルガンロックで、全13曲が切れ目なしで40分以上延々続きますが
演奏レベルはシド・バレットが在籍していたピンク・フロイドよりも上だと思います。
もし1969年に戻れるなら「Volume Two」はこのライヴとカップリングして
2枚組で出すべきですね。
(映像は仏でのライヴ)
Volume Two/Soft Machine - 2023.06.06 Tue
[sales data] 1969/10 (Rec:1969/2-3) [producer] The Soft Machine [member] Mike Ratledge (p/hammond/harpsichord/fl) Hugh Hopper(b/g/sax) Robert Wyatt(vo/ds) ***** Brian Hopper(sax) |

ソフト・マシーンはジミ・ヘンドリックスの前座で二度のアメリカ公演を行いますが
このツアーで疲労困憊となったエアーズは、1968年12月にバンドを脱退してしまい
ヒュー・ホッパーが正式メンバーとなったセカンドアルバム。
(兄さんのブライアン・ホッパーがサポートで参加)
ピンク・フロイドでいえばシド・バレットのような存在だったエアーズがいなくなった分、
サイケ色(ヒッピー的な浮遊感)は薄まりますが、ホッパーのファズベースが躍動し
ラトリッジのオルガンもワイアットのドラムも吠えまくり、尖がったプログレッシヴ度は健在ですが、
ピアノやアコースティックギターやブライアンのサックスなど非エレクトリックなサウンドを
取り入れてすでにサウンドの変化(ジャズロックへ移行)が表れています。
内容的にはコンセプトアルバムではありませんが、曲間のつなぎが絶妙でアルバム全体で
1曲の組曲のような壮大さを感じます。